工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
塗装工の仕事に興味を持っている人の中には、一体どんな仕事内容なのか今一つ分からないということもあるでしょう。一般的に住宅の外壁やマンション、自動車、家具などがあります。ここでは塗装工の仕事内容や年収、やりがい、向いている人の特徴などを解説していきます。
塗装工とは塗料を用いて建築物や自動車のボディなどに塗装を行います。塗装は自分で塗料を購入してDIYを楽しんでいる人も多いですが、実際に塗料も使用場所によってさまざまな種類があり、プロの塗装工は塗料の種類や使用環境、耐用年数などその知識も十分備えています。
主な塗装工には建築物の塗装を担当する建築塗装工や板金塗装工があります。
住宅などの建物の外壁や屋根、内装の塗装を行います。かなり広い範囲で作業をしますし、住宅という顧客にとってとても大事な存在を相手にしますから、慎重な作業が必要となります。一般的にイメージしやすいのが、こちらの建築塗装工といえるでしょう。基本的に屋外での作業が多くなり、足場の組み立て作業も仕事内容に含まれているケースがあります。
自動車の塗装などを担当しますが、基本的に自動車の凹みやキズを修理も対応することが多く、塗装だけが仕事ではないのが特徴的です。自動車の新車であれば、一から塗装を行いますが、板金塗装工はキズを修復したか所に塗装をするのが一般的となります。
塗装工の仕事内容は、建築塗装工と板金塗装工で大きく異なります。建築塗装工は対象の建築素材を調べて適切な塗料を選択します。いざ塗装する際に十分調べていないと、腐食が進んでいることもあるので注意が必要です。
特に古い家屋を担当する際には劣化を調べておかなくてはならず、塗装に入るまでにじっくりと調査の時間を作らなくてはなりません。先輩社員の指導・管理下で作業を進めますが、専門資格を取得してスキルを上げていくと、独立開業もできるのでやりがいもあります。
また、住宅以外にもマンションやビルといった大きな建物を担当することもあれば、飲食店などの店舗を担当することもあります。
板金塗装工は自動車やバイクといった乗り物を多く担当します。内閣府の統計によると、平成30年の道路交通事故は43万件に上り、報告されていない擦ったキズなどを含めるともっと多い件数で板金塗装が必要になるといえます。
大きな事故にならなくても、自宅の駐車場で少し擦ったキズもあれば、ドアやボディで知らぬまに凹みを発見することもあるでしょう。このようなときは板金塗装工の出番となります。キズや凹みを修正して、塗装を施して完成させます。
板金塗装工は基本的に整備工場など、屋内の作業がメインとなるでしょう。
※内閣府 平成30年中の道路交通事故の状況
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r01kou_haku/zenbun/genkyo/h1/h1b1s1_2.html
塗装工はどちらかというと工場勤務がお得といえます。屋外の作業になると、夏は炎天下で冬は厳しい寒さに耐えなければなりません。もちろん、工場内も空調が完備されている訳でもなく、暑さや寒さはありますが、やはり屋外とは違いものです。
また、雨や風などの悪天候時には作業が中断することも多くあります。シートをかけて現場保存をするなど作業がひと手間増えるだけでなく、工期が迫ってくることがみられます。休日扱いになって給料に反映される会社もあるでしょう。工場内での勤務になると雨や風があっても基本問題ありません。
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塗装工にはどのようなメリットがあるのかみていきましょう。
意外に思われるかもしれませんが、塗装工は建築・板金ともに未経験から十分スタートできます。もちろん、何らしかの塗装経験があるといいものですが、ほとんどの塗装工は未経験から始めている人たちばかりです。
また、学歴にも左右されません。現場の仕事は経験がモノをいいます。未経験からでもしっかりと覚える意欲のある人はスキルも上達しやすくなるでしょう。
未経験からスタートできる塗装工の仕事ですが、覚えると手に職を身に付けられます。後述しますが、国家資格を取得すればキャリアアップはもちろん、独立開業も夢ではありません。また、車や家といった大きな買い物をしても、塗装の知識があれば長持ちさせるポイントを理解しているので、劣化を防げますし、簡単な塗装なら自分で行えるのも大きなメリットです。
塗装工のデメリットは塗料の汚れが付着するなど、皮膚の弱い人には刺激が少し強いと感じるかもしれません。また、屋外や屋内に限らず、塗装作業は基本的に立ち仕事で腰や肩に負担がかかります。
屋外作業の場合には暑さが厳しいといえます。逆に屋内作業になると塗料の臭いが充満しやすいので、臭いが厳しいと感じる人はデメリットとなるでしょう。
塗装工のやりがいは何といっても綺麗に仕上げた達成感です。苦労して完成した外観を眺めると充実した気持ちになります。また、顧客と直接会話をすることも珍しくないので、仕上がり具合に感謝されると嬉しさも倍増となるでしょう。
塗装が完成した後は、お金を支払っているお客様も感動するものです。「こんなに綺麗にしてくれてありがとう」という言葉が聞けたときは疲れも吹き飛ぶくらいやりがいを感じられるでしょう。
また、商業施設や店舗を担当している場合、看板や外壁は工場で塗装作業をして納品するケースもあります。屋内外の作業に関わらず、担当した店舗や施設が開業したときには感慨深いものになりますし、綺麗なお店という声が聞こえると嬉しくなるものです。
いってみれば自分たちの作品でもありますので、塗装工のやりがいはたくさん溢れているのが特徴といえるでしょう。
塗装工に向いている人の特徴をみていきましょう。
基本的に立ち仕事で刷毛などを扱っているときも肩や腕に負担がかかるものです。足腰をよく使うので体力に自信のある人は塗装工に向いているといえるでしょう。長時間の立ち仕事だけでなく、塗装が完了したら素材を持ち運ぶこともあります。力の要る仕事ともいえるでしょう。
塗装工には集中力が必要です。顧客からは完璧な作業を要求されているもので、少しのミスも許されない作業といえるでしょう。ただ、基本に忠実な作業をしていれば問題ありませんが、長時間の集中力がないと厳しいともいえます。
建築塗装工や板金塗装工にも慎重な作業が求められますので、集中力があるだけでなく、手先が器用な人も塗装工には向いています。
実は一番のポイントとなりそうなのが、塗料の臭いです。個人差があるので何ともいえない部分もありますが、塗料やシンナーの臭いというのは独特で、塗料も材料によって臭いが変わります。一般的にDIYでよく使われる水性塗料はシンナーの刺激臭もなく、扱いやすいものですが、品質の良い油性塗料はかなり強く臭いを感じる人もいます。
この塗料の臭いが気になって仕事を続けられないという人もいるほどで、逆に塗料の臭いが気にならない人は塗装工に向いているといえます。
塗装工の年収や必要な資格を挙げていきます。
厚労省の職業情報提供サイトでは建築塗装工の年収は平均463万円となっています。月給にすると25万円で、賞与や各種手当が企業ごとに異なります。会社の規模によって大きく違う面もありますが、基本的に学歴は左右されないというのは共通しています。
板金塗装工の場合になると、工場や会社の規模でかなり異なります。メーカーの自社工場だと、建築塗装工よりも年収が多い可能性が高まります。
塗装工は日給や月給制の場合もあるので、雨天時に給与が支払われるかがポイントといえるでしょう。たとえば雨天時は休業手当（給与の60%以上）を支払うかといえば、基本的に雨天時は天候になるので、自然現象ですから使用者側（会社）の責任にするのはどうかという視点もあります。
ただ、もともと労働する日なのに休みになったのは、休業手当に関する労働者の最低生活の補償から逸脱するとして労働基準監督署から指導が入る可能性もあります。これに関しては他の休日と置き換えるなど、事前にしっかりと会社側と入念な確認をしなければならないでしょう。
| 塗装技能士 | 有機溶剤作業主任者 | 危険物取扱者 | 溶接技能者 | 足場の組立て等作業主任者 | |
| 建築塗装工 | ◎ | ◎ | 〇 | △ | ◎ |
| 板金塗装工 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | 不要 |
塗装工に必要な資格は主に「塗装技能士」です。塗装技能士は1級と2級、3級があり、まずは2級を目指します。塗装技能士には「建築塗装作業」「金属塗装作業」「噴霧塗装作業」「木工塗装作業」「鋼橋塗装作業」の5種類があります。
このうち、ここで解説してきたのが建築塗装作業と金属塗装作業で、自動車の板金塗装は金属塗装作業に属されます。
また、関連資格になると「有機溶剤作業主任者」、「危険物取扱者（乙第4種）」、「アーク溶接技能者」「足場の組立て等作業主任者」などがあります。板金塗装工と建築塗装工に共通するのは有機溶剤作業主任者です。危険物取扱者の資格を取得するのもキャリアアップに必要となるでしょう。
建築塗装工では必ず足場が必要になります。足場の組み立て等作業主任者の資格は必須ともいえます。板金塗装工は溶接技能の資格を取得するのもおすすめです。
ここまで塗装工の仕事について解説してきました。塗装工には建築と板金に大きく分かれており、屋外か屋内かでもことなります。どちらがいいかは向き不向きもありますが、会社の規模によって給料も左右されますので、慎重に検討するようにしましょう。
未経験からでもスタートできるのが魅力ですので、塗装工に興味がある場合は比較的参入しやすい職種といえます。
