工場で管理職になるにはどうしたらいいの?管理職の仕事内容や目指し方を解説します!

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工場で出世をしたい人たちにとって、最初の到達点となるのが管理職ではないでしょうか。管理職ともなると、現場の作業をすることがなくなり、実務業務からマネジメント業務に移行していきます。

ただ、実際に管理職がどのような仕事をしているのか分からないものです。そこで、将来的に管理職を目指す人へ、工場の管理職の仕事やなれる方法解説していきます。

工場の管理職とは

工場に限らず、管理職とは所属している組織の管理を行い、目標を立てて遂行するためのプロジェクトを管理していきます。一般的には課長クラス以上が管理職といえます。

係長を管理職と呼ぶ工場もあるでしょうが、班長や係長はどちらかというとまだ現場寄りです。工場によって呼び方も変わり、係長をリーダーや主任、課長をグループ長、統括リーダーと置き換える職場もあります。

係長の上になると部長となり、部門長として裁量権が大きく異なります。課長はまさに中間管理職なので、多忙を極めることが多くなりがちです。

管理職は目部下を従えますので、人材教育も担います。生産・品質・人材など、あらゆる管理を行うのが特徴です。

現場の仕事ができるからといって管理職に向いているとはいえません。逆に言えば、課長や部長、工場長よりも製品知識に詳しく、現場のスキルが高い作業者は多くいます。

現場の作業とは違うスキルが必要になるのが管理職です。

工場での役職

課長以外の役職を見てみると、工場では一般社員から始まり、班長(主任)、係長、課長、部長、工場長となります。

工場のトップはむろん、工場長です。ただ、製造業では工場が独立した組織となっている場合があるので役職もややこしくなりがちです。

たとえば、工場を持たない本社があるとして、ここには社長や専務、常務などの取締役、各部門のトップも集います。品質管理や生産技術、生産管理など、これらの本部長が存在しています。

それとは別に各地方に工場があり、独立した会社の場合は製作所の所長、副所長、品質管理や生産技術、生産管理の部長がいます。そして、製作所には複数の工場があり、各工場長が統括していることになります。

企業によっては地方製作所の部長クラスと各工場長が同じ部門長として扱われていることがあります。

上のほうはちょっとややこしいですが、管理職の下には係長や班長がいることはどこもほとんど同じです。

工場で管理職の仕事内容

係長は現場に顔を出して作業することがあります。基本的に現場上がりの人が多いので、機械のトラブル対応も自分で行い、直接指導することもあります。

では、管理職はというと、現場に顔を出して作業することがほとんどありません。何をしちえるのか気になるものですので、その仕事内容をみていきましょう。

目標管理

工場には目標が掲げられています。この目標に沿って行動できているのか管理します。生産本数・金額、不良廃棄率、残業など時間外工数、安全管理、人事考課、後進育成など、モノやカネ、ヒトの管理を徹底しなくてはなりません。

これらが工場の立てた目標と離れている場合は、方向を修正する必要があります。それらの陣頭指揮を執るのも管理職の仕事です。

書類作成・管理

管理職の仕事で多いのが書類の作成や管理です。毎日多数の書類にサインが必要となりますので、それだけでも時間を取られてしまいます。たとえば現場が部品の修理や新規購入する依頼書を提出してきた場合、承認は課長となります。不良廃棄した製品の承認も課長のサインが多いものです。

勤怠も同様に休暇申請も所属課長のサインが必要ですし、残業など時間外申請も課長のサインが求められます。とにかく、いろんな書類に自分のサインが使われているのが管理職(特に課長)の仕事といえるでしょう。

それだけサインするのが多いと、今度は書類をほとんど見ずに流れ作業でサインしてしまいがちです。あとでトラブルにならないように書類を把握してサインすることが大切です。

また、同じように書類を作成する仕事が多くなります。管理職ともなれば基本はデスクワークです。

プロジェクトの立ち上げ

部長以上になると裁量権も大きくなるので、目標を設定して新規プロジェクトを立ち上げることができます。予算の管理もしますので、新ラインの増設や搬送機の設置、人員の増加など、お金がかかる案件を担当して指示を出せるようになります。

係長や課長から上がってきた案件に目を通し、ゴーサインを出して承認するのも大事な仕事です。

また、部長や工場長クラスになると、社外との付き合いも増えていきます。大切な取引先の見学や本社重役の応対なども任されることが多くなります。

会議もお金が関わる内容が多くなるので、資料をしっかりと精査してムダや矛盾が無いようにチェックすることも大切な仕事です。

工場勤務の管理職ではどんなメリットがあるのか

工場の管理職ではどのようなメリットがあるのかみていきましょう。

年収などの待遇が良くなる

管理職になると当然ながら基本給が上がります。係長時代よりも大きく待遇面が良くなるでしょう。これは責任の重さが違うからです。管理職の手当が支給されることもあれば、社宅も一般社員とは違う条件が用意される企業もあるほどです。

また、管理職は年間収入も増えます。基本給が上がるので賞与も大幅に増えるのが期待されます。さらに退職金なども増えますので、一般社員を続けるよりも管理職に就いたほうが将来的な資産は増えていくでしょう。

新しいやりがいができる

管理職になると予算の振り分けが可能です。重点的に施策を打ち出したい場合、予算をどのように使うのか係長と相談しながら今期の編成を検討していきます。

たとえば、設備改善に使える金額、部品や治具を購入できる金額、間材費、修繕費、人件費(時間外)をあらかじめ係区ごとに設定しておき、予算を超えないように半期を進めていけます。

これまで現場ではできなかったことができるようになり、改善にも大きな効果が期待できます。一般社員や班長時代に通らなかった案件も管理職になれば自分の意見が通りやすくなります。それだけ影響力のあるポジションに就いているといえるでしょう。

生産性向上や品質改善、部下の人材育に管理職としてチャレンジできるのはやりがいもあります。

キャリアアップにつながる

管理職として携わるとキャリアアップにつながります。自分のスキルをもっと高めたい、会社に貢献していきたいという気持ちがより強くなりますので、転職も成功しやすくなります。

生産性向上や品質改善に取り組んだ内容や効果は、転職活動でも自分の武器となるでしょう。転職しない場合も経験を積んでキャリアアップを目指すことも可能です。管理職の中で課長や部長クラスになれば、あとは工場長を目指すのみです。

大きな工場では課長もたくさんいるので、ライバルが多くなります。

社会的信用が高い

管理職になると社会的信用は高くなります。一般社員よりもローン審査が通りやすくなりますし、融資してもらえる金額も多くなります。

審査が厳しい銀行の各種ローンも通りやすくなるので、管理職になったほうが社会的信用は増していると考えられるでしょう。

工場勤務の管理職ではデメリットもある?

逆に工場勤務の管理職ではデメリットも見られます。どのような面でデメリットがあるのかみていきましょう。

基本的に残業代が出ない

管理職は基本的に残業代が出ません。労働基準法で違反しているのではないかという声も上がりそうですが、同法でも第41条には「管理若しくは監督者の地位にある者」には割増賃金(時間外手当)を支給しなくてもいい(適用しない)と触れています。

拘束時間が長くなるので残業代を支給してほしいと思っても、自分が管理職の立場になってしまえば定時内に仕事を終了させて早く帰宅することが望まれます。

管理職と残業代は度々ネットやニュースでも話題になることがあるものです。「名ばかり管理職」として飲食店の店長が残業代の未払いを請求しているケースは一時期社会問題にもなりました。

もちろん、工場の管理職も課長クラスだと「名ばかり管理職」の可能性は高くなります。労働時間の裁量や経営者との一体性といった面で、管理監督者にふさわしくない待遇の人は多く見られます。こ

会社側も支給してはダメというわけではないので、この辺りは面談などで上司に相談するしかありません。とはいえ、管理職の上司ともなれば、もはや上級管理職です。経費を節減する立場にあたるので、なかなか認められないのが現状といえます。

残業しながら実務業に当たっていたときと比べると、昇格したのに給料は下がったとなるケースは珍しくありません。

責任感が重大

管理職になると一気に部下が増えます。人間関係のトラブルや人が起因する品質面のクレームなどで頭を悩ませることが多くなりがちです。

管理職は責任が増えてしまいますので、会社の信用に関わるミスなどが起きれば取引先への謝罪、原因究明、事後対策など、上司からすべて説明責任を求められます。

ただ、管理職はこのようなトラブルを未然に防ぐ対策を講じることも可能です。責任は重大ですが、トラブル回避を自ら実践できるのも管理職のやりがいとなります。

横のつながりやコミュニケーション力が必要

管理職は部署以外の付き合いが多くなります。これまで付き合いのなかった部署の課長クラスとも協業することもありますので、横のつながりやコミュニケーション力は必要です。

自分の上司といえば部長や工場長になりますので、経営陣と一緒に行動することが多くなります。

入社当時はコミュニケーションが苦手で黙々と作業しているだけでよかった人も、管理職になればそうはいきません。会議も多くなりますし、電話でも人と会話する機会がかなり増えていきます。

コミュニケーションが苦手な人はデメリットに感じるでしょう。

工場の管理職になるには

工場の管理職になるにはある程度の条件があります。主に5つの条件について解説していきます。

正社員で勤務

当たり前ですが、正社員で勤務していることが大前提です。期間工や派遣社員では出世することができません。課長クラスの管理職になれる人材は限られていますので、一般社員の中でも極めて目立って優秀な成績を残す必要があります。

これから転職を考えている人の場合、正社員で採用してくれる工場を視野に入れておきましょう。

まずは班長を目指す

一般社員がまず目指すのは班長や主任です。主任は係長クラスとしている工場もありますが、ここでは班長クラスを例にして説明していきます。

社員は所属課によって係区別に分けられます。ここで班に編成されて現場に配置されていきます。交替勤務もあると同じラインでもさらに班が分かれていき、その責任者が班長となるのです。

班長になるのはそれほど難しいものではないでしょう。責任感を持たすために持ち回り制で班長を決めている工場もあります。班長は会議の出席や班員の出欠確認、生産進捗の確認や指示を出していきます。

特に重要なのが夜勤です。日勤と違って夜勤は管理職が常駐しない工場が多くあります。何かあれば責任者として対応するのは班長となります。

品質や設備のトラブル対応はもちろんですが、事故やケガが発生したときにも上司や安全担当に第一報を入れるのは班長の役目です。

班長は現場にいながらやることが多い役職ですので、まずはそこを目指しましょう。

マネジメント能力を向上させる

現場の仕事ができたとしても、管理職になるにはマネジメント能力が必須です。マネジメント能力とは管理能力のことで、「ヒト・モノ・カネ」の3つを管理できるようにすることを指しています。

社内勉強会や外部セミナーの受講、ビジネスマネジャー検定などの資格取得といった勉強も必要です。

班長時代から広い視野を持って、目標を達成するために必要な過程を「ヒト・モノ・カネ」の面で実践していきましょう。

工場の目標を把握する

マネジメント能力を向上するためには、工場の目標を把握することが大事です。工場の目標は全体目標と所属部署ごとの目標に分かれており、一般的に後者の目標を達成するために現場の作業者ができることを考えて自身の目標に落とし込みます。

管理職になるには工場全体の目標を達成することも大切です。そこで、半期ごとの目標が発表されたら、まずは経営陣がどのような目標を掲げているのか把握するようにしましょう。

人間関係や積極性を大事にしておく

管理職になると、これまで同僚だった仲間も部下に変わります。人事考課をする立場になりますし、人の好き嫌いで判断してはいけません。公平さを保つのも管理職の役割です。

自分が先に出世すると先輩社員も部下に変わってしまいます。円滑に仕事をしてもらうのも管理職の役割ですので、普段から人間関係は大事にしておくようにしておきましょう。

また、積極性も重要です。管理職になるには上司の推薦が必要ですから、係長や課長、工場長と積極的に会話をしておき、改善提案など自主的な取り組みをどんどん提出して積極性を見せていきましょう。

まとめ

工場の管理職は責任も重大ですが、やりがいやメリットもあります。管理職になるには、まずは班長を目指して普段からマネジメント能力を向上させる取り組みを継続するようにしましょう。

ここで紹介した内容を参考に、工場での管理職になれるよう頑張ってください。

 

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