工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
重機オペレーターへの転職を考えている人の中には、どんな仕事内容なのかよく分からない場合もあるでしょう。大型の特殊車両を操作し、暑い時期にも屋外の作業をしなければならないキツイ仕事をイメージするかもしれません。
ただ、重機オペレーターは需要の高い職種であり、責任感を伴うやりがいのある仕事です。そこで重機オペレーターの仕事内容、やりがい、向いている人の特徴を解説していきます。
そもそも重機とはどのようなものを指すでしょうか。重機は建機といって建設工事現場でよく見かけるタイプの建設機械を指します。機械といっても自動車のようにタイヤが付いた車両であり、運転はもちろんのことクレーンやフォークリフトのように作業をする場合があります。
重機の種類を見ていきましょう。フォークリフトやブルドーザー、クレーン車、パワーショベル、ホイールローダー、ダンプトラックなどがあります。子どものおもちゃで人気のショベルカーやダンプカーは建機になります。
重量に応じて扱える資格も異なり、重量1トン未満の小型車両から100トンを超えるような大きい建機まで多くの種類を擁しています。
フォークリフトは重機の中でも一番見かけるものです。工事現場だけでなく、搬入作業では工場以外でも大活躍しています。フォークリフトには2種類のタイプがあり、カウンターバランスフォークリフトとリーチフォークリフトがあります。
前者のカウンターフォークリフトは車のようにシートがあるので座って作業可能です。前方にフォークがあってパレットなどの重量物を持ち上げて積み荷作業を行います。一方のリーチフォークリフトはシートがなく立ったまま作業します。コンパクトで小回りが利きやすいので、工場内などの狭い空間で作業するのに向いています。
油圧ショベルやショベルカー、ユンボ、バックホーなどの呼び方があり、操縦席からアームを操作して堀削や整地を行います。工事現場で土砂を堀削してトラックなどの運搬車に積み上げていくのをよく見かけるものです。
油圧式でパワーもあることから、大型のショベルではビルなどの建物を解体する作業もあります。
小松製作所やキャタピラー社が有名でトラクターの前面に土砂を押し出すブレードを取り付けています。盛土や整地に使用され、キャタピラがついていない車輪タイプもあります。クレーン車やショベルカーと並んで子どもにも人気があり、作業しているところを見たことない人がほとんどなのに知名度は高い重機です。
工事現場でよく見かけるのがクレーン車です。かなりの重量物をフックで吊り上げて運び、工事現場や建設現場で作業しています。高い場所まで運べるので慎重な作業が必要です。トラッククレーンや自走式のラフテレーンクレーン、キャタピラ式のクローラークレーンなどがあります。
油圧ショベルと似ていますが、2輪駆動のショベルカーと違い、ホイールローダーは4輪駆動で急斜面を駆け上がることが可能です。パワーは劣りますが、足場の悪い環境でも活躍できます。さまざまな用途で使用でき、豪雪地帯では除雪車としても活動しています。
ダンプカーとも呼ばれ、外観的には屋根がないトラックといえます。ダンプトラックは土砂や砕石を運んで、荷台を傾けてから一気に積み下ろします。一般道も普通に走行しているので、普段の生活でも見かけることが多いといえるでしょう。
重機オペレーターは主に建築・建設工事現場や工場の積み荷作業で作業します。工事現場では土砂や資材を運んで作業しやすいように進めていき、人が運べない重量物を高所へと積み上げ、もしくは高所から積み下ろしを行います。
工場ではパレットに積まれた荷物をフォークリフトで運搬し、入荷場・出荷場での搬入・搬出を行います。広い工場では現場内で生産された製品をまとめて次の工程へと運搬することもあり、工場内作業者とは別の請負業者が担当するケースが多いでしょう。
また、頻繁にあるわけではありませんが、自然災害現場で作業することもあります。地震や台風、土砂崩れなど、がれきや土砂を片付けて復興支援を行う場合もあります。このような現場では慎重さとスピードが大事です。
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重機オペレーターは専門性の高い仕事ですので、どの重機にしても素人が簡単に扱えるものではありません。重機は大型の特殊車両ということで、子どもの憧れでもあります。小さい頃から重機が好きな人にとってはとてもやりがいのある仕事です。また、ほとんど荒地状態を一から作り上げていく過程を体感できますし、時には長い工期のプロジェクトもあります。このような仕事を完成させたときは自分だけでなく仲間との達成感も味わえます。
重機は災害時にも活躍するのが特徴的です。台風や地震、ゲリラ豪雨の土砂崩れなど、日本では毎年自然災害が猛威を振るっています。このような被害では人が入れない、持ち上げられないときに重機の存在が重宝されます。重機オペレーターとして現場で活動し、本当に苦しい生活を強いられている被災者から感謝されることは職務に対するやりがいを感じられるでしょう。
まず重機が大好きという人には向いているといえます。好きなものを仕事にできる楽しみはモチベーションの維持に大切です。重機オペレーターは危険が付き物の仕事です。大きなミスは重大事故を巻き起こす可能性がありますので作業には慎重さが求められます。大雑把な性格の人には向かず、物事を慎重に進められる人は向いています。
事故はケガの場合もあれば積み荷の落下や破損で損害賠償が発生するケースもあります。普段の仕事でも集中しても慎重に作業できる人はおすすめです。
屋外の作業がメインの重機オペレーターは夏場の暑さにも慣れが必要ですし、逆に冬は極寒の環境で作業しなければなりません。体力が必要なのはもちろんのこと、どのような環境でも集中力を切らさないタフな精神力を持ち合わせている人も向いています。
厚労省の職業情報提供サイトによると、建設機械オペレーターの年収は平均432.8万円となっています。1か月の給与は26.2万円で平均年齢は45.3歳です。月ごとに収入面でも変化があり、繁忙期や雨季では大きな差が生まれます。工場のフォークリフト作業はほとんど関係ありませんが、工事現場になると雨天時は作業中断し、時には休業が続くケースもあります。
ただ、あらかじめ設定された工期をずらすことはなかなかできませんので、再開後は昼夜問わずして出勤して残業や早朝出勤も辞さない覚悟が必要です。
※参考 厚労省 職業情報提供サイト
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/31
令和3年賃金構造基本統計調査
重機には種類ごとに必要な資格が異なります。重機オペレーターとして活躍するために必要な資格をみていきましょう。
「フォークリフト運転技能講習終了証」は、フォークリフトで作業するのに必要な国家資格で、最大荷重1ｔ以上のフォークリフトを作業可能です。フォークリフトの運搬は厚労省が管轄ですが、公道を走行するには国交省が管轄で最高速度に応じて運転免許が別途必要です。
「移動式クレーン運転免許」は荷重5ｔ以上の移動式クレーンを操作するのに必要な国家資格です。荷重5t未満の場合には「小型移動式クレーン運転技能講習修了」を受講すれば操作可能となります。公道を走行するには別途重量に応じて大型・大型特殊・普通自動車免許が必要です。
また、クレーン車は先端のアームにあるフックに重量物を吊り上げしますが、これには玉掛けの資格が合わせて必要になります。荷重1t以上の場合は「玉掛け技能講習修了」の資格がないと操作できません。移動式クレーン運転免許を取得する前に、あらかじめ玉掛け免許を取得するようにしておきましょう。
高所で作業するのに必要な資格で高さ10m以上に必要な国家資格です。10m未満の場合は特別教育を受講すれば作業可能です。トラッククレーンの場合は公道を走行できますが、重量に応じて大型免許や中型免許といった違いがあります。
パワーショベルやブルドーザー、ホイールローダーといった3ｔ以上の重機を操作するには国家資格の「車両系建設機械運転技能講習」が必要です。3ｔ未満の場合は「小型車両系建設機械の運転業務に関わる特別教育」を受講すれば操作可能となります。
車輪のついたタイプを公道で走行させる場合にはトラッククレーンと同じく重量に応じて普通免許や中型・大型自動車免許の取得が必須です。
重機オペレーターはフォークリフトやクレーン車、ショベルカーを操作して重量物や土砂といった積み荷の運搬作業、荒地の整地や盛土などを行います。工場や工事現場で活躍しており、重機の種類によって必要な資格も異なります。
重機オペレーターは専門性の高い仕事なのでやりがいもありますし、慎重さを持って作業できる人には向いています。
