工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場で働きたい40～50代のミドル世代の人にとって、実際に求人はあるのか疑問に思うことも有るでしょう。また、求人があったとしてもミドル世代で活躍できるのか不安になるものです。工場勤務では人手不足のためにミドル世代にも求人が多いといえます。そこで、ミドル世代が工場に適している理由と向いている仕事、気を付ける点などを解説してきます。
工場勤務ではミドル世代も活躍できるものです。これには企業側の思惑があるからですが、その理由をみていきましょう。
製造業の工場では慢性的な人手不足に悩んでいる職場が多くみられます。少子高齢化社会において、年々新しい働き手を確保するのが難しいものとなっています。そこで、工場側も年齢による採用枠を広げて、ミドル世代の求人にも注力しているものです。
製造業に限らず、どこも人手不足に悩んでいるものですので、企業側としては優秀な人材の確保に励んでいます。定年後の再雇用も含めるとまだまだ10年以上は仕事をしてもらえることになりますので、ミドル世代は十分雇用のチャンスがあるといえるでしょう。
ミドル世代にもなると一定以上の社会人としてのマナーを身に付けているものです。これは新卒や第二新卒などの若い世代にはないものです。普段の仕事態度に加えて挨拶や職場ルールの順守、片付けや引き継ぎといった当たり前のことを、ミドル世代は指導しなくても率先して行動できる強みがあります。
学生気分の抜けない若い世代に、社会人マナーを教えるのは結構な神経を使います。通常業務の作業を指導するよりも難しいものですので、すでに身に付けているミドル世代は重宝されるものでしょう。
ミドル世代の人たちは、以前の職場でも先輩や上司として後輩の指導に当たっていた経験があるはずです。人から見られている意識を持って仕事に取り組んでいますので、その姿勢は若い世代の模範ともなります。
若い世代ばかりが集まると「なあなあの雰囲気」になりがちですが、ミドル世代のように年齢層の高い人が入ることで、緊張感を持って仕事に臨むようになっていきます
また、ミドル世代の人たちは、次の職場を最後として迎えたいと考えている人も少なくありません。クビになったら一から仕事を探すのはもう限界と思えるものでしょう。真面目に率先して仕事に取り組む姿勢は、先が長い若い世代にも影響を与えるきっかけになります。
工場勤務が不安な人もいるものですが、ミドル世代が工場勤務に適している理由をみていきましょう。
基本的に工場勤務は未経験でも可能です。職人肌ばかりが集まっているわけではありません。もちろん、長年の経験と知識による技術が必要な作業もありますが、製造業の多くは経験の浅い人であっても同じ品質を保てるように機械が加工しています。
ミドル世代で工場未経験の人でも安心して作業できるでしょう。
工場では多様な働き方が可能となります。工場勤務は時短勤務を奨励しているケースが多く見られ、子育てしている人にも働きやすい環境といえます。パートでお昼だけ勤務したいという主婦であっても、検査や検品といった軽作業を任されます。
交替勤務をしている工場では、慣れるまで大変な夜勤ですが、銀行や役所にも平日の日中に行けるので用事を済ますことが可能です。
ミドル世代はこれまでに培った経験を活かして、工場に貢献することが期待されます。工場勤務の経験があって、前職が現場作業をしている人はもちろん重宝されるものです。社会人経験はとても大きな財産ですので、たとえ違う仕事であっても取り組み方や考え方は貴重となります。
営業出身者で数字に強い人なら生産管理といったスタッフ部門にも向いています。デスクワークでも十分戦力になる仕事はありますので、経験を活かす強みがあるのはミドル世代の特権といえるでしょう。
工場では40代経験の女性でも活躍可能です。子育てがひと段落して働きたいという女性や幼稚園や保育園、小学校など日中の数時間働いて土日はしっかり休みたいという人にも向いています。
慢性的な人手不足ですので、短時間でもしっかりと真面目に働いてくれるミドル世代の女性には企業も注目しているものです。
仕事内容も検品や検査、梱包、仕分けの他、事務作業などのデスクワークがあります。力仕事以外でも工場勤務の仕事はたくさんあるので、女性が活躍できるステージが用意されています。
工場は大きな会社がグループとして経営していることが多いので、福利厚生もしっかりしています。家賃補助や住宅手当の他、寮や社宅に借り上げ社宅、交通費や特別休暇、社会保険、年金、育児手当に育児休暇、財形貯蓄制度など多岐に渡るものでしょう。
さらに、グループ会社が運営している施設などの利用で恩恵を受けられる場合があります。
工場勤務は主にシフトで動いているので、現場でも交替制になっています。2交替や3交替のシフト制が基本であり、サービス残業で長時間働き続けるといったことはありません。事務系のスタッフ業務も基本定時で帰宅できるように組合が目を光らせています。
大企業グループの工場では、たとえ所属先が中小企業であっても勤怠管理は本社から厳しい指摘が入るものです。三六協定を遵守しない職場や上長などはもってのほかで、残業や早出出勤、休日出勤といった時間外勤務は、月間・年間を通して所定の時間を超えないように指導が入っています。
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次にミドル世代に向いている仕事をみていきましょう。
工場の基本といえるのが機械作業です。中でもライン生産やセル生産といった作業が主になります。どちらも機械操作が必要となりますが、難しいことはせずに寸法公差の確認や微調整などがメインです。微調整といってもボタンを押すだけの操作になるので難しい作業はほとんどありません。
また工程ごとに出来上がった製品を次に工程に送る作業も含みます。
工場では検査工程が必要不可欠です。外観や寸法を規格と照らし合わせてチェックし、良品と不良品に分けていきます。倉庫作業では仕分けや検品も行い、ラベルを発行して出荷場へと送ります。これらの仕事はミドル世代でも作業しやすくて覚えやすいのが特長的です。
工場でも食品関連やお弁当・総菜などを手掛けている職場では女性が活躍しているものです。精密品を扱う工場ではクリーンな環境が必須ですから、機械工場の作動油の臭いやミストが蔓延しているのが苦手な人でも快適に働くことが可能です。
基本的に未経験のミドル世代には軽作業の仕事が向いていますが、工場勤務では職種に関わらず多くの軽作業があります。
工場勤務でミドル世代の求人にはフォークリフトや台車などの運搬作業も多く見られます。フォークリフトはどの工場にも必須の仕事であり、資格を持っている人は重宝されるものです。また、ハンドリフトや台車を使って運搬する作業もありますので、入荷後に場内の所定の置き場に運び、工程ごとの完成品を次工程へ運ぶ作業、検査後の出荷場へ送る作業など運搬は工場によってさまざまな役割があります。
工場内は汚れが目立つものですし、床や通路、階段といった場所には油汚れで滑りやすくなっています。工場は広い面積を誇りますので、清掃作業も複数人で作業する必要があるでしょう。
業務委託で清掃業者を入れている場合がありますし、自社の従業員で行っている工場もあります。工場は24時間フル稼働していることも多いので清掃作業もとても重要となります。
工場では事務作業の求人も多くあるものです。総務や管理部といった工場全般の事務作業もさることながら、工場は多くの部署があるのでそれぞれの課に事務作業のスタッフが在中することになります。
日報の整理、各種データの管理、現場で使用する書類の作成やコピー、現場の作業者からの要望でチッキやPOP・テプラの作成も頼まれたりもします。
また、事務作業以外にもデスクワークがあり、生産管理や品質保証、生産技術のサポートスタッフとして作業をすることが可能です。
もちろん、前職が工場勤務の場合にはこれらスタッフ業務を任されることがあるでしょう。
ミドル世代の転職で気を付けることはどのようなものがあるでしょうか。
ミドル世代での転職は求人先の企業にもよりますが、ほとんどが年下に仕事を教えてもらうことになります。これまで先輩や上司として仕事をしてきた人にとって、年下に仕事を教えてもらうのが苦痛に感じる場合もあるでしょう。
中には横暴な態度で接する若い世代もいるかもしれません。しかし、ミドル世代での転職はすでに年上の人たちが一定の役職についていることが多くあり、どの企業でも致し方のないことだといえます。
ただ、教える側の若い人もやりにくいものです。自分自身が若いときに年上の新人に仕事を教えるのが難しいと感じた人もいるでしょう。プライドは捨てて新しい環境に慣れるように自分から率先してコミュニケーションを取り、仕事を覚える努力を見せていく姿勢が大切です。
ミドル世代にもなると体力や筋力の低下がみられます。どうしても若い時のように寝てすぐに回復するものではありません。長時間の立ち仕事にもなりますので、肩や首、腰に負担がかかってしまい、毎日がしんどいこともあるでしょう。
あまりに体が悲鳴を上げるようなら配置転換を申し出るなどして、体への負担を軽減しなければ長続きしないといえます。また、体力を維持するためにも、普段からウォーキングや食生活、睡眠時間などの生活習慣の改善といったできる限りの努力も効果的です。
工場の現場勤務では交替制による夜勤やつなぎ残業がみられます。繁忙期になると休日出勤を依頼されることがあるでしょう。2交替や3交替での夜勤は慣れてきたころに勤務体系が変わるので、休み明けの日勤がしんどくなりがちです。
残業が多い職場もありますから、無理しない範囲で仕事に励むように心がけておきましょう。
工場では騒音で耳や頭が痛くなることもあります。職場によって支給される場合もありますが、耳栓をして騒音対策をしておきましょう。さらに、工場内では寒さや暑さといった対策も必要です。光熱費の高騰を受けて節電している企業が多くみられます。空調は一定の温度で管理されますが、現場では動いているので夏は体感温度が上昇してしまいます。
冷感グッズやこまめな水分補給、冬は防寒グッズなどを装着して乗り切るようにしましょう。職場や配置される場所によって体感温度が激変する恐れがあります。
食品工場だと冷蔵庫や冷凍庫で作業しなければなりません。夏場でも防寒着を着用しなければならず、作業終了時での急激な温度変化で体調を崩さないように気を付けておきましょう。
ミドル世代になると転職は大きな決断といえます。子育て中の場合は進学資金も必要ですし、年収が大きく下がる場合には特に将来設計が大事といえます。転職をしたい人であっても家族の了承を得られない嫁ブロックが発動し、良い案件を逃してしまう恐れがあります。
ミドル世代は自分の意志だけで転職できない背景があるので、家族と事前に将来設計についてしっかりと話し合うようにしていきましょう。
ミドル世代の雇用形態をみていきましょう。
ミドル世代では前職が製造業勤務の場合だと、正社員への転職も可能です。これまでの経験を生かしてプラスになると判断されることが多いので、いきなり正社員になることができます。企業側も優秀な人材を他の工場よりも早く確保したいので、経験者は優遇されるでしょう。
ミドル世代になると、まったくの未経験から正社員は難しい場合があります。工場勤務から正社員への道は期間工から推薦をもらうのもおすすめですが、40代以降になると期間工の求人も少なくなってしまいます。
期間工は20代や30代を中心に募集をかけており、ここから将来的に戦力になりそうな人材を正社員として引き抜きたいというのが企業側の狙いでもあるからです。ただ、ミドル世代の期間工の求人もまったくないとは限らないので、年齢不問やミドル世代歓迎という募集をみかけたらチェックしていきましょう。
工場勤務が未経験ならパート・アルバイト採用もおすすめです。転職可能な人でもいきなり正社員として入社するのに少し抵抗がある人もいるでしょう。万が一にも求人先の工場勤務が自分に向いていないと分かった場合、正社員だとすぐに辞めづらい点がネックであり、ストレスを抱えたまま仕事をしなければなりません。
求人先がパート募集しているなら、まずはそこから初めてどのような職場なのか知ることも大事です。
パート採用でも真面目に経験を積んでいけば、正社員採用もあるものです。パートを積極的に採用している企業では、ミドル世代の期間工としての採用は難しい可能性があり、どちらかというと派遣社員が多い傾向にあります。
ミドル世代で正社員を目指すなら転職サイトや転職エージェントを活用するようにしましょう。工場勤務におけるミドル世代での正社員採用は、未経験だとかなり厳しいものです。まず求人がなかなか見当たらないものといえます。
そこで非公開求人を抱えている転職サイトや転職エージェントに登録しておくことで、ミドル世代の工場勤務の求人を紹介してもらえることが可能です。
人材不足で悩んでいる製造業では、工場勤務未経験のミドル世代でも活躍する場所があるものです。ミドル世代は若い人への模範となり、これまでに培ってきた社会人マナーや経験、スキルを活かすことができます。
年下の先輩や上司との接し方、家族の理解などミドル世代の転職にはさまざまな注意点があります。ミドル世代でも正社員転職は可能ですので、まずは転職サイトや転職エージェントに登録するところから始めるようにしていきましょう。
