食品加工では衛生面の徹底や集中力のいる単純作業の連続など、向いている人と向いていない人に特徴がはっきりと分かれます。そこで食品加工のバイトにおける仕事内容とやりがい、向いている人の特徴を解説していきます。
食品加工の仕事とは
食品加工の仕事は、基本的に衛生管理が施された工場内で作業し、爪や髪型にも細かいルールが定められています。これは正社員やアルバイトに関係ありません。食品加工の仕事の中でも多くの割合を占めている食品加工工場の仕事をみていきます。
食肉加工
牛肉や豚肉、鶏肉といった食肉はご家庭で調理しやすいように工場で加工されています。スーパーの食肉コーナーではトレイにグラムごとで振り分けられているように、大きな肉の塊を専用の機械でスライスして切り分け、計量するのが食肉加工工場の仕事となります。
納品先によっては分け方も異なるものです。たとえば鶏肉だと、1枚・2枚というようにブロック分けされているのが一般的ですが、から揚げ専用に一口大にカットされたものもあります。
鶏1羽に付き、もも肉が2枚取れるものなので、通常は1枚から3枚を小分けしてパックにしていますが、中には1キロ(4枚)や2キロ(8枚)で、大きい袋に分けることもあります。
お肉系は食材でもメインとなりますし、どのような部位があるのか勉強になることも多いでしょう。
また、食肉加工の現場では低温作業となるので夏も涼しい環境で作業できます。生ものを扱うので殺菌には特に注意が必要です。
魚・水産加工
マグロやブリ、ハマチに代表されるように魚をメインとした水産物を加工しています。貝や海藻類も水産加工工場で扱い、魚は切り身にして冷凍商品にする場合もあれば、燻製、佃煮、缶詰に加工することもあります。
水産加工工場では旬の魚介に詳しくなれるだけでなく、さまざまな魚や貝の種類を勉強することができます。趣味で釣りや料理に詳しくなっても、覚える魚の数は知れていますが、水産加工の工場では多くの魚介に触れる機会がありますずので、知識を蓄えることができます。
生ものですから食肉加工と同じように清潔な環境が必要です。工場によっては魚をおろすのに機械だけでなく、包丁を使っている部署もあります。鰻の加工では釘を刺してさばくこともあるでしょう。
総菜・弁当工場
惣菜・弁当工場では、コンビニやスーパーでおなじみとなっている商品の加工を行っています。多くの人が一度は購入したころがあるといえるでしょう。特にスーパーではさまざまな年代の人が選べるように多種多様の食材や商品を扱っているため、総菜工場では料理の知識も養えます。
総菜・弁当工場では一から調理することもあれば、機械で加工されたものをコンベア上に流れてくる容器に分量通りに詰めていく作業をするケースがあります。流れ作業が多くなるので、料理が苦手な人でも担当できる仕事があります。基本的に手先が器用な女性や、主婦層にも人気の仕事です。
髪の毛一本でも混入すると問題になるので、身だしなみにも清潔感が必要なバイトです。
製菓・パン
甘いものが大好きな人にとって魅力的なのが製菓・パン工場のバイトです。お菓子やデザートは非常に多種あるので、特に工場内で漂う出来立ての香りはたまりません。
パンやクッキー、ケーキのように生地を焼く工程があると、暑い環境の中で作業しなければならないこともあります。カットされた生地の成型を機械で行う工場もあれば、手でこねる部署もありますが、慣れればそれほど難しいものではもありません。
製菓やパン工場は基本的に大量生産するので、流れ作業がメインとなります。手早く同じ作業をコツコツと続けられる人が向いています。
食品加工工場で共通すること
食品加工工場のバイトで共通することをみていきましょう。
衛生管理が徹底されている
食品加工工場では消費者が口にするものを製造しています。当然ながら衛生管理には正社員やバイトに関係なく厳しくなります。清潔感のある作業着や帽子、マスクはもちろん、部署によってはフェイスガードやゴーグルで額の汗も落とさないように気をつけています。
また、工場によっては独自のルールを設けており、髪の毛や爪の長さを管理し、マニキュアやピアス、ネックレスなどの装飾品の禁止がされています。装飾品は異物混入だけでなく細菌の繁殖を防ぐためにもかなり厳しくチェックされます。
仕事中にふとしたことがきっかけで指先をケガすることもあります。日常生活でも同様ですが、このような時には多くの人が絆創膏を貼ってケアをするのではないでしょうか。しかし、食品を扱う工場では水を使うので絆創膏がはがれやすく、傷口から黄色ブドウ球菌が検出される可能性があります。黄色ブドウ球菌は熱に強いので、食中毒のリスクが非常に高くなってしまいます。
たとえバイトから食中毒が発生すれば工場は保健所の立ち入りで操業停止になりますし、何よりも人命が失われる可能性があるので、指にケガをした場合には絆創膏の上から手袋を装着するなど、慎重にならなければいけません。
立ち仕事と同じことの繰り返しで忍耐力が必要
食品加工工場のバイトでは座って作業できる仕事もありますが、ほとんどが立ち仕事になります。短時間のバイトならそれほど苦痛でもありませんが、フルタイムや残業もあるような職場の場合、足腰に負担がかかる恐れがあります。
また、単純作業の繰り返しで時間の経過が遅く感じられることもあるでしょう。ベルトコンベアでの作業の場合、時計を見るたびに時間がほとんど経っていないことにイライラする人も少なくありません。その点を踏まえても食品加工工場でバイトをする人は、単純作業が苦痛でない忍耐力が求められます。
丁寧な作業が求められる
食品加工工場では丁寧な作業が求められます。バイトといえど、何百・何千といった商品にもすべて同じものを作らないといけません。そのためにはコツコツと丁寧な作業を集中して継続する必要があります。
テレビ番組では食品加工工場は機械の自動化で生産されている模様が放送されていますが、実際にはどれほど自動化が進んでも、完全な省人化は設備導入費用や雇用の観点からも難しいといえます。それゆえにまだまだ手作業が必要となるので、丁寧な作業を心がける人材は優遇されます。
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食品加工のバイトでやりがい
食品加工のバイトのやりがいは、食材や調理の知識が増えることです。さらに、加工・調理された食品が実際にスーパーやコンビニなどで陳列されて、売れ行きを見届けるのも楽しくなるでしょう。
食品加工工場のバイトをされている方で、スーパーやコンビニで買い物をしない人はほとんどいないでしょうから、自分が一生懸命生産した商品が売れるとだれでも嬉しくなってやりがいも高まっていきます。
食品加工のバイトに向いている人
食品加工工場のバイトに向いている人は、立ち仕事や単純作業の繰り返しも苦にならず、集中力や忍耐力に自信のある人です。また、黙々と丁寧な作業を心がける人にも適しています。
短時間バイトを募集している工場も多いので、フルタイムで働けない主婦層にも向いています。さらに、自社工場から明け方に出荷する職場では、夜間に総菜を製造する必要がありますので、深夜業務で稼ぎたい人にもオススメです。
食品加工のバイトに向いていない人
食品加工のバイトに向いていない人の特徴は、細かい作業で集中力を欠きやすく、単純作業の繰り返しが苦痛になって長時間の立ち仕事もできない人です。体を動かしたい人や接客が好きな人には向いていません。また、特定の食材にアレルギーがある人は、工場で扱っている食材にどのようなものがあるかを事前に聞いておく必要があります。
まとめ
食品加工のバイトは多くの場合、食肉や水産、総菜といった食品加工工場で働くことになります。人が口にするものを扱うので、徹底された衛生管理と単純作業の繰り返しによる忍耐力、そしてコツコツと丁寧な作業が求められます。
また、自分で生産した商品が実際にスーパーやコンビニで陳列されて売れていくとやりがいを感じるものです。黙々と作業を続けることが好きな人には、特に向いているバイトといえるでしょう。