工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場勤務は女性が活躍している部署も多く見られます。品質保証や生産管理といったスタッフ業務に総務といった事務仕事だけでなく、現場で働いているものです。また、一般の生産ラインは日勤がメインですが、忙しい部署だと女性が夜勤も実施している工場も見受けられます。
そこで、工場で女性が活躍できる仕事とメリット、夜勤で稼げる点などを紹介していきます。
少子高齢化が進む中で製造業も深刻な人材不足に陥っています。人手が足りずに無理な残業や休日出勤を強いられている部署もあるものです。こうした中で男性がメインとなっていた工場の作業を女性が行うケースが見られ、事務系の仕事だけでなく現場の戦力として女性を多く採用しています。
黙々と作業したい人や、子育てがひと段落した主婦の方や夜勤で稼ぎたい人など、女性側にもメリットはあります。
工場で女性が活躍できる仕事の種類をみていきましょう。
工場によってはスタッフ業務といいますが、多方面にアンテナを張る必要がある生産管理は女性が活躍しやすい職種です。材料の手配から入荷、場内の工程進捗、検査からの出荷、在庫管理、生産計画の作成など、把握する内容は多岐に渡ります。
また、工場内の現場はもちろん、前工程の協力会社や場内の入出荷を担当する請負会社、出荷先の担当者や営業部など、いろんな方面とキャッチボールをしながら進捗管理をしますので、気配りもできて柔軟な思考を持っている女性に向いている職種です。
品質管理は工場にとって重要な課題です。男性同士だと品質面をなあなあで済ませてしまうことも多くありますが、女性が間に入ることによって厳しい視点で品質管理を実施することが期待されます。
工程間の品質チェックやデータ管理、測定、工程保証の確立、監査対応やトラブル対応など、工場の品質を保つために活動しています。
大きい工場だと本社と独立した部門で総務部があり、それぞれの部署ごとに事務スタッフが存在しています。来客受付や日報の管理など幅広い業務を担当するものです。安全面の衛生管理も兼任している場合があります。
基本はデスクワークですが、工場によっては繁忙期だと現場応援に入ることもあるでしょう。
製造業の現場といえばライン作業です。コンベアで流れてくるパーツを組み立てて製品を組み立てます。ここで完成品となる場合もあれば、後工程として組み付け作業に送られることもあります。
組み立ては重作業の場合もありますが、女性が活躍する組み立てだと、プラスチック製品や精密品などの軽量品がメインとなります。手先の器用さはもちろん、集中力を持続させて同じ作業を繰り返す仕事となります。
現場作業にもなりますが、どの工場にも検査が最終工程として存在しています。機械加工から食品工場まで外観や寸法のチェックを行い、市場に流通させないために不良品をチェックシートや作業要領に基づいて確認していきます。
ただ、確認するだけのこともあれば、手作業で軽いキズの修正を行う場合もあるでしょう。基本的に検査をクリアすると梱包や出荷になるので、品質の要ともいえます。
工場は機械の部品を生産しているだけではありません。弁当などの工場では食材の盛り付けがあります。簡単な調理を担当することもありますが、料理の経験は必要ありません。弁当などの総菜は日持ちしないので、ほぼ毎日生産されています。
食に関わるので将来性もありますし、基本的になくなることのない仕事といえるでしょう。ペットボトル飲料やパン、お菓子など、食材・食品を扱うメーカーの工場はたくさんあります。調理や盛り付け、パック詰めなどを行い、機械ではまかなえない細かい作業を担当することが多くみられます。
マニュアルが完備され、簡単な作業がメインですから調理の経験は必要ないでしょう。
運搬や梱包、検品といった物流業務を担当する工場や倉庫でも女性が活躍しています。台車やウォーキーリフトを使って運搬し、仕分けや検品、梱包も担当します。物流センターでは工場で出荷された製品をまとめて管理し、食品関連では冷蔵庫内での作業でスーパーやコンビニなどの店舗の仕分けを行って出荷されていきます。
女性で工場勤務をするメリットをみていきましょう。
工場は基本的にシフト制で稼働しています。独自の工場カレンダーによって祝祭日も稼働する場合があれば、年間休日によって週休3日となるケースもみられます。
日勤帯だと平日は基本仕事で動けませんが、製造業は大手系列で労働組合の力が強いので、半日休暇や有給休暇を取得しやすいのもメリットです。
また、24時間365日をほぼフル稼働している工場や倉庫の場合、月単位でシフト制を敷いています。正社員だけでなく、臨時社員やパートであってもシフト制になっているので、子どもの学校行事など、平日にスケジュールが立てやすいのは働く上でメリットといえます。
交代勤務などのシフト制が多い製造業では基本的に残業がありません。繁忙期や慢性的な人手不足の工場は残業もあるでしょう。子どもがまだ小さい場合や家族の介護が必要だと時短勤務も可能です。
先述しましたが、大手系列の工場勤務は労組がしっかりしているので、従業員のライフスタイルに合わせた働き方が可能となっています。
工場勤務は給料も高めに設定されています。たとえばパートの時給だと主婦層に人気の飲食店やコンビニよりも数百円は高めとなっているでしょう。正社員では年次昇給もあり、資格手当も次充実しいています。
資格はサポート体制もしっかりしているので、手当だけでなく合格すれば取得費用も支給される工場もあります。
製造業では基本的に賞与も支給されるものです。会社の業績によりますが、製造業の賞与はニュースでも取り上げられているほどで、大手自動車工場などの賞与は日本企業の水準ともなっています。
工場の生産ラインは黙々と作業できるので、煩わしい人間関係のトラブルが少ないのも特長です。もちろん製品を製造するには工程が必要なので、必然的にコミュニケーションを取らなくてはなりません。
それでも他の職種よりかは自分のペースで作業できます。特に女性だけの職場となると、円滑にコミュニケーションを図るのが苦手な人もいるでしょう。工場勤務は人間関係のトラブルを心配している人にもおすすめです。
女性が工場勤務をするデメリットをみていきましょう。
工場側も女性が勤務する職場には力仕事がないように努めているものですが、必然的に作業によっては指先の力が必要となる場合もあります。簡単なプラスチック製品をはめ込む作業も部品の一部が固いときがあると、取り外しやはめ込みに多少の力を要する場合があります。
工場は空調が効いているとはいえ、作業エリアによっては冷房が効きづらいこともあります。また湿度がこもりやすいので、工場内の温度計と実際の体感温度は大きく異なります。
作業エリアを動く人ほど暑そうに感じますが、実際には検査など立ったままで姿勢が変わらない人のほうが暑さは厳しいといえるでしょう。
工場勤務の現場作業は立ち仕事が基本ですので、足腰に負担がかかります。慣れるまでは足の疲れも取れないもので、苦痛に感じる人もいるでしょう。
また、検査工程では集中して細かいキズを探すこともあるので、目や首が疲れるケースもみられます。
工場勤務は作業着が基本ですので、仕事中はオシャレを楽しむことができません。異物混入となるので目立つアクセサリーは禁止しているものですし、食品関連の工場では衛生面で髪の毛が帽子からはみ出ないようにしなければならず、爪の長さも規定があります。
工場勤務が向いている人の特徴をみていきましょう。
・体力がある人
工場の現場作業では男性女性に関わらず、長時間の立ち仕事となるので体力を使います。それほど重量がない製品や部品を扱う場合でも、何度も繰り返すことで体力を消耗していくものです。
体力のある人ほどスムーズに作業をすることが可能でしょう。
・集中力が続く人
工場の作業は集中力が必要です。同じ作業を繰り返して生産個数を落とさないように努めなくてはなりません。集中力が続かないと品質にも影響がありますし、生産性も上がりません。さらに、集中力が欠如したままだと怪我をする恐れがあるので、集中力が続く人ほど工場勤務に向いているでしょう。
・モノづくりに興味がある人
工場勤務はモノづくりの仕事です。工場で生産される製品が市場に流通して、最終的に日々の暮らしや生活に役立つのはやりがいがあるものです。製品の工程だけでなく、設備の仕組みも分かるようになるので、もともとモノづくりに興味のある人は向いています。
工場勤務の女性は深夜業務（夜勤）でも稼げます。工場の深夜業務は男性のイメージもありますが、実際に女性も活躍しています。深夜業務の特徴をみていきましょう。
深夜業務の特徴とメリットはシフト管理で稼げる点です。
・交替勤務でシフト管理
深夜業務は班に分かれて部制勤務となり、基本的に交替制になります。2交替や3交替なのでシフト管理されています。夜勤だけじゃなくて日勤帯の勤務もあります。
・夜勤手当と交替勤務手当で稼げる
深夜業務のメリットはお金を稼げることです。22時以降は深夜業務手当が発生しますし、交替勤務手当も支給されます。手当だけで1~2万円になることもあるので、日勤帯だけで同じ仕事をしている人よりも稼げるでしょう。
・日中に用事が済ませる
深夜業務になると日中に用事を済ますことが可能です。銀行や役所への用事は日中に仕事があるとなかなか行けません。また、日勤帯の休み明け（夜勤の初日）は勤務時間まで通常よりも休みが長くなります。
また、子どもが寝ている時間に働けるので、平日の授業参観といった学校行事にも行きやすくなります。
深夜業務のデメリットをみていきましょう。
・時間帯が逆転するので生活リズムが崩れる
夜勤は時間帯が逆転します。これまでの生活リズムが崩れやすくなり、体調不良が出やすくなります。特に多いのが寝不足です。日中に就寝するというのは慣れてない人ほど寝付けないものといえます。
・慣れないうちは家族と予定を合わせづらい
夜勤は慣れるまでが大変です。生活リズムの変動に慣れないと家族との予定を合わすことも難しくなります。たとえば金曜日に夜勤がある場合、土曜日の午前中から出かけるのは難しくなります。家族で出かける予定が合わせづらいでしょう。
女性が活躍しやすい夜勤帯のある工場の職種をみていきます。
食品関連の工場は夜間帯で作業しているケースが多いものです。これは夜の間に弁当やパンを製造し、明け方にトラックで出荷して近隣の店舗へ配送するからといえます。
食品関連には弁当などの総菜を調理・盛り付け作業やパン工場の成型や包装があります。大量注文・大量生産を扱うので、大きな工場で稼働していることが多く、コンビニやスーパーの朝から店頭に並んでいる商品を製造しています。
工場のような大きな倉庫を管理している物流業者でも夜勤帯がメインです。食品関連工場で加工された弁当や総菜、パン、ドリンクなどを搬入し、実際の店舗ごとへ仕分けしてカートに乗せ、トラックへと積み込みます。
物流倉庫はトラックの便ごとに時間が指定されているので、なるべく早く作業しないとなりませんから、手際よく正確に仕分けする必要があります。万が一間違えて出荷した場合、店舗間でバイク便などを手配するので委託先の物流業者の責任となってしまいます。
また食品関連の物流倉庫では基本的に冷蔵庫での作業がメインです。大きな倉庫自体が冷蔵庫や冷凍庫の室内温度となっており、夏場でも防寒着が必要なほど寒い環境下で作業しなくてはなりません。
工場で女性が活躍する仕事を解説してきました。現場以外でも工場勤務が可能な仕事は多数あり、慢性的な人手不足もあって工場内では女性の活躍できる場所がどんどん増えています。工場勤務はスケジュールが立てやすく、基本立ち仕事で足腰に負担がかかりますが、その分給料も高めで稼ぎやすい職種といえるでしょう。
また、工場では深夜業務で女性が活躍していることもあり、手当で収入アップも狙えますし、日中に用事を済ませやすくなるメリットがあります。
