工場夜勤は稼げる? メリット・デメリットについて

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工場の仕事は「夜勤があるから稼ぎたい人におすすめ」と紹介されることが多いです。
確かに工場勤務は夜勤のおかげで給料が高くなります。地方の工場だと40代で年収600〜700万、中には1,000万という人が意外といます。

ただ、夜勤はメリットばかりではありません。体力的にきついなど、デメリットを感じる人が多いのもまた事実です。
日勤のみの仕事もありますが、工場は基本的に夜勤はつきものです。そのため工場系アルバイトを志望している方は、夜勤のメリット・デメリットを事前にしっかり押さえておきましょう。

工場の夜勤シフトには、大きく2パターンある

多くの工場はシフト制です。このシフトには次の2パターンがあります。

  • 2交代制
  • 3交代制

中には4交代制や連続2交代制など変わったシフトもありますが、この2つが最もポピュラーです。

2交代制とは

2交代制は、昼に働く日勤と夜に働く夜勤、2つのチームに分かれて工場を回すシフトです。具体的な勤務時間は工場によりけりですが、

日勤:8:00〜17:00
夜勤:18:00〜翌3:00
停止:3:00〜8:00

のようなシフトを組みます。通常、工場を停める時間が出ます。

3交代制とは

3交代制は、朝番・昼番・夜番の3つのチームに分かれて工場を回すシフトです。こちらの場合は、

朝番:8:00〜17:00
昼番:16:00〜翌1:00
夜番:0:00〜9:00

といったシフトを組みます。こちらは2交代制と違って、工場を無理なく24時間フル稼働させることができます。

ご覧のようにどちらも夜勤がありますが、勤務時間は少し違います。2交代制の夜勤が働く時間は、夕方から深夜にかけて。3交代制の夜勤が働く時間は、深夜から翌朝にかけてです(あくまで一般的な勤務時間の例です。実際は工場によって違います)

工場のシフトについてもう少し具体的に知りたい方は、以下をご覧ください。

*工場のシフト (2交代制・3交代制) による残業・休日・稼ぎなどの違い
https://afghaneic.com/32/

シフトは1〜2週間ごとに申請するスタイルが多い

多くの工場では1〜2週間ごとにシフトを提出します。
夜勤は原則、誰かに偏ることがないよう、全員が無理なく均等に入ります。そのため、日勤4日+休日1日+夜勤2日+休日2日のような、変則的な働き方になることが多いです。

中には日勤と夜勤を1週間ごとに交代するような工場もありますが、少数派です。

工場の夜勤は給料が高いので、稼ぎたい人にはおすすめ

工場の夜勤は給料が高いです。その理由は2つあります。

  1. 深夜割増賃金となるため
  2. 夜勤手当があるため

(1)の手当は必ず支給されますが、(2)の手当は支給されない工場のほうが多いです。

深夜割増賃金とは

労働基準法では、夜10時から翌朝5時までの労働で発生する給料は、もともとの時給を25パーセント以上、割り増しした給料を払わなければならないとしています。時給1,000円の人が、22:00〜翌朝7:00に働いた場合、

  • 22:00〜翌朝5:00まで働いたぶんの給料=1,000円*125%*7時間=8,750円
  • 5:00〜7:00まで働いたぶんの給料=1,000円*2時間=2,000円

合計で10,750円となります。日勤のみで同じ時間だけ働いた給料(9,000円)より、1,750円(およそ2時間ぶん)高くなります。月に働く日数が18日とすると、

  • 夜勤なし:162,000円(9,000円*18日)
  • 夜勤あり:193,500円(10,750円*18日)

給料が月額3万円、年収で36万円も差が出ます。働く時間が同じなのに、給料は2ヵ月ぶんも変わるわけですね。
(すべてのシフトが夜勤になることは基本ないので、実際はここまでの差はつきません)

ちなみに、中には割増率が25パーセントを超える工場もあります(労働基準法では25%”以上”と定められています)

夜勤手当とは

工場によっては、夜勤手当を用意している所があります。夜勤1日につきプラス3,000円のようなイメージです。
時給1,000円・9時間勤務・18日勤務・うち夜勤(22:00〜翌7:00)9日の人と、同じ待遇で日勤のみの人の給料を比較してみましょう。

  • 夜勤なし:144,000円
  • 夜勤あり:195,750円

このように5万円近い差がつきます。年収で60万です。
ただし、夜勤手当を設けている工場はそこまで多くありません。

深夜割増賃金を「手当」と求人に書いている工場には注意

工場の求人を拝見していると、よく次のようなアピールを見かけます。

「待遇:夜勤手当あり(深夜は時給25パーセント増!)」

この「25パーセント増」は、深夜割増賃金のことです。この工場はそれを特別な手当のようにアピールしています。
ですが、深夜割増賃金は法律で払わなければならないと決まっているので、厳密には手当(特別な補助)ではありません。

このように、支給が当たり前の深夜割増賃金を「特別な手当」のように見せている工場は、程度の差はあれど、ブラックな可能性があります(もちろん工場によります)。そのため応募する前に会社や工場についてよく調べておきましょう。

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工場の夜勤は慣れないとしんどい(メリット・デメリットについて)

ここまで工場夜勤のメリットを中心にお伝えしてきましたが、もちろんデメリットもあります。
改めて、メリットとデメリットについて整理しておきましょう。

工場夜勤のメリットについて

  • 稼げる
  • 昼間に時間ができる
  • マイペースに働ける
  • 食事手当など特別な手当がつくことも
  • 夏の勤務が少し楽

最大のメリットは、やはり稼げる点です。地方の工場だと、年収600〜800万ほど稼いでいる人が意外といます。営業などで勤めていた人が「給料もボーナスも低いから工場へ移った」というケースはわりと聞きます。

また、時間や働き方にもメリットがあります。

まず時間。夜勤の場合、昼間に時間ができるので、明るい時間にプライベートを楽しめる、お店が空いているなどのメリットがあります。スポーツやショッピングが好きな工場アルバイトの多くは、この点をメリットとして挙げる人が多いです。

働き方は、マイペースに働ける点が魅力ですね。朝方は配送トラックの搬入などがあってバタバタすることが多いですが、夜は基本のんびりしています(工場によっては「暇で眠くなる」という弊害があることも)

また工場は弁当支給や食費補助といった手当がつくケースが多いですが、日勤より夜勤のほうが補助額が多い工場が多いです。

あと地味なメリットとして、夏の勤務が楽な点があります。ケースバイケースですが、夏の工場内はだいたい暑いです。ただ夜は昼より気温が下がるので、多少ですが仕事が楽になります(ただ、あくまで工場の日勤と比べてです)

工場夜勤のデメリットについて

  • 慣れないと体力的にしんどい
  • 家族や知人と一緒に過ごせる時間が減る
  • 休日は過ごしにくい
  • 寝られない体質になる(かもしれない)

まず、慣れないと体力的にしんどいです。
工場の夜勤は交代制です。そのため常時夜勤ではなく、隔週くらいで生活リズムを変える必要があります。これがしんどいという人はわりといます。
慣れればあまり気にならなくなりますが、それまでは大変かもしれません。

ちなみに2交代制と3交代制では、2交代制のほうが楽と思われがちですが、意外とそうでもありません。むしろ「2交代制のほうが楽、3交代制のほうがしんどい」という声が多い印象です。

2交代制・3交代制の詳しいメリット・デメリットが知りたい方は、先に紹介したシフトの記事をご覧ください。

*工場のシフト (2交代制・3交代制) による残業・休日・稼ぎなどの違い
https://afghaneic.com/32/

また昼夜逆転の生活を送るので、家族や知人と過ごせる時間が減ります。特にお子さんがいるご家庭は、この点がネックなるでしょう。

休日を過ごしにくくなるのも、意外とデメリットです。休みの日にどこか行きたい、知人と会いたいとなると、その日だけ昼型に戻さなければいけません。ですが、その前日が夜勤ですと、実質徹夜になります。ここにストレスを感じる人は少なくありません。

意外なデメリットとしては、寝られない体質になる点が挙げられます。
人はもともと、朝に起きて、昼に活動して、夜は寝る生き物です。そのため「夜勤が明けて家に帰って寝ても、すぐ目が覚めてしまう」「睡眠不足でいつも眠くてしんどい」という人がたまにいます。

このように工場の夜勤にはデメリットもあるので、注意してください。

もし「夜勤なしの工場アルバイトが良い」という方は、工場系求人サイトで「夜勤なし」「日勤のみ」といった求人を探してみましょう。最近は夜勤なしのニーズが増えているのもあって、どの検索サイトでも「日勤のみOK」といった検索条件が用意されています。
たとえば、大手工場系アルバイト求人サイトの工場ワークスには3,793件、工場求人ナビに417件の夜勤なし案件が掲載されています(調査時点の件数です)

40代や女性でも工場の夜勤は問題なく働ける

40〜50代など年齢が上の方や女性からは「夜勤で働きたいけど、体力に自信がない・・・」「しんどいって聞いてるから、ちょっと不安」といった声もたまに聞こえてきます。
結論、そこまで不安に思う必要はありません。40代や女性の方が、工場の夜勤でバリバリ働いている方はたくさんいます。

40代の方は、給料アップをめざして夜勤で稼げる工場へ転職される方が多いです。たとえば部品工場の派遣社員でも、月10日ほど夜勤に入れば、給料は月収30万ほどになります。正社員でボーナスがつくと、600万くらいになる工場も少なくありません。
また、年齢が上の人は体力的に夜勤が厳しいのは分かっているので、工場側も日勤が多めになるよう配慮してくれることがあります(ただし工場によります)

特に地方の工場は人手不足に悩んでおり、40代でもまだまだ若手です(20〜30代が都会に出ていってしまい、ほとんどいないため)。そのため多くの工場では、40代を積極的に採用しています。

女性の場合、小さな製品の梱包や仕分け、ピッキングといった仕事や、食品工場の仕事を選ぶ人が多いです。これなら体力に自信がない人でも、しんどい思いをすることなく働けます。女性の工場夜勤希望者は、このあたりを狙ってみると良いでしょう。

ただし食品工場の中でも、コンビニ弁当やパン、生菓子(ケーキなど)といった消費期限の短い食品を作っている工場は避けたほうがいいかもしれません。
こうした食品は長期保存ができないため、毎日大量に製造されます。そのため工場によっては、夜から朝にかけてとても忙しい所があります(基本的に昼より楽だと思っておいて大丈夫ですが、念のため気をつけておきましょう)。特にしんどいと聞くのが、パン工場の深夜から朝にかけての仕事です。

工場の夜勤が向いている人・向いていない人

最後に、ここまでの話を踏まえて、工場の夜勤が向いている人と向いていない人の特徴を整理しましょう。

<工場の夜勤が向いている人の特徴>

  • とにかく稼ぎたい
  • 夜に働きたくて、体力に自信がある
  • 夜型
  • マイペースに働きたい
  • 人間関係が楽な職場がいい

<工場の夜勤が向いていない人の特徴>

  • 家庭を持っている
  • 体力に自信がない
  • 夜に起きているのが苦手
  • 友達や知人と会う時間を増やしたい

まとめ

工場の夜勤は「稼げる」というメリットばかり語られることが多いですが、ご覧のようにデメリットもあります。向いていない人が就いてしまうと本当にしんどい仕事なので、気をつけてください。

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