ピッキングとは? 仕事内容・向き不向き・給与・残業などまとめて紹介

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工場バイトの中でも人気のひとつがピッキング。名前の通り「決められた製品をピックする(選び取る)」仕事です。未経験の方でも出来るため、アルバイト先・パート先に選ぶ学生や主婦(夫)がたくさんいます。

ただピッキングは、仕分けや梱包と勘違いされるくらい、仕事内容が知られていません。そのため実際に工場で働き出してから「思ってた仕事と違った」といった話もよく聞きます。ピッキングのアルバイト・パートを考えている方は、仕事内容について事前に押さえておきましょう。

ピッキングとは(仕事内容について)

ピッキングとは、ピッキングリストに記載された食品や部品などを倉庫から集めてくる(=ピックアップする)仕事です。大手の工場では機械で自動化されていることもありますが、食品などの繊細な製品は主に人の手でピックアップされています。

薬局で薬剤師さんに処方箋を渡すと、記載された薬を棚から取り出しますよね。あの作業を工場で行う仕事がピッキングです。処方箋がピッキングリストですね。

ピッキングには種まき式・摘み取り式の2種類がある

ピッキングの仕事スタイルには、種まき式と摘み取り式という大きく2種類のスタイルがあります。

*種まき式
指示された製品をピッキングし、それを指定された種類ごとに再度ピッキングするスタイル。ピッキング作業を2回行う。年賀状の仕分けのイメージ。

*摘み取り式
指定された製品を棚や倉庫から取ってくるスタイル。ピッキング作業は1回だけ。薬局のイメージ。

種まき式は、たとえば企業Aが発注した製品をすべて仮置場に集めて(1度目のピッキング)、それを配送先の支社ごとに分類する(2度目のピッキング)といったイメージです。トータルピッキングとも呼ばれ、このやり方だとピッキング作業は少なくとも2回あります。通常、1回目と2回目のピッキングは分担して担当します)

摘み取り式は、先に紹介した薬局のイメージです。こちらはピッキング作業が1回で済みます。

他には、スーパーやドラッグストアの陳列商品をバーコードリーダーでチェックして数を確認するといった仕事もあります。厳密にはピッキングではありませんが、似たような仕事ですね。

ピッキング・仕分け・梱包で、仕事内容はどう違う?

求人広告では、ピッキング・仕分け・梱包はワンセットにされることが多いですが、それぞれの仕事内容は違います。

仕分け 食品や部品を決められた種類別に分ける仕事
ピッキング ピッキングリストで指示された食品や部品などを集める仕事
梱包 ピッキングされた食品や部品を段ボールなどに詰める仕事

仕分けは、たとえば年賀状を配送先ごとに分ける仕事などです。ピッキングは、その仕分けられた物から、指示されたもの(ex. 東京都港区宛ての年賀状)をピックアップする仕事ですね。梱包は、そのピックアップされた製品を段ボール箱などに詰めて封をする仕事です。

大手の工場では、この3つはだいたい分かれていますが、中小工場だと一人が兼務しているケースもあります。そのため、この3つはひとまとめにされることが多いです。
ただ書きましたように、仕分けも梱包もピッキングとは全く違う仕事なので、兼務すると覚えることが多くなり、慣れないうちはミスも出やすいです。工場未経験者の方は、ピッキングのみに集中できるアルバイト・パートを選びましょう。

ピッキングの良い所・良くない所

では、アルバイト・パートとしてのピッキングには、どんな良い所や良くない所があるのか、細かく見ていきましょう。

ピッキングの良い所

ピッキングの良い所は、大きく7つあります。

  1. 未経験からOK
  2. 単純作業の繰り返し
  3. 人間関係が気楽
  4. 稼ごうと思えば稼げる
  5. 女性でも働ける工場の仕事
  6. ものづくりに携われる
  7. 服装規定が緩め

 

まず未経験でも出来る仕事という点。覚えることは、

  • ハンディやピッキングカート、バーコードリーダーといった専用機器の使い方
  • 工場内のどこに何があるのか

くらい。そのため、学生アルバイトでもパートの主婦(夫)でも、誰でも出来ます。ピッキングリストも以前は紙でしたが、最近はハンディという機械端末が多く、仕事がやりやすくなっています。

また女性でも出来る工場仕事という点もメリットですね。運送会社の物流倉庫など、大きな荷物をピックアップする工場は厳しいですが、スポーツ用品や衣類などは問題ないでしょう。実際、工場内のアルバイト・パートとしては、工場事務や食品・化粧品工場のライン業務などと並んで、女性が多いです。とにかく歩き回るので、ダイエットを兼ねて働く女性も意外といます。

そして服装規定が厳しくないため、髪の色や髪型などは特に制限されません。服装も自由な工場が多いです。
ただし工場内を歩き回る仕事のため、あまり過度におしゃれな格好をしたり、アクセサリーを身につけていたりすると、仕事に支障をきたす恐れがあるので、避けるように言われるかもしれません。

ピッキングの良くない所

逆にピッキングの良くない所は、主に次の5点です。

  1. 危険かも
  2. 疲れる
  3. 細かい仕事である
  4. 汚れる
  5. 寒暖が厳しい

 

まず大きな荷物をピッキングしている工場では、フォークリフトが走っています。そのため注意が散漫になっていると、思わぬ怪我をする恐れがあります(普通に気を付けていれば問題ありません)

また、リストにある製品を探して広い工場内を歩き回る仕事なので、デスクワークより疲れます。1日に2~3万歩は歩くと思っておきましょう(そのため、よく痩せるアルバイト・パートとも言われます)。また扱う製品が重いと、その持ち運びでも体力を使います。

そして疲れてくると、ミスを起こしやすくなる仕事でもあります。ピッキングする際、製品の名称や型番などをリストと照合して正しい製品か確認しますが、疲れてくるとつい誤読してしまって、違う製品をピックしてしまう、なんてことも起こります。
Amazonの倉庫のように、ロボットが商品棚を運んできてくれる=歩く必要がないピッキング業務もありますが、稀なケースです。

さらに、工場によっては段ボール箱を抱えたりするので、服が汚れてしまうことも。そのため汚れても大丈夫な服装で行くのが望ましいです。

あと、ピッキングのデメリットで最も大きいのが、寒暖が厳しい点です。
工場にもよりますが、夏はとても暑いです。ほとんど工場で半袖勤務が認められており、空調も整備されてはいますが、工場内は広いので空調が隅々まで行き渡るとは限りません。そんな工場の中を歩き回るため、夏は熱中症対策が必須です。
そして冬は冬で寒いです。ただ服装が自由で防寒対策はしやすいので、こちらは夏ほどきつくはありません。

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ピッキングの仕事の特徴(給料、残業、人間関係など)

ピッキングがどんな仕事なのか、詳しいデータを見ていきましょう。

給与

ピッキングの給与は、正社員とアルバイト・パートで以下のイメージです(東京都の場合)

  • 正社員(未経験スタート):18~20万
  • アルバイト・パート:時給1,100~1,300円

アルバイト・パート求人の中に、たまに時給1,500~1,600円くらいの案件が見られますが、大抵は期間限定の募集です。
食品系(特に冷凍食品系)のピッキングや、フォークリフトが必要なピッキングは、上の金額より少し高めに設定する工場が多く見られます(時給1,500~1,600円、23~25万スタートあたり)

また、希望すれば日払いで給料を受け取れる工場も多いです。

シフト・勤務時間・残業

アルバイト・パートの場合、工場によりますが、勤務時間はシフト制のところが多いです。残業は基本ありません。作業自体が簡単なため、大抵は時間内に終わります。
中には、就業開始前に残業を希望すると伝えておけば、残業できる工場もあります。なるべく残業して稼ぎたい人は、そうした工場を選ぶと良いでしょう。

休憩時間は、1日1~3回とさまざま。複数回の場合、下のように設けられるケースが多いです。

<日勤の場合>

  • 1日2回の場合:午前(10時)、お昼(12時) or お昼(12時)、午後(15時)
  • 1日3回の場合:午前(10時)、お昼(12時)、午後(15時)

体力的にきつい冷凍食品の倉庫内ピッキングなどは休憩が複数回あります(つまり、休憩回数からきつい仕事かどうか推測できます)
時間はお昼休憩が45分、午前・午後の休憩がそれぞれ15分が一般的です。

工場のシフトについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

*工場のシフト (2交代制・3交代制) による残業・休日・稼ぎなどの違い
https://afghaneic.com/32/

待遇

交通費の支給は会社によりますが、全額支給の工場は少ないです。一部支給か支給なしの工場が多く見られます。
工場は鉄道駅から遠い所にあるので、たいてい車やバスで通うことになります。そのため、交通費の支給がないと結構な負担になるので、事前にしっかり調べておきましょう。

ただ、交通費の支給がなくても、多くの工場は最寄り駅から送迎バス(無料)を出しています。そのため一部支給でも、実質全額支給と変わらないというケースも多いです。

ノルマ

アルバイト・パートのピッキング職にノルマはありません。現場のリーダーにはありますが、現場の一人一人は、渡されたピッキングリストに従って粛々と作業をするだけです。終業時間がきたら、次の人に仕事を引き継ぎます。

ピッキングは1回の作業にかかる時間が短く、またノルマがないため、残業が発生しにくいのも魅力ですね。18時になったら、いまやっているピッキングを終わらせて、あとは引き継いで終業です。
これが1度の仕事に30~60分かかる仕事の場合、17時45分に頼まれた場合、最悪18時45分まで残業しなければいけません。ですが、ピッキングはそんなに時間がかからないので、そうした心配とは無縁です。

人間関係

工場の仕事は人間関係が楽といわれますが、ピッキングも一般的な民間企業と比べれば楽です。工場内を動き回っているので人と話すタイミングがあまりありませんし、簡単ではありますが細かい仕事なので、集中する必要もあります。

そのため、人間関係が気楽な仕事にアルバイト・パートを探している方にとって、ピッキングは向いている仕事と言えるでしょう。

服装

先ほど紹介したように、特に厳しくはないですが、動きやすい服装がベターです。またカッターやボールペン、夏は飲み物など、意外と持っておく物が多いので、ポーチがあると良いでしょう。

服装が自由なケースが多いですが、なんでもOKではありません。だいたいの工場には安全規定があり、それを守る限りは自由という風になっています。そのため過剰なおしゃれや奇抜な格好はできません。髪が長い人はまとめるなど、軽作業に適した身なりを工夫する必要があります。当然、指輪やピアスといったアクセサリー、ネイルなどは、ほとんどの工場で禁止されています。

どんな服装がいいのか詳しく知りたい方は、会社の人へ事前に工場見学をお願いして、働いている皆さんの服装をチェックしてみても良いでしょう。
なお、食品工場や製薬工場、化粧品工場など衛生管理が厳しい工場は、服装のルールが厳しいので注意してください。

ピッキングが向いている/向いていない人の特徴

ここまでの内容を踏まえて、ピッキングに向いている/向いていない人をまとめてみましょう。

ピッキングが向いている人の特徴

  • 人間関係が楽な仕事がしたい
  • 細かい
  • 几帳面
  • 同じ作業を繰り返していても飽きない
  • ひとつのことにコツコツ取り組める
  • からだを動かすのが苦にならない
  • 工場で働きたい

ピッキングが向いていない人の特徴

  • 仕事にやりがいを求めている
  • 意識が高い
  • 飽きっぽい
  • 単純作業を繰り返す仕事が合わない
  • 人と積極的にコミュニケーションを取りたい
  • からだを動かすのが好きじゃない
  • 大雑把な

ピッキングは楽な仕事ではありますが、細かい仕事です。工場内を歩き回ってリストの製品を探し、間違いがないか確認し、それを箱や段ボールなどに入れていく、これをひたすら繰り返します。
そのため細かい方、几帳面な方などは向いていますが、飽きっぽい方、仕事にやりがいを求める方などには向きません。

また工場内を歩き回る仕事なので、最低限の体力も必要です。体育会系である必要はないですが、外を5分も歩けば息が切れる方は止めておきましょう。

重い荷物をピッキングする仕事の場合、腰痛や膝痛といった持病がある方も避けておきましょう。大怪我につながる恐れがあります。

まとめ

ピッキングは力仕事と思われがちですが、それは工場によります。基本的には軽作業ですので、40~50代の方や女性でも問題なく働けます。残業も少ないので、家事や育児と両立したい主婦(夫)のパートさんなどにもおすすめです。人間関係も楽なので、気楽に働きたい人にもピッタリ。
先に紹介した向いている人の特徴が1つでも当てはまった人は、次のアルバイト・パートに、ピッキングを検討してみるのも良いでしょう。

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