工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場系に転職する場合、まったくの未経験者や作業に従事した経験者では求められる内容が異なります。そこで、それぞれに適した面接対策が必要といえます。特に面接では質問に対する回答が面接官に伝わらないと、なかなか採用されません。そこで工場の面接での質問や答えるときのポイント、回答例をここで解説していきます。
日本のものづくりを支えている製造業は、一見スペシャリストの集まりに見えるものの、全くの未経験者からでも採用されるのが特徴的です。転職者は資格を持っている人ほど優遇されますので、一般的には経験者が有利といえます。
ただ、資格を持っていなくてもベテラン社員のように高いスキルを持っている人は多いので、実際には企業に勤めながら資格を奨励することが多いものです。そのため、工場では未経験者でも歓迎しているのが通例となっています。
年齢も20代の若手社員から40代のミドル、それ以上のシニアと、多くの世代が活躍できるのも製造業の工場勤務の特徴といえます。
未経験者で工場勤務に転職する場合、どのような点に気をつければ成功しやすいでしょうか。
工場勤務では未経験者を優遇しています。意外に思われますが、未経験からの転職でも大企業に就職することは可能です。契約社員である期間工から始まる工場もあります。
20代から30代前半というのはまだまだ伸び代が多いものです。他の工場の色に染まっていないことから、じっくりと育てたいという企業側の思惑があります。ただ、30代よりかは20代のほうが転職も成功しやすく、若い人ほど書類選考を突破しやすいといえます。
書類選考を通過すると面接に進みますが、工場勤務での未経験者は戦力になりづらいものです。通常転職の面接では、この会社に入って「何がしたいのか」「どのように貢献できるのか」という質問を受けやすくなります。未経験者だと面接官からの質問に対し、満足に答えられないこともあるでしょう。
そのため、工場勤務では何ができるかよりも、仕事を積極的に覚えていきたいことをアピールするのが大事といえます。
工場勤務では初心者でも仕事を覚えやすい職場というのが必ずあります。そのような部署では生産ラインを任されるオペレーターのような仕事になり、工場勤務では期間工や派遣社員が担当しています。
もちろん、工場勤務ですからオペレーターの仕事を正規社員が担当することも多くあります。ただ、工程の流れを把握するために、ローテーションで入ることもあるものの、半永久的に継続して同じ社員が入るのはあまりありません。期間工や派遣社員では責任を負えない、段取りや保全といった設備に対して作業することを任されていきます。
そこで基本的な仕事から覚えたいことをアピールしていき、オペレーターで満足せずに将来的に、会社に貢献できる人材に育ちたいことを印象づけましょう。
入社時の未経験者扱いされている仕事よりも、経験を積むにつれて複雑になっていく仕事が多いといえます。面接では「将来的にどのような仕事をしたいですか？」「わが社にどのように貢献されますか？」などの質問を受けた時、「どのような仕事も積極的に覚え、作業時間を計測しながら、自分の行う作業にムダがないか常に確認するように心がけ、御社の利益に貢献できる人材に成長できるようます」という趣旨を伝えるのがベストです。
未経験者は何ができるとはいわず、何でもやりたい・覚えたいをアピールすることを心がけていきましょう。はっきり言って、一人の未経験者が工場で活躍できる内容は知れています。
おすすめ工場系求人サイト
工場求人ナビ
お仕事情報ネット
経験者が転職する場合の回答例をみていきましょう。
工場勤務経験者は、即戦力として他社で培ったスキルを求められます。一般的に製造業といっても、かなりの業種があり、それぞれの工場では設備も違うものです。製造業での転職とはいえ、全く同じ機械と生産ラインというのはほとんどあり得ないでしょう。
それでも工場勤務で経験した改善案や取り組みというのは、外部からきた人材が優れているほど、工場も劇的に変化していくものです。同じ工場勤務が長いと、どうしても改善することもなくなり、新しいチャレンジをしなくなっていきます。目先の生産をクリアしていくことばかりに力を入れていくからといえるでしょう。
しかし、いくら経験者とはいえ、今まで働いている作業者たちにいきなり改善を求めても新入りに何が分かると邪険にされて、ときには口論やケンカになってしまいます。特に工場勤務のベテラン作業者は自分の仕事に誇りを持っている人が多いので、今までと違う取り組みを嫌う傾向になります。
まずは新しく働く工場で自分が経験していないことを勉強し、知識やスキルを身に着けて、これまでに培った技術や考え方を活かして、よりよい改善につながるようにしていくのが最適です。
経験者の場合、面接官は配属先の作業内容は問題ないものとしてみてきます。それは未経験者も採用しているからです。少なくても未経験者よりかは経験者のほうが現場はできるものと認識されています。基本的に現場作業はできる前提で話が進みますので、転職希望先の業務内容はしっかりとリサーチしてから望むようにしましょう。
面接官から「どのように貢献されますか」「何をやりたいですか」といった曖昧な質問を受けることが多くなります。経験者に求められるのは職場の改善がメインなので、「これまでに培ったスキルをもとに、御社での実務経験を踏まえて、改善活動にも取り組んで生産性を向上できるよう努めます」といった、「改善」や「生産性」というキーワードを入れるようにしましょう。
未経験者や経験者に関係なく、工場勤務における共通の面接対策をみていきましょう。
転職者は工場の経験に関わらず、社会人経験があるものとして扱われます。新卒者とは対応が異なりますので、自己紹介や志望動機にはしっかりとした説明ができないといけません。ある程度のコミュニケーション力は必要といえるでしょう。
工場勤務は人と話すことも少ないから、コミュニケーションは必要ないと考えている人も少なくありません。しかしながら、工場勤務でもコミュニケーションは必須です。生産ラインは自工程だけで完結するわけではありません。前工程や次工程という作業があるからこそ、自工程で製品を作ることができます。
工場勤務は思った以上、人と接する機会があります。自分の部署だけではなく、製造部・品質保証部・生産技術部・生産管理部など、生産をするうえで欠かせない部署間の連携が求められます。
また、自己主張がほとんどできない人は、自工程や前工程で見つかった不具合や不良品に対し、声を挙げない可能性があります。不正の温床を防ぐためにも最低限のコミュニケーション力は必要です。
そのためにも面接で挨拶や自己紹介、志望動機といった基本的な部分でハッキリ答えられない人は厳しい採点になります。
これは工場勤務に限ったことではありませんが、転職の面接では必ず聞かれます。未経験者の場合は「どうして前の会社を辞めてまで工場を選んだのか」、経験者は「なぜ前の工場を辞めたのか」と聞かれやすくなります。
もちろん、退職にはさまざまな理由があります。個人の問題や家族の問題もあるでしょう。しかし、企業的に新しい会社で働くなら、前職を辞めた理由は解決できたものとしてあってほしいでしょう。
病気的な理由なら現在は完治して問題ないこと（診断書を添付）、家族間（介護など）の問題なら現状の勤務に迷惑はかからないことなどです。また、前職の人間関係が嫌になって辞めた場合、その理由をそのまま説明するのは避けたほうが無難です。人間関係はどちらに問題があったのか企業側からは分からないからです。もしも転職希望者の作業態度に問題があった場合、同じトラブルを起こしかねないと危惧されます。
そのためにもネガティブな発言は避けるように気を付けましょう、特に前職の悪口は絶対言ってはいけません。新しい挑戦につながるようなら、前職のことを引き合いに出しても問題ありません。
たとえば経験者だと、「自分はスキルアップしたかったが、前職では経験者ばかりが段取りをして、私にはその機会が恵まれず、オペレーターばかりを任されていました。新しい職場では段取りやメンテナンスを覚えて新たに成長したいと考えています」など、転職することで新しい成長を求めるようになれば、評価が高まります。
製造業の面接では体力面に問題ないかを聞かれることがあります。基本的に立ち仕事が多いので、足腰が弱い人だと苦痛になってしまいます。また、現場作業になると重いものを運ぶこともあります。特別秀でている必要はありませんが、医者にも通っていないようなら、「問題ありません」と回答して大丈夫です。
また、工場には夜勤を実施しているケースが多くあります。2交代や3交代制でシフトを回しているので、1週間で日勤と夜勤を繰り返すことがあります。体力面と同様の質問になりますが、こればかりはやってみないと分かりません。「少し慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、基本的に大丈夫と思います」というような正直に回答しても問題ありません。
健康面に関係してくるので、夜勤がキツイ人は日勤のみの仕事もあるのでそちらに配属される可能性があります。
「集中力はあるほうですか」という質問をされる場合があります。これはオペレーターをする場合、単純作業の繰り返しになるので、品質を維持しながら生産性を落とさずに作業ができるかどうかを見ています。ネガティブに回答せず、前職で担当した作業を引き合いに出して問題ないことをアピールしましょう。
また、工場勤務の面接では残業ができるかも聞いてくる場合があります。残業は強制ではないものの、「やりたくありません」「強制ですか」などといった非常識な回答はしないようにしておき、「何か特別な理由がない限りは基本的に大丈夫です」と回答するようにしましょう。
工場の転職では未経験者も積極的に採用しています。未経験者はできなくて当たり前ですので、新しい仕事を覚えてなんでもやるという姿勢をアピールしていきましょう。経験者は自身のスキルアップを求めながら、新しい職場で改善や生産性を高めるように取り組む姿勢を前面に出していきます。
面接では両者とも挨拶や自己紹介などでハッキリと回答し、コミュニケーション力を疑われるような仕草は避けたほうが無難です。また、前職を辞めた理由では悪口などのネガティブな発言はしないように心がけ、体力や集中力などは問題ないことをアピールしましょう。
