工場の仕事には、ほぼ必ず朝礼があります。何をするかは工場によって違いますが、その目的は共通で「安全に・計画通りに仕事を行うため」です。
ただ、中には「工場長の独演会になってる」「持ち回りの一言スピーチが嫌だ」「ずっと立たされてるだけで、何の意味があるのか分からない」など、社員にとって苦痛になってしまっている朝礼も少なくありません。
たかが朝礼と思うかもしれませんが、それが毎日ある工場では、朝礼のストレスが働きやすさに直結します。そのため、朝礼の内容や目的、その実態などは事前にしっかり押さえておきましょう。
工場の朝礼の内容
工場の朝礼の目的は「安全」です。そのために朝礼では次のような活動が行われます。
- 当日の生産数など連絡事項の共有
- ウォーミングアップ
- メンバーの体調や身だしなみの把握
- 社員間のコミュニケーション(持ち回りのスピーチなど)
ほかに表彰などがあれば、朝礼の場で発表されます。司会は持ち回りでやる工場が多いです。
時間はまちまちですが、短いと10〜15分、長い工場では50〜60分くらいの工場もあります。場所は工場内が多いですが、外や会議室などでやっている工場もあります。
連絡事項は、工場内のルール変更や業界内であった事故・改善事例の共有、工場に関係するニュースの共有などです。また工場の取材や見学などがある日は、その予定も事前に共有されます。
ウォーミングアップは、だいたいラジオ体操です。工場は体を使う仕事なので、体をしっかり動かせるようにしてから仕事に臨む必要があります。事故や怪我なく、安全に仕事をするためにも、朝の体操は欠かせません。
また朝礼は、メンバーの体調や服装をチェックする場でもあります。顔色の悪い人はいないか、身だしなみは問題ないか。特にベテランの社員ほど、生産性を優先して服装の規定や製造フローから外れたことをやりがちなため(帽子のかぶり方が甘くなる等)、朝礼の場でのチェックが欠かせません。
コミュニケーションでよくあるのは、持ち回りで実施される1分くらいの一言スピーチですね。仕事に関するネタでスピーチしてくださいという工場が多いですが、プライベートなネタでも構わないという工場も意外とあります。
朝礼の意義:廃止して窮地に追い込まれた工場もある
朝礼と聞くと「面倒くさい」「意味ない」などネガティブに捉える人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、工場にとって朝礼は欠かすことができません。実際、朝礼を廃止して経営が大きく傾いてピンチに陥った工場もあります。
朝礼を軽視して現場の統制が取れなくなった工場|日経XTECH
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00578/00005/
職種にもよりますが、工場の仕事は基本、社員どうしのコミュニケーションが少ないです。特にライン仕事は目の前の作業に黙々と取り組むのが役割なので、休憩時間以外で誰とも話さないなんて日も珍しくありません。
だからこそ、朝礼は社員どうしの情報共有やコミュニケーションの場として大切です。朝礼がなくなると、業務フローの変更など重要な連絡も、掲示物で済ませるといった形になります。ですが、これでは社員全員にきちんと共有されません。
結果、仕事のミスや納期の遅れが増えて、顧客からの信頼を失って、營業が傾くのは容易に想像できるでしょう。
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しかし、社員にとって価値のない朝礼をやっている工場があるのも事実
ですが、すべての工場の朝礼が、社員にとって有益なものかというと、そうでもありません。中には、冒頭で挙げた工場長の独演会みたいに、価値がない朝礼もあります。
よく聞かれる事例をいくつか挙げてみましょう。
1. 工場長や課長のひとり語り
価値がない工場朝礼の代表例は、工場長や課長が延々と話す朝礼です。
まれに「ためになる話ばかりだから聞いてて苦痛じゃない」「知らない時事ネタが多いから、自分たちの仕事にどう活かせるかとか考える機会になってる」など価値あるケースもありますが、これはレアケース。だいたい「立ったまま何十分も無駄な話を聞かされてる」と不満の原因になっています。
2. とにかく長い
工場の朝礼は通常、10〜15分ほど。長くても30分くらいが一般的ですが、たまに60分以上やっている工場の話を聞きます。長い朝礼=価値がない、とはなりませんが、往々にして無駄に長いケースが多いです。
特に夏場の工場内で60分も朝礼をやっては、仕事前に社員が熱中症で倒れてしまいます。実際、朝礼で気分が悪くなった、社員が倒れたという話はわりと耳にします。
3. 始業時間前にやるから給料も出ない
中には朝礼を始業時間前にやる工場があります。そしてこの場合、給料は出ません。そのため「お金にならないから、やらないでほしい」といった声も少なくありません。
いくら朝礼が工場にとって必要なことでも、社員が前向きでなければ意味はありません。ただそこにいるだけで、共有された情報をきちんと聞いていなければ、仕事のミス・トラブルにつながる恐れがあります。
しかし「朝礼は業務ではない」という認識が根強いためか、残念ながらいまだに業務時間外に行う工場は残っています。
4. 一言スピーチが苦痛
工場は「人間関係が楽な職場だから選んだ」という人も多いです。そういう人にとって、みんなの前で話す一言スピーチはかなり苦痛を感じると言います。「人前で話したくない」のはもちろん「ネタが見つからない」という悩みも多く聞かれます。
安全な仕事のために工場の朝礼は必要不可欠
最近は若い世代で、こうした儀礼的な取り組みを嫌煙する動きも少なくありません。
ですが、少なくとも工場において朝礼は、社員全員がその日1日の仕事安全に終える上で欠かせないものです。この点はしっかり押さえておいてください。