仕分けバイトは、未経験でも出来る軽作業で、年齢・性別も問われないため、工場系アルバイトの中でも特に人気の仕事です。大学生や主婦(夫)、40〜50代のご高齢の人まで、幅広い方が働いています。
一方、ネット上では「仕分けのアルバイトは、きついらしい」という声も多く、人によって良し悪しが分かれます。
仕分けバイトがきついかどうかは、大きく次の2つで決まります。
どんな商品の仕分けなら楽なのか/きついのか? ピッキングや梱包との違いは何なのか? アルバイト先として仕分けを考えている方は、事前にしっかり押さえておきましょう。
仕分けとは(仕事内容について)
仕分けとは、倉庫や工場などで、製品を配送先や種類ごとに分類していく仕事です。大量の手紙を郵便番号ごとに振り分けたり、ベルトコンベアを流れてくる製品から該当する物を拾ってカゴに入れたり、トラックから荷物を降ろして種類ごとに分けたり、いろいろなスタイルがあります。
仕分ける製品もいろいろです。小さなものでは、ダイレクトメールや手紙、本や食品、スポーツシューズや洋服など。大きなものでは、エアコンや洗濯機などの家電製品など。後者は体力に自信がない人だと厳しいですが、軽い製品の仕分けバイトなら40~50代の女性でも問題なく働けます。
中にはロボットが自動で仕分けしている工場などもあります。
ただ、割れ物・壊れ物や食品などは破損の恐れがあるため、今でも人の手で仕分けるのが基本です。
冷凍食品・家電製品などの仕分けバイトは、きつい
たまに「仕分けバイトはきつい」という話を聞きますが、それはアルバイト先によります。
一概には言えませんが、仕分けバイトが楽な業種ときつい業種を分類すると、以下のようになります。
楽な仕分けバイト |
きつい仕分けバイト |
お菓子や缶詰など軽い常温食品 |
アイスなどの冷凍食品 |
おにぎりやコンビニ弁当など |
青果物 |
小さな電子部品 |
エアコンなどの家電製品 |
小さめのスポーツ用品(ウェアやシューズなど) |
大きめのスポーツ用品(スキー板など) |
手紙やダイレクトメール |
本 |
このように、同じジャンルの中でも楽な仕分けときつい仕分けが分かれます。
だいたい「大きな商品の仕分け=きつい」と考えておけば大丈夫です。ただ、例外もあります。
たとえば、アイス。サイズは小さいですが、マイナス20~30度の倉庫内で作業をするので、きつい仕分けバイトとして知られます。ただでさえ極寒の中、汗をかいて余計に冷えます。
書店や図書館での本の仕分け(棚入れ)も、意外ときついです。本1冊1冊は軽いですが、集まると結構な重さになります(コピー用紙を考えていただくと、束になった紙の重さが想像しやすいと思います)
また立ったり座ったりを繰り返すため、意外と疲れます。さらに書店のアルバイトは、仕分け以外に接客などもやらなければいけません。
ただ、どんな商品の仕分けバイトにしても、物を持って運ぶ以上、必ず力仕事は出てきます。その点は注意しておきましょう。
季節ものの商品の仕分けは、繁忙期がきつい
アイスは夏に大量に売れるので、その時期に期間限定の仕分けバイトをたくさん雇う会社もあります。それくらいには仕事がきつくなります。お歳暮やお中元で大量の発注が入るECサイトや百貨店の倉庫も同様ですね。
こうした季節ものの仕分けは、繁忙期が想像以上に忙しくなるので注意しましょう。
初心者はピッキングや梱包がセットの仕分けバイトは避ける
仕分けバイトの中には、ピッキングや梱包も担当する場合があります。求人のタイトルは「仕分けバイト募集!」なのに、いざバイトを始めてみたら「仕分け以外に、ピッキングも梱包も検品もやらされた。話が違う!」といった声も少なくありません。
仕分け、ピッキング、そして梱包は、まったく別の仕事です。
仕分け |
製品を配送先や種類別に分ける仕事 |
ピッキング |
ピッキングリストで指示された製品を集める仕事 |
梱包 |
ピッキングされた製品を段ボールなどに詰める仕事 |
薬局を思い浮かべていただくとわかりやすいです。
薬局には、裏に薬の並んだ棚がありますよね。この棚に種類ごとに薬を入れていく仕事が「仕分け」です。そして、処方せん(ピッキングリスト)に書いてある薬を集めてカゴに入れる仕事が「ピッキング」、それを袋に入れるのが「梱包」です。
この3つはまったく別々の仕事です。兼務するとそれだけ覚えることが増えるので、慣れないうちは大変です。初めて仕分けバイトに挑戦するという方は、仕分けだけ任せてくれる求人を選びましょう。
物流倉庫の仕分けは、体力に自信がある人だけ
物流倉庫の仕分けは、体力に自信がない人は避けましょう。
物流倉庫の仕分けは、トラックからの荷降ろし・荷積みがメインの仕事なので、かなりの力仕事です。また工場・倉庫の入り口は、トラックが入ってこられるよう常に開けっ放しのため、冬は寒くてきついです。体力に自信のある方でも「きつい・・・」と漏らす人がいるくらいには、きついです。
以上のような理由から、仕分けバイト先を選ぶときは、
- 初心者は、仕分けのみに集中できるアルバイト先を選ぶ
- 体力に自信がない人は、小さな製品の仕分けを選ぶ(ただし例外に注意)
- 体力に自信がある人は、どんな仕分けでもOK
- 季節商品の仕分けは、繁忙期が結構きついので注意
- 物流倉庫の仕分けは、かなり力仕事なので注意
これらの点に気をつけましょう。
仕分けバイトの良い所・良くない所
次に、仕分けバイトにはどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
仕分けバイトの良い所
良い所は、大きく6つあります。
- 未経験からOK
- 単純作業の繰り返し
- 人間関係が気楽
- 女性でも働ける
- 服装規定が緩め
- 日払いOKが多い
まず、未経験でもOKな点ですね。大学生アルバイトから主婦(夫)のパート、50代など高齢の方まで色々な方が働いています。
また他の工場系アルバイトと同様、人間関係も楽です。仕分けは簡単ではあっても、配送先などを間違えると大事のため、皆さん周りの人と話をせず目の前の仕事に集中しています。
服装のルールがゆるいのも特長です。ただし、業務に支障が出るような格好は認められません。
求人に「服装自由」と書いている会社でも、最低限のルールを用意している所がほとんどです。荷物を運ぶ仕事なので、ネイルや指輪はNGですし、ピアスもNGなところが多いです。
服装自由とは「この最低限のルールを守った服装なら何でもいいよ」という意味に捉えておきましょう。
また、給与の日払いに対応してくれる会社が多いのも魅力のひとつですね。
仕分けバイトの良くない所
では次に、良くない点を見ていきましょう。
- 遠い
- 疲れる
- 汚れる
- わりと緊張感がある
まず仕分けバイトは、工場や倉庫が主な仕事場ですが、だいたい駅から遠い所にあります(鉄道の最寄り駅から徒歩30分など)。ただ、無料シャトルバスなどを出している会社が大半なので、そこまで気にする必要もないかもしれません。
あとは体を動かす仕事ですので、やはり疲れます。「初日を終えたら両脚がパンパンになった」「慣れないうちは筋肉痛がきつい」という声もたまに聞きます。
一方で「ふだん体を動かさないからちょうど良い」「仕分けバイト始めてから痩せた」という声もよく耳にします。
仕分けバイトで一番のデメリットは、仕事に対する責任でしょう。
仕事内容は、配送先や種類ごとに商品を分けるだけと単純ですが、だからこそ間違えると大変なことになります。違う配送先へ向かうトラックに商品が乗ってしまったら、それを送り直さないといけませんし(そのためだけにトラックを出さないといけません)、商品の到着日も遅れて購入者に迷惑がかかります。
その意味では、アルバイトの中でも責任が大きな仕事といえるでしょう。
おすすめ工場系求人サイト
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仕分けバイトの仕事の特徴(給料、残業、人間関係など)
仕分けバイトがどんな仕事なのか、詳しいデータを見ていきましょう。
給与
仕分けバイトの給与は、
- 短期:1,500~1,600円
- 長期:1,000~1,300円
地域や会社によって違いますが、東京や神奈川などの大都市圏ではこのあたりです。
短期の仕分けバイトは、お歳暮やお中元といった季節ものの仕分けや、夏前のエアコンの仕分けなどが多いため、だいたいきついです(人が足りないほど業務量がきついから、短期バイトが雇われます)。そのため時給も高めに設定されています。
通常は1,000円くらいで、高いと1,300円くらいの会社もあります。派遣社員だと1,300円スタートあたりが多いです。
フォークリフトを使う仕分けなど、少し専門的な仕事になると、時給1,500円スタートなど少し高めです(ただし、ほとんど派遣社員や契約社員の求人です)
シフト・勤務時間・残業
日勤と夜勤のシフト制の会社がほとんどです。業務内容にもよりますが、1日8時間ずっと立ち仕事になると考えておきましょう。
アルバイトですから、よほど忙しい繁忙期などを除いて残業は基本ありません。次のシフトの人に引き継ぐ形となります。
休憩はだいたい1回60分。冷凍倉庫内での仕分けなどの場合、2〜3回の会社もあります。
工場のシフトについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
*工場のシフト (2交代制・3交代制) による残業・休日・稼ぎなどの違い
https://afghaneic.com/32/
待遇
仕分けバイトの勤務先は、アクセスの悪い所にありますが、交通費は規定内支給の会社がほとんどです(月15,000円までなど)。ただ、最寄り駅から無料シャトルバスが出ているなど、会社のサポートが受けられる場合がほとんどなので、よほど遠方から通わない限り自己負担は発生しません。
また先ほど書きましたが、日払い対応してくれる会社も多いです。
ノルマ
ありません。ただ仕事が遅れると、商品が流れてくるベルトコンベアを止めてしまったり、配送スケジュールに影響が出たりするので、テキパキ仕事をする必要はあります。
ただ、そこまで難しく考える必要はありません。20〜60代まで幅広く誰でも出来る仕事ですから、任された仕事をしっかりこなしていれば、ミスを起こす心配はありません。
人間関係
何度か書いてきましたが、他の工場系のアルバイト同様、楽です。配送先や配送商品の間違いが起こると大事なので、皆さん目の前の仕事に集中されています。そのため、仕事中に周りの社員と話をする時間は多くありません。
ただ、最低限のマナーやエチケットは守りましょう。具体的には、
- すれ違ったらあいさつをする
- 報告、連絡、相談は忘れずに行う
- 愛想を良くする必要はないが、相手を不快にはさせないよう気をつける
少なくともこの3つを意識できていれば、問題ありません。
仕分けバイトが向いている人/向いていない人
最後に、仕分けバイトに向いている人と、向いていない人の特徴をまとめておきましょう。
仕分けバイトが向いている人の特徴
- 人間関係が楽な仕事がしたい
- 細かい
- 几帳面
- 慎重
- コツコツ取り組める
- からだを動かすのが苦にならない
仕分けバイトが向いていない人の特徴
- 仕事にやりがいを求めている
- 意識が高い
- 単純作業を繰り返す仕事が合わない
- 人と積極的にコミュニケーションを取りたい
- からだを動かすのが好きじゃない
- 大雑把
仕分けバイトは簡単ではありますが、責任は大きいです。簡単な仕事だからこそ油断しがちでもあるので、慎重な人、目の前の仕事にコツコツ取り組める人などに向いています。
あとは、体を動かすのが苦痛じゃない人ですね(体力に自信がある必要はありません)
また単純作業の繰り返しが合わない人は、数時間たつと飽きてミスをしてしまうケースがよくあります。やりがいと求める人も「こんなつまらない仕事やりたくない」と感じて仕事が無意識に雑になってしまい、ミスをする人が多いです。そのため、他のアルバイトを選んだほうが良いでしょう。
まとめ
工場系アルバイトの中でも人気の仕分けは、体を動かす仕事であり、意外と責任も大きいです。そのため慣れるまでは、他のアルバイトより少しきついかもしれません。
ですが、逆に慣れてくると