工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場で働く人にとって、まずは期間工からスタートする場合が多く見られます。企業もどの程度仕事ができるのか見極めるため、新卒を除いて中途採用では多くが期間工から採用しているものです。
どの企業でも期間工と正社員では待遇面で大きな差が見られ、ほとんどの期間工が正社員の採用を期待しているものでしょう。しかし、なかなか試験も受けられないのが実情です。そこで、期間工から正社員となりにはどうすればいいのか、採用されやすいポイントを徹底的に解説していきましょう。
そもそも期間工とは定められた期間を契約して働く人を指しています。一般的に半年から1年、2年までに更新し、最大3年未満なら同一の工場で働くことが可能となります。
期間工は契約期間を満了すると、新たに継続して契約更新することができます。そのたびに契約期間を満了すると慰労金や報奨金といった一時金が企業より支給されます。契約期間満了となるので、いわばボーナスや退職金のようなものであり、期間工のモチベーションが上がるきっかけとなるでしょう。
大きな工場で働く人ほど待遇も良くなり、3か月ごとに一時金を支給することもあれば、半年でまとめて支給する企業もあります。
期間工は最長で2年11か月となっています。3年以上は同一企業で期間工になることができません。半年間はクーリング期間に入るので、同じ企業で働きたくてもできないのです。もちろん、その半年間で違う期間工やアルバイトをすることはできるので、また半年後に期間工に応募して働くことが可能です。
しかも、クーリング期間後の募集時には経験者として優遇されますから時給をUPしてくれる工場も期待できるでしょう。
期間工と似たイメージで派遣社員があります。派遣社員は工場に所属しているのではなく、派遣会社に勤めていることとなり、工場の企業とは直接契約しているわけではありません。期間工は工場側企業と直接契約しているので、制服なども正社員と同じものを着ているものですが、派遣社員は帽子が異なるなど違いが見られます。
また、派遣社員は決められた作業しかできません。請負になるので、毎日同じ作業が中心となります。その点、期間工は工場に属しているので、上長の指示のもとで違う作業を覚えることもできますから、スキルアップもしやすいでしょう。
期間工のメリットとしてあるのが、大手の工場で求人があることです。メインとなる自動車メーカーだけでなく、部品となるタイヤメーカーやベアリングメーカーなど、大企業といわれる工場で働くことが可能となります。たとえば、トヨタやホンダ、ブリヂストン、NTNなど、多くの企業が期間工を募集しています。
いきなり正社員として採用されるには求人倍率も高いものですが、期間工としてなら敷居は低くなります。大手企業で働けることは期間工といえども知識は増えますし、何よりもモチベーションが高まることでしょう。
次に期間工がどのような作業をするのか、仕事内容をみていきましょう。
期間工の仕事は主に生産活動に従事することです。出社後に朝礼を経て本日の配置に付き、設備の朝一チェックをして稼働していきます。期間工の仕事は流れ作業や検査など、現場でも比較的簡単なものが多くあり、複雑な作業などは正社員が担当するのが多く見られます。
期間工も日報を記入し、日々でどれだけ生産個数を上げたのか把握しておき、目標値に貢献できるよう努める必要があるでしょう。
期間工は会議などに出席することはほぼありませんが、安全・品質に関わる内容のミーティングには参加し、常に意識を高めていかなければなりません。期間工も派遣社員と同じく、基本的には契約期間内は同じ作業の繰り返しが多くなります。他の作業者の休みや繁忙期などで急遽いつもと違う配置になることもありますが、それでも比較的難しい作業はないでしょう。
また、交替勤務で夜勤をしている工場もあれば、週末もフル稼働の場合があります。残業も多い工場だと繁忙期には収入面で期待がもてます。
正社員も期間工と同じように生産活動に従事しています。ただ、大きく異なるのが設備の段取り替えや調整、メンテナンス作業があることです。普段稼働している設備というのは、常に同じ製品を加工しているとは限りません。ベルトコンベアなど複数の設備が搬送で直結されているライン生産方式だと同一製品を常に稼働していますが、径寸法の違う製品が計画されている場合、月に1回程度は段取り替えが必要になるケースも見られます。
また、設備が単体で稼働しているセル生産方式だと小ロット多品種にも対応できるようになっており、その分だけ段取り替えが多くなりがちです。この段取り替えは生産を止めることになるので、いかに早く終わらせてスムーズに生産へと入れるかがカギとなります。
そのため、段取り替えにはスキルが必要ですから、半年や1年といったスパンの期間工よりも正社員が担当することが多くなります。
企業側として優秀な期間工は契約を更新しておきたいものです。よく動いて生産活動に貢献している期間工というのは、他所の企業へ行かれるのを避けたいものでしょう。また、そのような期間工は正社員としても期待できるものです。期間工の仕事ができるからといって正社員の内容ができるとは限りませんが、一様に正社員は期間工の仕事ができないと務まらないでしょう。
優秀な期間工は企業的にも雇い止めしたいものなので、正社員への道が近づくことになります。
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期間工から正社員になるにはどうしたらいいのかみていきましょう。それほど難しいものばかりではないですから、頑張れば正社員になることも不可能ではありません。
期間工の勤務態度は重要です。社会人として個性が大事ともいわれますが、組織に属している以上、最低限のマナーや常識は必要不可欠といえます。期間工では勤務態度が真面目な人ほど重宝されます。
組織にあまり依存したくないという少し尖った印象を持った人の場合、個性は必要とされません。むしろ、個性は正社員になってから発揮しても遅くはないでしょう。とにかく真面目な勤務態度を守ることが重要です。
休憩時間を守らずにいることやトイレに籠ってスマホをいじるなど、周囲が見ていないところで手を抜いていも必ずバレます。ダラダラした動きやあくびばかりして眠たそうな表情など、周囲の人に悪い印象を与えがちなので注意しましょう。
期間工でも有給休暇は発生します。事前に報告している場合は問題ありませんし、突発で急病するのは人として仕方のないことです。ただ、やってはいけないことは無断欠勤と遅刻です。
救急車に搬送されるような急病や事故の場合を除き、工場に行きたくないからと無断で欠勤するのは社会人として問題です。一気に信用を失うきっかけになるでしょう。
さらに寝坊による遅刻も厳禁といえます。社会人人生において、だれでも寝坊することはありますが、始業時間にまで連絡できないほど寝入ってしまうのは評価を下げてしまいます。万が一寝坊してしまった場合でも、素直に打ち明けてすぐに出社して謝罪する姿勢をとれば、信用を失うことはないでしょう。
期間工は生産数を意識することが大切です。基本的に工場では生産性を高めるために人を増員しています。期間工を配属しているのに生産性が上がらなければ本末転倒であり、企業も利益が出ません。そこで常に生産数を意識しておき、日産の目標数があるのならそれを下回らないように注意しておき、周囲の期間工よりも日産の生産数を上回れるようにしておきましょう。
生産数は正社員になるためのアピールポイントとして非常に有効です。逆に生産数を上げていない期間工は正社員になるのは厳しいといえます。正社員になれば生産個数はより重視しないといけません。設備の稼働率も把握しておかないとなりませんから、期間工の内から意識しておくようにしましょう。
工場勤務では黙々と自分の作業に没頭したいという人が集まりやすいものです。人付き合いが苦手で、コミュニケーションを取るのが好きでない人が工場勤務に向いているイメージですが、実際にはそうでもありません。
コミュニケーション能力は必要ですし、逆に黙々と作業していると自分のルールを作ってしまい、品質トラブルを招きがちです。もちろん、生産中は集中しないといけませんが、最低限のコミュニケーションはどうしても必要となります。
逆に社内コミュニケーションを活発に取る人ほど印象に残りやすくなり、何でも相談・報告してくるというイメージが付きやすいので、社内の推薦を受けやすくなるでしょう。期間工から正社員になるには所属長の推薦が必要となるものですから、普段から社内コミュニケーションを活発にするほど正社員に近づくともいえます。
とはいえ、いきなり社内コミュニケーションを活発にするといっても何から手を付けていいのか分からないものです。そこで、手っ取り早いのが挨拶をしっかり行うことでしょう。人として当たり前のことですが、社会人ともなると、なかなか実践できないものです。挨拶をされて嫌な印象を抱く人はいないはずであり、上長だけでなく職場全員に挨拶できるようになれば、好印象を与えるのは間違いありません。
期間工といっても企業に所属していますので、さまざまな提出書類があります。事務的な手続きで必要なものもあれば、安全や品質などの教育で記入するレポートを書いている工場もあるでしょう。
期間工として週報の提出を義務付けている工場も見られます。これらの書類は即日提出することで期日をしっかり守る信用できるタイプと見られ、逆に言われるまで提出しない期間工は仕事も雑でいい加減なタイプとイメージされます。提出書類は即日提出が望ましいですが、最低でも期日までには出せるようにしておきましょう。
工場では常日頃から改善の意識を持つことが重要です。生産性を向上するためにも全従業員の改善提案を受け付けている工場は非常に多く見られます。たとえ期間工であっても改善に対する意識を持つことは素晴らしいものであり、上長たちの評価も上がっていくものでしょう。
作業効率を上げるために必要な要素やムダな動きの排除など、どんな意見でも構いません。しっかりとアピールする姿勢は、真面目で勉強熱心というイメージを抱きやすくなります。
期間工から正社員になるには試験に合格しないといけません。せっかく所属長に推薦してもらったチャンスなので、しっかりとした対策を講じることが大切です。正社員試験に挑む際のポイントをみていきましょう。
正社員試験には企業独自のテストがあります。自分が所属している部署の知識だけでなく、工場全体で扱っているメインの製品がどのような特徴があって、どれだけ市場に流通しているのかまで調べなくてはなりません。特定の部署だけでテストをするわけではなく、グループ企業単位で行われるからです。
たとえばベアリングメーカーを例に出すと、「自動車」「鉄道車両」「航空機」「精密」「産業機械」など、各種分野は多岐に渡り、それぞれのベアリングも小型から中型、大型、超大型と分かれ、そこに「テーパー」「ラジアル」「円筒」「ニードル」「球面」など所属部署がことなります。さらに、ベアリングには内輪・外輪・リテナー・ころと工程が異なる工場が存在しています。これらの所属先で工場が違いますが、所属先企業は同一になるので、たくさんいる期間工も同じ試験問題になりがちです。
そこで、自社が扱っている主要製品くらいは頭に入れておいたほうがいいでしょう。
面接対策を練ることも重要なポイントです。推薦してもらった所属長によって面接の練習をしてもらえることが多いでしょう。当日の面接官も人事部の担当者や工場長クラスの役員が担当することが多くあり、普段から何度か顔を見かけているとはいえ、緊張するものです。
想定される質問には特に自分の意見を述べられるようにしておきましょう。また、服装はクリーニングされた綺麗な作業着を着用し、髭も剃ってピアスなどのアクセサリーは極力外して外観にも気を使ってください。
いくら面接とはいえ、普段から働いている企業で行うものであり、仕事も覚えているので通常の入社試験よりも気が楽になりますし、先方のイメージも悪いものではありません。普段から生産活動に貢献している優秀な期間工が推薦を受けているのは面接官も分かっています。あまり緊張せずにリラックスして臨むように心げけましょう。
とにかく面接の練習を何回かこなし、ハキハキと正社員になって何がしたいのか、何に貢献できるのか、これまでに何を学んだのかを重点的に回答できるようにしておきます。
特にこだわりたいのが、期間工で培った経験を正社員としてどう生かすかアピールすることです。もっと学びたい、スキルアップしたいという思いを熱心に訴えるようにすればポイントも高くなりがちです。
期間工は2年11か月という最大期間の中で、定められた契約期間の中を仕事に従事しています。大手の求人も多くあり、期間工から正社員になるチャンスも十分見込めるものです。期間工から正社員になるには、勤務態度が真面目で生産数や改善を常に意識して、挨拶などのコミュニケーションを活発にしていくことです。
また、試験問題の勉強や面接対策などを本番の正社員試験に向けてしっかりとポイントを抑えていくことも大切になります。
期間工から正社員へは簡単ではありませんが、大きなチャンスにもなるので、普段からしっかりとアピールするようにしましょう。
