工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
電気系の仕事に興味を持っている未経験者の場合、一般的には電柱や電線、送電塔などに携わる電力会社の社員の電気工事をイメージしがちです。ただ工場にも電気工事の仕事があり、さまざまな分野で工場の電気系の仕事をこなしています。
円滑な生産活動を進めていくためにも、工場での電気工事は大変重要であり、少し専門的な分野ですので慢性的に人手不足に陥っている部署もあります。そこで、電気系のお仕事に興味を持ち、工場で働きたいと思っている求職者の方に参考となる電気工事の仕事内容、やりがいを紹介していきます。
電気工事は、工場以外でもたくさんの仕事があります。ですが、工場の電気工事として求められるのは、できるだけ生産を止めずに工事を行うことが大切です。工場での電気工事といっても、簡単なものから大掛かりなものまで多岐に渡るのが特徴的となります。
普段の仕事は電気系のメンテナンス（保守・点検）となり、工場内の各設備が順調に稼働していくように注視しなければなりません。ただ、メンテナンスだけなのかといえば、一概にそうとも限らず、突発なトラブルにも対応する必要があります。次に工場の電気工事の内容をみていきましょう。
工場の照明、電気などを使えるように工事を行います。工場によっては24時間稼働している所もあり、電力の消費がとても大きい所もあるので、照明のLED化や照明が切れているところの交換を担当します。基本的に現場で対応できる交換作業の場合、照明部品の発注を行います。
電話配線の工事、インターネットのLAN構築作業などです。また、新たに工場の立ち上げや新設備の導入、レイアウト変更など、工場内で設備が動く場合には、配線工事を担当することもあります。さらには、現場の要望などでコンセントの設置、スイッチの取り付けを行う場合の工事を担当します。
エアコン、換気扇、ダクトの取り付けなどを行います。工場によっては、決められた温度、湿度で管理する部署もあるので品質を保つために空調設備の管理、維持をするのが目的です。また、工場で最も多いトラブルがエアー漏れで、定期的に点検しておき、エアーホースの劣化、レギュレーター、ソレノイドバルブ、シリンダー、スピードコントローラーなどの各部品交換を検討していきます。
工場では漏電するのも珍しくありません。漏電といっても工場全体に被害が及ぶものではなく、設備に備え付けられてあるモーターやコンベアー、配線のコネクタ部にクーラントが入ってショートすることがあります。漏電時は現場の設備はトリップで停止しますから、二次災害が無いように迅速に復旧作業に入ります。
また、悪天候による停電時のトラブルにも対応します。夜間に停電が起こった場合、コンプレッサーが作動せず、現場作業員だけでは復旧できない場合もあるでしょう。夜間に電気系スタッフが常駐している工場はいいですが、そうでない場合は緊急招集がかかることもあります。
後は火災感知器、火災警報器などの火災が起きた時に備えるための工事を行い、監視カメラを付けて外部の侵入者に備える工事を実施することもあります。業者に一任することもあるでしょうが、連絡先との対応などは電気係が任されることが多くなります。
工場の電気工事で多く見られるのが現場での突発的なトラブルです。モーターの故障やショート、コンベアベルト、ロボットの動作不良など、設備が稼働できない場合に現場に赴いてトラブルの原因を調べます。
近接センサーの断線や故障などは現場作業者でもすぐに対応可能ですが、サーボモーターの故障でその場では交換できないような場所に設置されている場合、生産技術のスタッフと共同で交換・更新作業を行います。
工場の電気工事のやりがいは、「みんなから感謝してもらえること」です。現代の生活では、電気はあって当たり前といってもいいくらい身近なものになっています。ですが、そんな当たり前を支えているのは電気工事です。
電気工事というと、高い所の作業、外での作業などつらい場面を思い浮かべてしまうかもしれません。屋外で作業する場合、夏場だと炎天下の中ですし、冬場であれば雪がふぶく状況での作業もあります。ただ、そんなつらい状況の中でも頑張って作業して感謝する人がいればやりがいも出てくるものです。
工場では電気工事はあって当たり前といえ、なければ工場での生産が回らないといえますし、すべてを外注で賄わないとならないので経費がかかります。それだけに工場での電気工事ができる人は重宝されるのが分かるでしょう。
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工場の電気工事に向いている人の主な特徴を紹介します。向いている人の特徴としては主に3つです。
電気工事をするうえで、もっとも大事なことです。仕事内容に興味がなければ続かないので、電気、物理に興味があるのは必須条件と言えます。ここで大事なのは「興味があること」です。知識がなくても興味があれば、分からない所があっても自分で調べ、周りに聞いてどんどん仕事を覚えられるようになるのでまずは関心を持つことが大切です。
電気工事は、複数人で作業することが基本です。そのため、周りとうまくコミュニケーションをとりながら仕事をする必要があります。1人で黙々と作業をしたい人にとっては不向きですが、みんなと一緒なら仕事ができるという人は電気工事の仕事が向いているかもしれません。
やりがいの所でも軽く触れましたが、電気工事は、屋内、屋外、季節に関係なく作業することが求められます。そのため、環境にうまく適応する必要があるので体力が大切です。また、細かい作業はもちろんのこと、現場の設備は古いタイプがあるので、錆や劣化でボルトやナットが固くなり過ぎてゆるまないこともあれば、コネクタが外れないケースもあります。このような場合は力も必要になってくるでしょう。
厚労省の令和元年賃金構造基本統計調査によると、電気工事士の年収は400万～500万円となっています。経験年数や会社の規模によっても異なりますが、月給は30万円前後といえるでしょう。
工場の電気工事に転職したい場合には、転職サイトや求人広告などの求人媒体を利用する方法、工場系で働く知人に紹介してもらうなどがあります。
転職サイトや求人広告を利用して申し込みます。工場勤務では主にラインオペレーターを募集しているので、電気系に関する募集は専門職として別に設けていることもあります。電気系の資格や経験者を優遇することがよく見られますが、実質的には未経験でも応募可能ですので、積極的に申し込みをかけるのがベストです。その際には、給与・福利厚生、休日、通勤場所などをよく確認してから応募しましょう。
ハローワークや求人広告を利用して申し込む際に気を付けたいこととしては、記載してある仕事内容と実際の仕事内容が異なる場合があることです。また、労働時間が異なることもあるので面接時に注意が必要です。
どちらかといえば求人サイトを利用するほうが無難といえます。
実際に工場勤務をしている知人や家族を通して会社に就職するケースもあります。こちらの場合は、労働時間、給与などはある程度把握することが可能です。電気系の職種を希望する人は重宝されますので、スムーズに採用までいけます。ただ、紹介してもらった人の信用のもとに成り立ちますから、簡単に退職して再転職するのは難しいのがデメリットです。
電気工事を行う際には、電気工事士の資格が必要です。電気工事士の資格はそれぞれ、第一種、第二種があります。第一種と第二種の違いとしては、扱える電気の量と作業できる場所が異なります。
電気工事に携わりたい場合には、誰でも受験可能な第二種電気工事士の資格を取ることがスタート地点となります。第一種電気工事士に関しては、第二種電気工事士の資格を取得してから3年以上の実務経験が必要です。
また、電気設備の保守点検を管理できる電験（電気主任技術者）三種を取得している場合も優遇されます。
工場の電気工事は主に工場内設備の保守点検がメインで、照明設備や配線工事も担当しています。現場の電気トラブルにも対応し、工場にはなくてはならない存在です。専門職ですからそれだけにやりがいのある仕事ですし、電気に興味のある人は未経験でも採用可能な工場も多く、需要のある仕事です。
