工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場勤務を考えている場合、事務の職種を希望したい人もいることでしょう。前職で事務職を経験している人の場合はまだしも、事務作業が未経験だと何かと不安になってしまうものです。工場の事務仕事は多岐に渡ります。女性が活躍しやすい仕事で、工場事務と製造事務に分かれていることが多く見られます。工場事務はそれほど資格を必須としていませんが、資格を有していると活かせるスキルがあるのも事実です。工場事務の仕事内容やどのような資格が必要で何に生かせるのかをみていきましょう。
工場事務が未経験だと、どのような仕事なのか気になるものです。工場事務の仕事内容と一般事務との違いをみていきましょう。
工場事務の多くがデータ入力に割かれています。このデータは日報を集計し、進捗を追えるようにデータを早めに入力しないといけません。工場は生産数の売上だけを見ていいものではなく、設備の稼働時間を集計しなければならず、このデータから稼働率を算出しています。
日勤だけならまだしも、交替制のシフトを採用している工場なら日報の数も多くなります。しかも、24時間フル稼働の場合、週末の日報も加算されるので、月曜日は激務となりがちです。
稼働率は自動計算するソフトや計算式がすでにシステム化されているでしょうが、日々の進捗だけはまだまだ手書きの日報を使っている現場は多くみられます。製造業DXによって日報の自動システム化を推し進めている企業もありますが、現場の作業者に浸透せずに手書き日報を手動入力している工場は珍しくありません。
工場は規模によってグループ会社に所属している場合もあります。フォーマットを簡単に変更できないというデメリットもあります。全体的な稼働率の集計は必須なので、早めに入力作業をしなければならないのですが、稼働日報はひとまず現場の所属長の下へ集められてチェックしてからハンコを押していくものです。
ここで初めて事務員に日報が渡されることになりますが、現場の所属長もトラブル対応や会議などが多いので、事務員が自分のペースで作業できるとは限りません。そのため、データ入力はある程度スキルが求められるでしょうし、ブラインドタッチは最低条件ともいえます。パソコン関連の資格を持っていると優遇されることがあります。
データ入力の他にも発注書の作成や納品書と請求書のチェックなど、一般事務作業もこなしていきます。さまざまな書類整理をしながら電話応対もしないといけませんし、警備員との連絡や来客応対、プリンターのインク交換や事務用品の補充など、経理や庶務作業の全般を担当することが多くなります。
間材費は管理部が担当することが多くあっても、現場で使用される部品などは修繕費として各部署単位で発注管理をする場合があります。現場が間違って発注することもあるので、応対に追われることもあるでしょう。
工場事務と同じような言葉で製造事務と分けていることもあります。製造事務とは製造業という意味合いではなく、製造部の事務として位置づけられていることが多いです。製造部・生産技術部・品質保証部・生産管理部・総務（管理）部が工場の主な部署になりますが、この内従業員が最も多いのが現場作業の製造部になります。
製造部は生産に従事しているだけでなく、出荷作業の検査や梱包も含まれるものです。従業員の比率が高いので、製造部には専属の事務員を置いている工場もあるでしょう。
主な作業はデータ入力に加えて書類整理やコピーなどの庶務、現場から要求されたテプラやPOP類など掲示物の作成もあります。
さらに作業者が改善やQCサークルなどで、何かデータを現場のパソコン上で管理・集計したい場合、エクセルで関数を使った自動計算のファイル作成を依頼されるなど、突発的な仕事もあるでしょう。
このように、工場事務は工場全体に関わる作業がメインとなり、製造事務は単独部署の事務作業が主な仕事となります。
では、工場事務と一般事務との違いはどうでしょうか。基本的に作業着か制服の違いなどもありますが、電話・来客応対が少ないのが一番の違いといえます。たとえば一般のエンドユーザーが工場に直接電話をかけてくることはありません。まずは本社などのお客様サポートなどにつながるようになっています。
来客も関係者以外の突発的な営業というのはほとんどありませんし、突然クレームを言いに来る来訪者もないでしょう。電話も各部署の担当者に直接つながるようになっています。
工場では健康診断を自社スペースで実施していることが多くあります。夜勤などの2交替や3交替制を敷いている部署が多いので、少なくとも3回は実施している工場が多くあります。これらの受付を担当するのが工場事務の仕事となるでしょう。一般の会社は指定の医療機関で受けることはあっても、自社で行うことはまずありません。
また、繁忙期では事務員も作業に駆り出されることがあります。いきなり現場作業は厳しいですが、検査や梱包、洗浄などの工程を残業や休日出勤でお願いされることもあるでしょう。
工場事務に向いている人の特徴をみていきます。
どの事務作業者にもいえることですが、最低限の応対業務はありますので、コミュニケーション能力は必要といえます。特に現場作業者は愛想がいいとはいえませんし、寡黙な人が多い部署だと提出書類の管理も大変です。自ら積極的に話しかけるコミュニケーション能力は重宝されます。
しかも、工場の部署というのは連携が悪いものです。製造部一つとっても隣の係区とは上長同士がライバルであり、課長や部長単位でもモノづくりを担ってきた猛者たちは何かとプライドが高くなっています。風通しの良い職場づくりを掲げている工場は多いですが、実際のところ横のつながりがあまり期待できないこともあるので、事務員のコミュニケーション能力が生かされる場面は多くあります。
工場では金属関連や電子部品を扱うことも多く、設備にも複雑な機器が付いているものです。センサーの交換や配線のつなぎ直し、ロボット操作などを簡単にできる人でもパソコンは苦手というケースは珍しくありません。
さすがに生産技術や品質保証、生産管理といった現場以外の部署だとスタッフもパソコンスキルが一定以上ありますが、現場作業者の場合はそうもいきません。自分たちがパソコン上で出来ないデータ管理や書類作成などを依頼してくることもあるので、事務作業者はある程度のパソコンスキルを持っていたほうが無難です。
逆にパソコン検定など資格を持っている人は、何かと頼られることが多くなりますので、やりがいのある仕事といえるかもしれません。
工場ですからモノづくりの現場となります。自分が所属する工場でどのような製品が作られて、何に使われるのか、ある程度の知識は持っていたほうがいいでしょう。事務作業員の中にはQCサークルの担当者になることもあります。QCは他の工場との連携や発表もあるでしょうから、現場からQCの進め方などで相談をされた場合、製品の加工方法などが全く知らないと、力になってあげたくても上手くアドバイスできないこともあります。
工場の事務員を目指すなら、モノづくりに興味を持っている人のほうが長続きするでしょうし、楽しく仕事できるといえます。
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工場事務で持っていると優遇される資格をみていきましょう。工場によって求めるレベルに違いはあるでしょうが、基本的に資格は必須ではありません。
マイクロソフトが提供するofficeのWordやExcel、PowerPoint、Access、Outlookといったソフトのスキルがどの程度あるのか証明する資格です。スペシャリストとエキスパートがありますが、ひとまずスペシャリストを持っていると実務に支障がないレベルというのが分かります。
８分野でそれぞれ特化した内容の資格となり、事務系だと人事・労務管理・経理が主な検定となります。民間資格ですが、上級は難易度も高く専門知識を有するので認知度も高い検定といえるでしょう。
日商PC検定はWordを作成した文書作成、Excelを使ったデータ分析、PowerPointを活用したプレゼン能力の作成を検定します。実務能力的に2級以上を取得していると優遇されるでしょう。
日商簿記検定は言わずと知れた人気の資格で、認知度もかなり高くなっています。どの企業でも通用する資格ですから、自身のスキルアップのために取得するのもおすすめです。
資格は何も事務系ばかりが重宝されるとは限りません。工場勤務において、自身のスキルアップのために入社後でも取得を目指したい資格を紹介していきます。
QC検定は品質管理の知識をどれだけ有しているかを検定します。品質保証がメインといえますが、２級までは品質保証に所属していなくても問題ありません。製造業は品質管理がとても重要です。工場では生産性も大事ですが、品質というのは企業の信頼性に直結するので、どれだけ多く生産数を上げても不良率も増えれば意味がありません。
万が一にも不良品が流出してしまえば、クレームだけでなく損害賠償を伴うことも考えられます。そうならないように、普段から品質問題を重要視しておくことが大切です。事務作業ができればパソコンスキルは問題ないと思われます。将来的に品質保証への部署異動も含めて、品質に関わる勉強をしておくのは自身のスキルアップにもつながるでしょう。
大きな工場では倉庫を別で管理していることもあります。入出荷も含めて外部へ一括委託している工場もあるでしょうが、この倉庫は倉庫管理主任者を選任しないといけません。難易度も高くないので、自身のスキルアップで取得を目指すのもありです。
国家資格で認知度も高く、難易度もそれほど高くないことから人気の専門資格です。工場ではフォークリフトが必須です。現場作業者以外でも工場や倉庫では荷役作業で必要ですし、工場内の運搬でも多用されています。事務作業の傍らでも資格取得は難しくありません。実際に異動で入出荷作業に従事するかは分かりませんが、持っていて損をする資格ではないでしょう。
実生活でも役立つ民間資格で、歴史も古くて人気の資格です。受講に日数と実務経験が必要になるので、どちらかというと転職後に取得する資格といえるでしょう。梱包は客先へ直接かかわるので、崩れやすい・見栄えが悪いというのは顧客満足度を低下させてしまう恐れがあります。包装管理士には、梱包方法を改善して完成品に傷が付かないように工夫しながら、スピーディーな梱包作業が必要です。工場や倉庫ではあれば重宝する資格といえるでしょう。
工場事務はオフィスワークですので、座りながら仕事できます。ひとたび現場に出れば、女性であっても検査や梱包など全員が立ち仕事をしているので、後ろめたく感じる人もいるものです。また、工場事務は日報を紙ベースで管理している場合だと、リモートワークは不可能です。
また、一般事務よりも給与は高めで、賞与も組合がしっかりしているところだと期待できます。
工場事務は時短勤務も可能です。なかなか現場作業だと時短勤務の申請をためらってしまう人もいるでしょうが、工場事務だとそれほど難しいものではありません。むしろ、集中して作業できるので効率よく考えて仕事ができるでしょう。
また、パート勤務を募集している工場も見られます。パートは時間給で見ると、一般のオフィスワークよりも時間給は若干高めといえます。さらに、パートから正社員への採用も実施している企業が多いのが特長です。パートから正社員になる際、配置異動で現場など、他の部署に配属されることもありますので、キャリアアップを図れます。
工場事務員は作業着が制服となっていますが、髪型やネイルなどにはそれほど細かくありません。一般事務員と違い、来客への応対があるわけではないので、あまり厳しい規則はないでしょう。一般常識の範囲であれば細かく指摘されることもないので、基本自由なスタイルで働けます。ただ、急遽現場応援に駆り出されることもあるので、その場合にはアクセサリーなどが邪魔になることもありますし、異物混入を防ぐために外して入らないといけない可能性もあります。
工場事務はオフィスワークですが、一般事務作業とそれほど変わらない仕事内容となります。一般事務よりも来客や電話の応対は少ないのが特長ですが、日報を紙で管理している職場も多いので、進捗管理のためにも迅速な作業が求められます。
工場では異動が多いので、事務系以外の資格を取得しておけば自身のスキルアップにもつながります。コミュニケーション能力に長けてパソコンスキルがある程度あれば、工場事務として仕事をすることが可能でしょう。
