工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場で作られている製品は、組み立てや組み付けを行って完成品として市場に流通されています。代表的なのが自動車工場で、各パーツの組み立てとボディへの組み付け作業があります。
もちろん、自動車以外にも鉄道や航空機、パソコンやスマホなどの精密品、家電などの生活に欠かせない製品にも組み立て作業があるものです。
ものづくりに興味がある人でも、未経験から作業できるのか心配になるものでしょう。そこで、工場では欠かせない組み立ての仕事について解説していきます。
組み立ての仕事は部品を組み合わせて完成させる作業を指します。よその工場で生産されたパーツを組み立てるので、自動車本体を組み付けるのとは異なります。自動車に組み込まれるハンドルやライト、シートなど、それぞれのパーツを組み合わせて、ハンドルなど一つの製品を完成させていきます。
組み立ての多くはコンベアで連結されたライン（レーン）作業となっており、プラスチックの組み立てなどは重量物でもないので、組み立ては女性も活躍できる軽作業も多々あります。精密部品の場合はパーツが小さいので慎重な作業も必要になるケースがあるでしょう。
基本的に工具を使って組み立てていく作業が多いですが、手ではめ込んでいく場合もあるので指先の力がいる場合もあります。
求人情報では、組み立ての他に組み付け作業を募集していることがあります。この組み付けは組み立てと同じレーン上に存在しているので、まとめて募集している工場も多く見られます。
作業内容は異なりますが、工場によっては同一として扱っている場合もあるものです。組み立ては基本的に各部品を生産していきますが、組み付けはその製品を本体に取り付けていきます。
いってみれば組み付けは組み立ての後工程になり、完成品を作る作業といえるでしょう。組み立てと組み付けを同一作業で行うこともあるので、工場の規模や製品の大きさによって作業は異なります。
組み立てはさまざまな仕事の種類があります。代表的な自動車を始め、医療器具や家電、プラスチック製品など、日用品からおもちゃまでさまざまな種類があるものです。基本的に製造業で生産される製品には必ず組み立てがあり、市場に流通している製品は工場で生産されています。
自動車を例に出すと、本体に取り付けるタイヤ、ハンドル、ドア、ミラー、座席など、一般的に想像しやすいものから、エンジンやシャフト、ベアリング、ファンベルト、ラジエーターなど外からでは見えない部分の製品（ユニット）を組み立てています。
また、自動車工場でこれらのユニットを組み立てている訳ではなく、それぞれ専門の工場で生産されています。中にはロボットが作業をしている職場もあるものの、まだまだ人の手作業が中心の工場も多くあるものです。
組み立てはさまざまな種類がありますが、そのほとんどの作業は未経験からでも可能で、仕事を覚えやすい特徴があります。
組み立て仕事の魅力を紹介していきましょう。
日本のモノづくりに携わっているという実感を味わえるのが組み立て仕事です。完成品に近づく過程を理解できますし、組み立て仕事がないと製品は完成しません。自分の作業が国内外問わず、多くの市場を賑わせているのはやりがいも感じられます。
製品に関して知識を身に付けられますし、今まで知らなかった分野を知ることが可能です。特に組み立ては製品が出来上がっていく工程を把握できますので、自身のスキルアップにもつながることでしょう。
組み付けだけ行っていると、ユニットがどのようにして出来上がっているのか分からないものです。組み立て仕事に従事することで、製品の仕組みも理解しやすくなるでしょう。
組み立ての仕事は未経験から可能です。特別な資格や経験も必要ないので、やる気があればだれでも作業できます。もちろん向き不向きもありますし、工場勤務の経験があるに越したことはないですが、年齢や性別、学歴不問といった工場が多いのも魅力といえます。
ただ、どの職場の先輩も最初はみんな未経験からスタートしているものです。未経験者が担当する組み立ての仕事は複雑な作業がありませんので、初めは時間がかかってもすぐに慣れて覚えられるでしょう。
組み立て仕事は日本のモノづくりを支えている職種でもあります。作業用ロボットが増えたとしても、人の作業が重要な部分がありますし、将来性は十分ある仕事です。また、組み立て仕事で経験を重ね、他の職種へとステップアップする人もいます。
組み立て仕事は未経験者から勤務可能ですので、ここからキャリアを積み重ねていき、設備の段取りやメンテナンスを覚えていけば、さらにやりがいも増えていくでしょう。
組み立ての仕事にはやりがいもありますが、大変なこともあります。それぞれみていきましょう。
工場の仕事は基本的に立ち仕事が多く見られます。これは組み立て作業でも同様です。作業スペースにもよりますが、コンベア上で流れてくるパーツをその場で組み立てる場合や、作業台で組み立てを行うことがあります。
手作業なので座ったままよりも立った姿勢のほうが作業しやすいといえます。立ち仕事に慣れていないと足腰が疲れやすくなり、最初は辛く感じるかもしれません。
休憩時間まで立ち続けるので、前職がデスクワークの人ほど大変といえるでしょう。
組み立て作業がライン上で連結している場合、自分の持ち場を離れることができません。続けて流れてくる製品の組み付けが止まると、後工程の組付けにも影響が出てしまいます。
たとえばトイレに行きたい場合など、他の作業者や班長などの責任者に補佐として入ってもらい、ラインを止めないようにしなければなりません。
自分の判断で勝手に中断できないのが大変といえるでしょう。
組み立て仕事は単調作業の繰り返しになります。工場勤務の現場はほとんどが同じ作業の繰り返しになるものですが、納期に追われている場合だとスピードも求められてしまいます。
単調作業の繰り返しになると、どうしても集中力が続かないという人も少なくありません。仕事に慣れるのも早くなる反面、雑な作業になってしまうと品質に問題が生じる可能性もあるので注意が必要です。
工場で生産される製品は1日の数量が決められています。作業が遅いと定められた期日に出荷ができません。出荷規模を達成するために作業時間や個数のノルマを決めている場合が多くあります。
作業が遅れると全体の進捗に関わるので、これがプレッシャーに感じる人には大変になるでしょう。逆にいえばこのノルマを達成すると自身の評価にもつながるので、目安にすることができます。
組み立て仕事に向いている人はどのようなタイプなのかみていきましょう。
工場はモノづくりの現場になります。さまざまな製品を生産しているので、モノづくりに興味がある人ほど長続きしやすいといえます。組み立ての作業は機械の仕組みに触れることもありますので、自分のスキルアップにつなげたい人ほど向いているでしょう。
組み立ての仕事は単調作業がメインです。これは未経験でも可能な反面、だれでもできる作業になるので慣れると飽きやすくなってしまいます。細かい作業も必要となるケースがあります。
集中力が続かないとミスをしやすくなるものです。単調作業でも集中力が続く人ほど組み立ての仕事に向いているでしょう。
工場には作業要領が定められています。これは作業に基づいたルールですが、細かく設定されていることが多く見られます。
工場で生産される製品は最終的に完成品で組付けられていきます。万が一、組み立てた部品に品質不具合が起きてしまうと、完成品が市場に流通した後で重大な事故が発生する可能性があります。
作業者がルールを守らずに作業して、品質不具合によって発生する事故が人命に影響を及ぼすことも否定できません。会社が莫大な負債を抱えてしまう恐れがあります。そうならないためにも工場は細かいルールを定めているので、きちんと順応できる人は向いているでしょう。
単調作業がメインの組み立て仕事は、飽きやすい人ほど向いていません。集中力が続かないと品質不具合が起きるだけでなく、ケガや事故を誘発する可能性もあります。
また、性格が雑な人も向いていません。組み立ては小さな部品も扱うものです。パーツを床に落としてしまうと紛失するだけでなく、傷をつけてしまいます。大雑把な性格の人は向いていないといえます。
さらに、工場は黙々と作業できるとはいえ、他の部署や後工程とも連携が必要になっていきます。必要最低限のコミュニケーションは必須ですので、協調性がない人は向いていないといえるでしょう。
組み立て仕事は大手工場でも勤務可能です。直接ではなくても大手系列で働くことも可能ですし、安定した収入を確保できます。また未経験からだと正社員になりたくても難しい場合がありますが、大手系列では期間工から採用しているケースが多々あります。
期間工から正社員を目指すことも可能ですので、未経験者でも真面目に勤務してゆくゆくは大手の正社員として活躍するのも夢ではありません。
転職を希望する人にとってもハードルが低いですし、アルバイトやパートから始めることも可能です。
組み立て仕事で生産している製品は、自動車や家電、スマホなど、需要が大きい工場が多く、海外へも出荷しているので部署によっては多忙を極めます。特に少子高齢化で人材不足の工場が多くあり、夜勤や残業、休日出勤などで、24時間のフル稼働を実施している工場も見られます。
そこで工場勤務はお金を稼ぐのに最適です。交替勤務の場合は交替手当の他に深夜業務手当があるので収入にプラスされます。また、期間工であっても賞与の代わりとなる満了金や慰労金が支払われますので収入面でも安定します。
組み立ての仕事は未経験からでも勤務可能で、工場勤務が初心者の人でもすぐに覚えられるメリットがあります。組付けと違い、部品を組み立てていくので機械の仕組みを覚えられることから、モノづくりに興味を持っている人にはおすすめの職種といえるでしょう。
組み立ては大手工場でも期間工から勤務可能ですので、将来的に正社員を目指す人にとっても入りやすい仕事といえます。
