工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格や、ピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場勤務がつらくて働きたくないという人もいるでしょう。すべての工場がそうとは限りませんが、職場によっては働くのが厳しいと感じる人がいるのも事実です。
それでも対処法を知っていれば、自分で対策できることもあります。そこで、工場で働きたくない人の理由や対処法を解説していきます。
まずは一般的な工場で働きたくない理由をみていきましょう。
工場ではライン作業を敷いている職場が多く見られます。そこで働く人たちは基本的に単純作業の繰り返しとなります。ほとんどの工場では同じ作業を素早く処理することで、生産性を向上させる取り組みをしています。
ただ、同じ作業というのが単調でつまらないと感じる人もいるものです。昼勤と夜勤で変わっても同じ作業を延々繰り返すだけでは、仕事も面白くないというのも理解できます。もちろん、これはだれても同じ仕上がりになるように工場の方で調整しているからであり、同一の品質を保つためにも必要な処置です。
ベルトコンベアから流れてくる製品を仕分け・抜き取りする作業など、終わりの見えない作業になると時間の経過もゆっくりと感じられるので、集中力が続かない人もいるものです。
工場では一人ずつ作業内容が決まっているので、致し方ない面もありますが、仕事が単調でつまらないというのが工場で働きたくない理由として挙げられます。
工場勤務は黙々と作業するので、対人関係に惑わされないイメージがあるものです。外から見ると確かにそうかもしれませんが、工場では多くの工程をつなげているので、人とのコミュニケーションが非常に重要といえます。
もちろん、接客業や営業職のように外部の人と接するわけではありません。あくまでも同じ部署内の作業者同士のコミュニケーションです。それでも人間関係のいざこざが起きやすいのは工場のあるあるといえます。
閉鎖的な空間に人が集まって作業しているので、どうしても人の嫌な面が目に入る人もいますし、同じ場所で長時間作業しているので、外部との接触がない分だけいざこざが起きやすくなります。
また、よくあるのが交替勤務のいざこざです。多くの工場では24時間稼働している場合があるので、昼勤と夜勤の2交替や3交替で回しているものでしょう。同じ班員同士なら仲良く作業できることもあれば、普段顔を会わせない交替勤務同士になると引き継ぎの連絡が曖昧になってしまい、「ここまでやっていない」「これができていない」など不満が募ることがよくみられます。
特に多いのが片付けや作業個数など、相手の班に対して指摘する人たちとの軋轢です。決められたルール以外のマナーを気にする人がパワーバランスの上位になると、怖くて言い返せない人もいますので、対人関係を気にして出社するのが嫌になります。
酷い場合には連絡ノートに不満を達筆で書く人もいます。精神的に辛くなって工場で働きたくない理由になるケースがあるものです。
工場では作業環境が悪い部署もあります。熱処理工場では猛烈な暑さを我慢しながら作業しなければなりませんし、冷蔵・冷凍庫で作業する場合には夏場でも寒すぎて防寒着を着用する必要があります。
また、機械工場では作動油を使用するので、人によっては皮膚が荒れることもあります。油にも防錆油や潤滑油、ギアオイル、クーラントなどさまざまな種類があるので、どの油と相性が悪いかは分かりづらい面もあるでしょう。
研削機械を扱っていると水溶性や油性のクーラントがミストとして蔓延して鼻や喉に入り込んで気管支に付着し、喘息気味の人にとって苦しい環境になりがちです。
床面も油汚れで滑りやすい職場だと、踏ん張りが効かずにケガの恐れがあります。工場では環境改善に動かなくてはなりませんが、お金や時間がなくてそこまで回れていないケースもありますので、一向に改善されてないケースもあるでしょう。
さらに、広い工場になると冷暖房の効きが悪いエリアも必ず出てきます。そこで作業しなければならない場合には夏は暑くて冬は寒い中で我慢しなければなりません。騒音が厳しい職場もあります。耳栓をしていると仕事の連絡が聞こえづらいこともありますし、機械の異音に気付かないこともあるので、耳栓を外して作業する人もいるものです。騒音は気分が悪くなることもあれば、頭痛の要因にもなります。
このように環境が悪い職場で働くとストレスが溜まってしまい、体調不良を引き起こすようになってしまうので、工場で働きたくない理由となるでしょう。
工場での作業は力仕事が必要な場面もあります。これは男女に関わらず、体格や年齢など個人差があるので仕方ない面もあるものです。
たとえば、倉庫作業の場合では棚への積み上げや積み下ろしで力が必要な面もあれば、腰に負担をかかるのが辛い場合もあります。
また、力仕事ではなくても同じ体勢で作業を続ける場合には腕がつりそうになることもあれば、握力が利きづらくなることもあるでしょう。肩や腕、手首などが凝ってしまい、その作業を続けるのが困難に感じる人もいます。
さらに、工場では立ち仕事が基本です。慣れない内は足腰に負荷がかかるので、脚が棒のように痛く感じることもあります。特に同じ場所から全く動かない作業になると、足の裏もジンジンとした痛みが生じることもあるでしょう。
逆に動き回る場合は暑くてしんどいと感じる人もいるものです。普段から辛い作業だと体調不良の場合には立っていられないくらい辛くてしんどいときもあります。
普段から忙しい工場や繁忙期になると残業や休日出勤をお願いされるケースが目立ちます。特に製造業では慢性的な人手不足に陥っていますので、毎日残業でも珍しくはありません。さすがに労使協定があるのでサービス残業を課すような職場はないでしょうが、それでも残業や休日出勤があると給料面では楽しみがあっても身体に負担がかかりますし、プライベートも充実しません。
24時間フル稼働している工場だと、残業でつなぐイメージになってしまいます。毎日定時で帰りたいと思っても周囲の目を気にしてしまい、仕方なく残業してしまう人もいるものです。
時間外作業が多い工場では働きたくないと考える人が多くなってしまうものです。
先述しましたが、工場では交替制を敷いている職場が多く見られます。特に生産現場は機械を動かすことで生産を回しているので、加工する材料がある限りは動かした方が生産性も向上させることができます。
また、食品工場では出荷先が大手スーパーやコンビニになるので、朝や昼の時間に間に合うように夜間に加工するものです。この商品を仕分けする物流センターでも夜間の作業がメインとなります。
夜勤だけの職場もつらいものですが、1週間で昼と夜が入れ替わる交替勤務も身体がつらいものです。夜勤だと、役所や警察署などの手続きで日中に駆け付けることができるメリットもある反面、慣れてきたころにシフトが変わるのは体に負担がかかってしまいます。
生活リズムが崩れやすくなり、日中は屋外の騒音も大きいので、なかなか寝付けない人もいるでしょう。疲れも抜けにくく、夜勤がきつくて工場で働きたくない人もいるものです。
工場ではどんなにベテランでもミスをしてしまいがちです。それでも自分で対処できるベテランと違い、新人作業者では自分で挽回できないことが多いものです。うっかり取り間違えることや、ボタンの押し間違えなど、品質不具合や機械を故障させてしまうのはだれでも起こり得るものでしょう。
しかし、ミスを指摘されるのが怖い場合もあります。厳しい職場では小さなネジ1本でも無くすと床面を掃除してまで徹底的に探すことがあるものです。異物混入や機械に噛み込んで故障しないためにも必要な処置ですが、あまりに厳しすぎると報告するのもためらってしまいます。
ミスをするのが怖くて作業を続けるのが嫌になってしまい、工場で働きたくないという人もいるでしょう。品質不具合につながるのでミスは報告しなければなりませんが、報告しづらい環境ではなかなか打ち上げにくいともいえます。
また、工場で加工される製品は品質規格があり、万一にも入らないようだと思わぬ事故につながる恐れがあります。その場で気付いた場合はまだしも、出荷されてから気付いた場合は大きな問題になってしまうので、ミスを指摘されるのが怖いからと放置するのは論外です。
それでも言い出しづらい環境だと発覚を恐れてビクビクしながら作業することになり、さらなるミスを誘発してしまいます。
こうなるとミスを恐れて工場で働きたくないと考えてしまっても不思議ではありません。
そもそも、製造業や工場勤務が向いていない場合は働いてもつらいばかりです。どのような人が向いていないのかみていきましょう。
単純作業が苦手な人は工場勤務に向いていません。期間工や派遣社員もそうですが、基本的に工場でメインとなる生産活動は変化に富んだものではなく、単調な仕事が延々続いてしまいます。
代わり映えのしない環境で屋内作業だと圧迫感もありますから、ずっと同じ作業を続けるのがつらい人、いわゆる集中力が続かない人は向いていないでしょう。
工場はモノづくりの現場ですので、自分なりにオリジナリティ溢れる製品を作りたいと考えている人もいるかもしれません。しかし、工場での生産活動は決められたルールやマニュアル、作業手順があり、これを逸脱することは許されません。もっと独創的な仕事をしたいのなら、研究・開発職に就くことが理想的です。
ただ、現場に配属された人が研究職に異動するのは難易度が高いといえます。職場の改善で自分なりに工夫するのは歓迎されますが、機械を使って何かを作りたいというのは基本無理でしょう。
工場では製品ごとに品質規格があり、図面や作業要領で決められています。また規格よりも厳しい基準でルールを作っている現場もあるほどです。
たとえば、寸法公差が±10μmの場合、規格外を流出しないために、製品の加工時は±3μm以内に抑えるのを基準としている場合があります。過去に不具合が流出したときは、かなり厳しめに対策処置をしているものです。
ただ、大雑把な性格をしている人だと、細かいルールや基準を放置して気にしないことがあります。このような人は異常が起きたときに気付くのが遅くなり、対応が後手になって被害が広がってしまいがちです。
また、非破壊検査など、有害物質の前で検査する工程の場合、保護メガネやマスクの着用をせずに作業するのは危険です。大雑把な性格だと、取りに行くのが面倒に感じてしまい、そのまま作業してしまいます。
決められたルールを守るのが苦手な人には工場勤務は向いていないでしょう。
では、工場で働きたくない人はどのようにしたら対処できるでしょうか。
環境が悪い場合や人間関係のいざこざが絶えない場合、思い切って配置換えや異動を願い出る方法があります。「自分のわがままが通るか心配」という人もいるでしょうが、工場側として生産効率が悪い状態で作業をしてもらうのは避けたいものです。
上長に相談すれば解決できることもあります。上長が動いてくれない場合には組合に相談する手段もあります。
まずは一人で悩まずにだれかに相談できるようにしましょう。配置換えは交替勤務の班交替や作業エリアを変えてもらうことを含みます。
また、どうしても同じ職場で働きたくない場合、異動願いを申し出ることができます。多くの工場では職場アンケートを実施しているものなので、希望する職場を選択しておき、希望するなら面談の場を設けてもらいましょう。
職場異動しても変わらない場合、その工場自体の風土が合わないことも考えられます。どうしてもその工場で働きたくない場合は思い切って転職も検討するようにしましょう。
転職の場合は同じ製造業に勤務する場合とまったく別の業界にチャレンジする場合があり、前者のほうがこれまでの実績を考慮して年収もさほど変わらない工場へ転職できる可能性が高くなります。
まったく未経験の職場の場合、年収が一気に下がってしまう可能性もあります。そうなると新しい職場でもやりがいがなくなってしまい、すぐに離職してしまうことも考えられます。
そうならないためにも転職サイトや転職エージェントを活用しておき、自身に最適な転職先を見つかるようにサポートしてもらいましょう。
工場で働きたくない人は単調作業がつまらない、人間関係に不満、体力的につらいなどが挙げられます。思った以上にしんどいことも多い工場勤務ですが、ここで挙げた特徴を参考にすれば、自分に向いていない作業になるかもしれません。
いつまでも我慢ばかりしてはストレスが溜まる一方ですので、配置替えや異動を願い出るようにしておき、それでも解決できなかったら転職も視野にいれておきましょう。
