「人間関係がうまくいかなくて転職を繰り返してしまい、どこにも就職できなくなった」
「会社を解雇されて転職活動してるけど、まるで決まらない」
最近、40代の方から、こうした声を聞く機会が増えました。
40代の方の再就職・転職は厳しさを増しています。専門的な知識や技術、管理職の経験などがないと、転職先の確保は難しいのが現状です。
「未経験OK」「40代歓迎」と書かれた求人でも、実際そんなことはありません。転職を繰り返している人、40代でも後半の人の場合、企業はそれだけで候補から外してしまいます。
こうした案件に応募し、書類や面接で落ちてしまい、心に傷を負っていく・・・でも就職先が決まらない不安から、どんどん応募してしまい、傷が深くなっていく。そんな方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
もし業界や職種にこだわりがなければ、そんな方にご検討いただきたいのが、工場への再就職・転職です。
40代・未経験(無職)でも工場なら再就職・転職できる理由
40代・未経験の方でも、工場なら就職・転職できる可能性が高いです。
その理由は、次の3点です。
- 誰でもできる仕事である
- 人手不足である
- 40代は若手と認識されている
工場の仕事は、フォークリフトの操縦など免許が必要な仕事以外は、誰にでも出来ます。そのため未経験者も積極的に採用しています。
また工場は慢性的に人手不足です。
厚生労働省が公表している有効求人倍率を見ますと、2019年4月時点での工場の新規求人倍率は、2.26。求職者10人に対して、求人が22.6件あることを意味します。つまりいわゆる売り手市場です(厚生労働省「職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート)平成31年4月」より)
そして、工場は全体的に平均年齢が高く、40代でも若手として認識される傾向にあります。
総務省統計局の調査から抜粋しますと、
- 機械組立工:39.3歳
- 溶接工:40.7歳
- 自動車組立工:38.4歳
- 金属プレス工:42.0歳
- 鉄工:41.9歳
となっています(総務省統計局「日本の統計2019」より)
40代は一般企業だと中堅・ベテランとして認識されるため、採用のハードルが高くなります。一方、工場にとっては若手のため、そこまで厳しい選考基準を課せられません。
40代・未経験が受かりやすい工場求人の探し方
以上3点から、工場求人は40代からの再就職・転職でも受かりやすいです。
しかし、求人の探し方を間違えてしまうと、まったく採用されないという事態に陥ってしまう恐れがあります。
そこで、40代・未経験の方が工場求人を探すときのポイントを3点、ご紹介します。
- 40代向け求人の多い求人サイトを使う
- Iターン求人も検討する
- 直接雇用してくれる派遣会社を探す
順番に見ていきましょう。
40代向け求人の多い求人サイトを使う
現在、未経験の40代が活躍している工場は採用実績があるため、受かりやすいです。
このタイプの工場の掲載が多いのは、以下の2つのサイトです。
工場ワークス
(工場ワークスより)
工場に特化した求人サイトの最大手です。求人9,785件のうち、実に86パーセントにあたる8,402件が、40代・未経験から応募できます(2019年6月30日現在)
工場求人ナビ
(工場求人ナビより)
こちらも工場専門の求人サイトです。全国1,019件の求人のうち、74パーセントにあたる759件が、40代・未経験から応募できます(2019年6月30日現在)。求人の数は工場ワークスより少ないですが、トヨタ自動車をはじめとする優良案件が多いのが特徴です。
Iターン求人も検討する
「住む場所にはこだわらない」という方は、ぜひIターン(都市部から地方への就職)を検討してみてください。
工場は地方求人が多く、また地方の工場ほど人手不足のため、関東や関西など都市部の求人より採用率が大きく上がります。さらに地方は20~30代が都市部へ流出しており、40代=若手という意識が強いです。
私自身、むかし東京都から岩手県の商社系の工場へ応募したとき、「遠いけど大丈夫ですか?」という点を危惧されただけで問題なく採用されました。
住む場所や家具の準備など不安かもしれませんが、多くの工場が寮を持っているので大丈夫です。
ただ、都市部の会社や工場と比べて給料は落ちてしまうので、そこは覚悟しておきましょう。
直接雇用してくれる派遣会社を探す
中には面接が苦手という方もいらっしゃるでしょう。いくら受かりやすい求人に応募しても、面接で最低限の受け答えができないと、通過は少し難しくなってしまいます。
そこで面接に自信がない方は、直接雇用してくれる派遣会社に登録しましょう。
これは「自社で正社員として雇用した社員を、顧客の工場へ派遣する」というスタイルの派遣会社です。
このタイプの会社の最大のメリットは、選考の難易度が低いこと。
面接は実質、派遣会社の登録面談のため、正社員採用の面接より難易度が低いです。健康やマナーに重大な問題ある場合を除いて、落ちることはまずありません。
採用後は派遣会社と正社員契約を結び、会社の指定した工場へ行って働きます。またその工場での業務が終了しても、派遣会社と正社員雇用を結んでいるので仕事を失うことはありません。
このタイプの有名な会社としては、UTエイム株式会社があります。同社は「落とす面接ではなく、受かる面接をする」というコンセプトを掲げており、工場系派遣会社の中でも特に応募者に優しいです。
(UTエイム株式会社webサイトより)
面接が苦手な工場志望者、絶対に正社員がいい工場志望者は、ぜひ同社も検討してみてください(工場ワークスに多くの求人があります)
40代・未経験が工場へ再就職・転職するのは不可能ではありません。むしろ他の業界より採用される可能性が高いです。50代・職歴なしから採用され、活躍している方もたくさんいます。ここまでご紹介したポイントを押さえて、ぜひ就職・転職を成功させてください。