工場のパートは、特にお子さんを持つ主婦(夫)の皆さんに人気の仕事です。朝早い時間に働けるので「息子のお迎えとかぶらない」「娘が寝ている時間は、旦那が家にいてくれる」など、生活サイクルに合った働き方ができる点が喜ばれているようです。割増賃金で効率的に稼げる点も嬉しいようですね。
ただ一方で「体力的にきつい仕事では?」「いじめがあるって聞いて、ちょっと不安・・・」といった声も少なくありません。
工場は人間関係が楽な職場と言われますが、中にはお局さんが気に入らない新人をいびり倒すといった工場も確かにあります。そのため、工場でのパート職を考えている主婦(夫)の皆さんは、仕事内容だけでなく、そうした工場を見極めるコツや、もし当たってしまった場合の対処法についても、しっかり押さえておきましょう。
工場のパート職の特徴について
工場のパート職といっても、その職種は様々です。代表的なライン作業をはじめ、ピッキングや梱包などの人気パート職、一般的な事務職に近い工場事務という仕事もあります。
ただ、すべての工場の仕事には、共通する特徴もあります。具体的には以下です。
- 朝が早い
- 仕事が簡単
- 職場が遠い
- 人間関係が楽
- 給料は安め
- 時間がきっちりしている
- 女性は少ない
朝が早い
夜勤だと関係ないですが、工場の朝は早いです。始業は朝7~8時くらいで、終業は16~17時くらい。そして朝礼やラジオ体操から1日が始まります。これは毎日必ずあります。
仕事が簡単
ほとんどの求人が未経験OKです。そのため採用基準も低く、他の仕事でなかなか決まらなかった主婦(夫)の方が応募する先としても知られます。
職場が遠い
工場はアクセスが悪いです。最寄り駅から徒歩30分などは当たり前。ただ、無料シャトルバスを出すなどして通いやすく支援している工場が多いので、あまり気にならないという方も多いです。
人間関係が楽
主婦(夫)のパート先としては、家から近くてシフトを融通してもらえる仕事が人気です。そのためコンビニやファミリーレストランなどの接客業、コールセンターなどの仕事に応募が集まります。
ですが、接客業は人間関係のトラブルがつきもの。クレーム対応などで精神的に参ってしまう人も少なくありません。
工場の仕事は物を作ったり運んだりするだけで、人と向き合うことがないので、人間関係が楽です。この点を魅力に感じて、事務職やコールセンターから移ってくる主婦(夫)の方も多いです。
給料は安め
誰にでも出来る仕事のため、給料は高くありません。東京都など都市圏に近い工場でも、時給1,000~1,200円くらいです。
時間がきっちりしている
工場は働く時間や休憩時間が、きっちり決まっています。8時始業・17時終業の工場なら、だいたいその通りに終わります。そのため残業は少ないです。納期直前や繁忙期は残業が発生することもありますが、残業代はしっかり支払われます。
女性は少ない
工場にもよりますが、全体的に女性は少ないです。女性が多い職場で「お局さんがいて嫌だった」「人間関係に疲れた」という方が、あえて女性の少ないライン業務を選んだなんて話も、意外と聞きます。
ただ、食品工場や化粧品工場、精密部品工場などは、女性が多い傾向にあります。女性の多い工場パートがいいという方は、このあたりに絞ってみると良いでしょう。
トイレは行ける
たまに「工場パートはトイレに行けない」という声を聞きますが、行けるので安心してください。工場はトイレに行きたくなったらヘルプ(一時的に仕事を代わりにやってくれる人)を頼むという働き方になっています。
工場パートが楽しい理由・きつい理由
工場のパート職は、一般的な事務職や販売職と違って仕事が独特なため、楽しいという人と、きついという人が明確に分かれます。これからパートで工場を検討している方は、それぞれの理由を押さえた上で、自分に合っているか判断しましょう。
工場のパートが楽しい人の理由
まずは工場パートが楽しいという人の声です。主に次のようなものがあります。
- いろんな世代や国籍の人と交流できる
- 気持ち良い人が多い
- 職人仕事ならではのカッコ良さがある
- 体を使うので気持ちが良い
- 達成感がある
- 人間関係が楽
- シフトの融通が利く
- 残業がない(少ない)
- パートの中では高給の部類
いろんな世代や国籍の人と交流できる
同世代はもちろん、若い世代や上の世代、さらにはフィリピンやブラジルなど外国の人と知り合えるのが楽しいという工場パートの方は多いです。
気持ち良い人が多い
「はつらつとした元気な先輩が多くて楽しかった」「面倒見が良いおばちゃんが多くて楽しかった」という声も多く聞かれます。「仕事だけじゃなくて、身近な子育ての悩みなんかも、よく相談します」といった話も耳にします。
職人仕事ならではのカッコ良さがある
工場で働く先輩の仕事ぶりを見て、その速さや正確さに驚いたという人は多いです。職人みたいなカッコ良い姿に憧れて、いつか出来るようになりたいと仕事のモチベーションが高まるパートさんも。
体を使うので気持ちが良い
事務仕事と違って、ほぼ常に体を動かしています。「PCと向き合う事務仕事より健康的」「遊んでるみたいで純粋に楽しい」なんて声も。「朝のラジオ体操とか意外と楽しみ」なんてパートさんもいます。
達成感がある
仕事に慣れるまでは「疲れたぁ・・・」と疲労感が強いようですが、慣れてくると適度に体が疲れるためか、終業時間を迎えると「終わったー!」と解放感に包まれるパートさんが多いようです。運動した後の爽快感に近いものがあるのかもしれません。
また、実際に作る物が目に見えるので、この「成果が目に見える」というのが達成感につながっているパートさんも少なくありません。
人間関係が楽
人と接する仕事ではないので、人間関係が楽でいいというパートさんは多いです。また「事務職だと営業からの無茶振りなんかでもイライラする」から、工場のパート職を選んだという声も意外と聞きます。
シフトの融通が利く
主婦(夫)のパートさんの場合、お子さんのお迎えや家事との両立といった理由から時短希望の方が多いと思います。工場のパート職は、その点から見ても向いています。
工場は24時間のシフト制のため、早朝から深夜まで働きたい時間を選べます。そのため「朝2時から6時まで働いて、帰ったら家事をして、寝て、夕方こどもを迎えに行って」といった生活ができます。この点をメリットに感じて、工場パートを選ぶ主婦(夫)の方も多いです。
残業がない(少ない)
また工場は勤務時間・休憩時間がきっちりしているので、残業がまずありません。
パートの中では高給の部類
先ほどお伝えしたように、時給自体は安いです。ただ、22時から翌朝5時に働いた場合、それ以外の時間に働くよりも効率的に稼げます。22時から翌朝5時の時給は、25パーセント増しで支払わなければならないと労働基準法で決まっているからです。
働きたい時間に働けて、普通のパート仕事より効率的に稼げる、この点をメリットに感じる主婦(夫)の方は多いです。
以上が、工場パートを楽しいと感じた理由です。仕事の内容というよりも、環境に恵まれて楽しく働けているといったパートさんが多いようですね。特にお子さんをもつ主婦(夫)にとっては、自分の生活サイクルにピッタリのパート職として人気が高いようです。
工場のパートがきつい人の理由
では、逆に「きつい」と感じる人の理由を見ていきましょう。主に以下のような理由が挙げられます。
- 単純作業の繰り返しがきつい
- お局さんに目をつけられるときつい
- 体力的にきつい
- トイレが男女共用
- おしゃれは原則できない
- シフト増やせないかとしつこく聞かれた
- 寒暖がきつい
- 電話に出られない
単純作業の繰り返しがきつい
工場の仕事は同じ作業の繰り返しです。この点について「頭が真っ白になって気持ち良い」「楽しい」という方と「とにかくきつい」という方に分かれます。
また「楽しい」という方の中には「自分なりのノルマを決めて、達成できたら自分にご褒美」のように、ゲーム感覚で働いている人もいます。そのため、
- 単純作業の繰り返しでも抵抗がない人
- きつい単純作業を楽しい仕事に変えられる人
なら向いている仕事と言えます。
お局さんに目をつけられるときつい
工場の人間関係は基本、楽です。目の前の仕事を黙々とこなすため、仕事中に社員どうしで会話する機会はほとんどありません。「社内のわずらわしい人間関係が嫌だ」といった理由から、工場へ移ってきた事務職のパートさんなどもたくさんいます。
ただ、たまにお局さんなどボスのような人がいる工場もあります。
工場に限らず、お局さんに目をつけられるときついですが、工場は環境が閉鎖的なため「休憩時間に外のお店に行って逃げるといったことができない」といった点で、よりきついみたいです。
体力的にきつい
これは仕事にもよりますが、工場のパート職は大なり小なり力仕事があります。そのため体力に自信がない人は、軽い製品を扱っている工場を選びましょう。
トイレが男女共用
工場のトイレは、ほとんどの場合、男女共用です。
おしゃれは原則できない
工場のパート職は、衛生管理の都合などから、原則おしゃれはできません。ネイルやネックレス、ピアスなどは禁止されている工場が大半です。特に食品や化粧品などを扱う工場では、頭髪服装検査なども行われます。
逆に「気を遣わないでいいから楽」という声も多いです。
シフト増やせないかとしつこく聞かれた
主婦(夫)のパートさんの場合、週3日・1日4時間など、時短で働きたい人も多いでしょう。
ただ、最初はその希望が叶っても、仕事に慣れてくると工場側から「もう少しシフト増やせない?」といったお願いをされることも。工場は常に人手不足のため、こういう話は意外とあります。
結果、シフトが合わなくなって辞めてしまったというパートさんも少なくありません。
寒暖がきつい
工場にもよりますが、だいたい夏は暑くて、冬は寒いと厳しい環境で働きます。製品の都合上エアコンを入れられなかったり、広い工場では空調が隅々まで効かなかったりします。中には冷凍食品の製造工場や倉庫など、マイナス20~30度の場所で働く仕事も。
冬は重ね着でなんとかなりますが、夏は半袖や腕まくりが禁止されている工場だと長袖仕事になるため、かなりきついです。
(製品に毛が入らないように、火傷をしないように、といった衛生上・安全上の理由から、半袖や腕まくりが禁止の工場は多いです)
電話に出られない
休憩時間以外、スマートフォンを持ち歩けないので「保育園からの緊急の電話に出られない」といった苦労は意外と聞きます。この点からも、お子さんがいる主婦(夫)さんは、夜勤で働くのが良いかもしれません。
以上が、工場パートをきついと感じた主な理由です。体力的にきついなどは、工場の選び方で避けられますが、それ以外はどこの工場でも起こり得ることなので、事前にしっかり調べて避けておきたいところです。
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工場パートでよく聞く「いじめ」を避ける工場の選び方
工場パートを考えている主婦(夫)の方が最も気になっているのは「いじめ」だと思います。「お局さんのいじめがしつこくて辞めた」といった声は、たまに聞かれます。
こうしたケースは女性が大多数を占める工場のみで起こります。男性のほうが多い工場では、ほとんどありません。そのため工場いじめに遭遇する可能性は極めて低いと思って頂いて大丈夫です。
ただ、不安な方もいらっしゃると思うので、求人に応募する時点でいじめのある工場を引かない方法をお伝えしておきます。具体的には、以下の5つに注意して、工場を探しましょう。
- 大手企業の工場
- 世間的に評判の良い企業の工場
- 人数の多い工場(数百人以上)
- アルバイトやパートを定期的に募集していない工場
- 男性が多い工場
ただし、あくまで避けられる可能性が上がるだけです。ご注意ください。
大手企業の工場は、いじめが少ない
大手企業はまともな人が多く、そもそもいじめは起こりにくいです。特に上場企業の場合、問題を起こすわけにはいかないので、いじめなどは少なく、あっても解決に動く場合が多いです。
世間的に評判の良い企業の工場は、いじめが少ない
クチコミサイトなどで評判の良い企業は、全社的にまともな人が多いため、合う合わないはありますが、いじめは少ないです。
人数の多い工場は、いじめが少ない
数百人から1,000人規模の大規模な工場は、休憩時間になると学校のクラスのように「よくコミュニケーションを取るグループ」と「一人で静かに過ごすグループ」に分かれます。お互いほとんど交流がないので、こうした大規模な工場ではいじめが起こりにくいです。
アルバイトやパートを定期的に募集していない工場
通年で募集をかけている工場は、人が定着しない=ブラックだと思っておいたほうが良いです。会社が成長しているから人手が足りない可能性もありますが、少数派です。
また、たまに「あいさつをちゃんとする」「コミュニケーションを取る」といったいじめ対策がネット上に見られますが、あまり効果はありません。いじめる人は、何かと理由をつけていじめます。どれだけ明るく振る舞っても、それを「鬱陶しい」「愛想よくしやがって」と思われることは当たり前にあります。
男性が多い工場
男性が多い工場だと「モテる」「優しくしてもらえる」といった声が多いです。ただ逆に、セクハラが多い工場もあるので注意しましょう。
ただ、こうした気遣いは、いざというとき相談できる知人を作るという意味では効果的です。いじめにあってしまった時、誰にも相談できないと本当にきついです。
実際、お局さんのいじめっぽいことは続いたが、仲の良い人がいたから、ずっと工場パートを続けられているという人は少なくありません。こうしたボス的な人は反感を持つ人も多いので、共感してくれる人が(普通は)職場にいます。
まずパート先の工場の選び方に注意しつつ、働き始めた後も、いざという時に頼れる知人を作っておくのを強くおすすめします。
工場パートが向いている人・向いていない人の特徴
最後にまとめにかえて、工場パートが向いている人・向いていない人の特徴を挙げておきます。向いていない理由が複数あてはまった人は、避けたほうが良いでしょう。
工場パートが向いている人の特徴
- 細かい作業が好き
- 一つのことにコツコツ取り組むのが楽しい
- 折り紙や工作など、ものを作るのが楽しい
- 真面目
- 物静か
- 体を動かすのが好きな人、抵抗がない人
工場パートが向いていない人の特徴
- 単純作業の繰り返しはきつい
- 体を動かすのが好きではない
- 歩いて5分で息が切れるなど、著しく体力がない人
- 集中力がない
- 大雑把
工場の仕事は、特にお子さんのいる主婦(夫)にとっては最適なパート先の一つですが、楽しいと感じる人・きついと感じる人にくっきり分かれます。自分に合っているのか、事前にしっかり調べておきましょう。