転職や就職で、初めて工場勤務を目指してしている人にとって職場がどんなものなのか気になるところ。工場で働いている人にはどんな職場でも同じような「あるある」が存在するものです。
そこで、工場勤務を目指している人の参考となりそうな、工場勤務のあるある20選を解説していきます。
工場勤務のあるある事情とは?
工場勤務のあるあるには、職場内の人間関係や労働条件、厳しさ、楽しさ、やりがい、怖さなど多岐に渡ります。
それぞれの特徴別に紹介していきます。
朝礼での安全唱和や体操
仕事はじめには朝礼を実施している職場がほとんどですが、その中には朝礼の最後に安全唱和や体操をしている場合があります。
安全唱和の最後には指差し呼称をして「ご安全に!」で締めるのが一般的なあるあるです。体操は朝礼の前にある予鈴の段階でラジオ体操を館内放送している場合があり、始業前の一環として長年実施している工場も多く見られます。
職場が暑くて寒い
工場によっては作業エリアにエアコンが効かないこともあり、夏は暑くて冬は寒いのに我慢しなくてはなりません。事務所ではエアコンの効きがあるので、夏場でも長袖で寒いというスタッフもいるので、現場作業者からすると憂いの目で見てしまいがちです。
暖かい空気を循環させるために業務用扇風機を購入して対応している場合もあり、これが冬を経て次のシーズンになるとどこへ収納したのか分からず、また暑さに我慢するというのもあるあるです。
朝礼の後は始業前点検
朝礼の後は配置通りの場所へ移動しますが、まずは機械の始業前点検から始まります。作動油や潤滑油の点検、空圧や油圧の規定値、エアー漏れ、水漏れや油漏れの確認、設備の振動や異音の確認を日常点検・週次点検・月次点検で行います。
チェックシートの各項目を点検していきますが、いい加減な職場にありがちなのが前日の数値をそのまま記入すること。まったく確認せずにチェックシートに記入だけするという作業なので、設備の異常に早く気づけず、品質面の不具合や安全面でも危険が伴います。
それだけに始業前点検はしっかり行うようにしましょう。
騒音で耳が痛い
工場では騒音がすごくて耳栓が必須の職場もあります。職場の騒音は労働安全衛生規則によって規制があり、85デシベル以上になると改善が必要となります。
人によっては85デシベル未満であっても耳栓が必要と感じられる場合があり、とにかくうるさくて耳が痛い、ミーティングでも話し声が聞こえないというあるあるがあります。
家に帰ると油臭いが気にならない
工場勤務は作業着を着用していますが、自宅に帰ると油臭くなりがちです。本人は気付かないものですが、周囲からは工場独特の油臭さを感じ取ってしまいます。
髪の毛も普段は作業帽やヘルメットを着用していても、油の臭いが充満してしまいます。この油の臭いや汚れが嫌になってしまうものの、いつの間にかマヒしてしまい、気にならなくなるのもあるあるです。
外国人が多くてコミュニケーションがジェスチャー
工場では外国人の作業者が多く働いています。ベトナム、フィリピン、中国、ブラジルなどから働きに来ている人が多く、なぜかこちらが英単語でコミュニケーションを図ろうとしてしまうものです。
日本語を覚えている人でも日本独特の細かいニュアンスは伝わりづらいので、ジェスチャーでコミュニケーションを取ろうとする人も少なくありません。
チェックシートが多い
工場で作業をしていると、チェックシートをよく見かけます。安全・品質・生産に関わることでも、なぜか書類に記入する機会が多いものです。これって必要なのか…と思うようなチェックシートもありますが、過去のトラブル対策から「とりあえずチェックシート」で確認するというのが実情でしょう。
どれだけDX化が進んでも紙やタブレットでのチェックシートはなかなかなくならないといえます。
力仕事を見せつける人
食品関連の工場や倉庫では力仕事の作業があります。仕分け作業になると各事業所へ商品を振り分けますが、重たい商品をまとめてカゴ台車に乗せる人もいます。
たとえばペットボトルやパックの飲料品になると、段ボール1箱で10キロ以上に及びますが、これを2箱軽々持ち上げて積み上げる力自慢の人もいます。
一緒に作業していると、まるで自分が遅い印象を受けがちで、無理をして腰を痛めてしまうのもあるあるでしょう。
安全対策が細かい
工場は安全第一というスローガンが掲げられていますが、労働災害が起きると普段見かけないお偉いさんたちがその場所に集まります。
労災になると該当設備は稼働停止になり、どれだけ納期が差し迫っても動かすことができません。労災は設備だけとは限らず、フォークリフトや階段と通路、駐車場などさまざまな場所で起こり得ます。
それだけに安全対策は非常に細かい部分まで実施され、労災や重大ヒヤリハットが発生した設備などは、作業性が悪くなっても安全性を高める対策が講じられる可能性が高くなります。
残業が多い
工場勤務は残業が多いのも特長です。24時間3交替の部署は定時で交代要員が必ず来るのでまだ少ないですが、製造業では人手不足の現場が多いので、時間外を使って納期対応をしているのが実情といえるでしょう。
休み明けの月曜日や週末の金曜日は、残業の人手が集まりづらい職場もあるあるです。
実際のところ何を作っているのか不明
完成品の組み立てではエンドユーザーに何を納品するのか分かりやすいですが、部品工場では完成品がどこに組み付けられるのか分からない人も多くあります。
また、製造工程であっても各工程によって業務が細分化されており、現場の作業者が何を作っているのか全く分からない人もいるものです。
作業服は長袖の工場が多い
ケガ防止のために長袖の作業着を採用している工場が多くみられます。そのような職場では腕まくりも禁止になっており、袖のボタンまでしっかり止めるように指導されています。
半袖が認められている現場もありますし、長袖でも薄い夏用と分厚い冬用に分かれているケースもあります。
作業着での通勤はNGが多い
自動車通勤などの人は作業着で直行直帰したい人も多いでしょうが、多くの工場でNGとなっているケースが見られがちです。
コンビニでの喫煙や買い物時の対応など、意外に見られていることが多く、ちょっとしたトラブルになると、SNSの投稿によって会社がすぐに特定されてしまいます。
会社のイメージダウンを避けるために、工場外の作業着は出張など例外を除いて認めない方向が多くあります。
女性やパートも多い
工場は男性の仕事とイメージしている人も少なくありませんが、実際には女性が活躍している職場も多くあります。また、パートで採用されている人も多数おり、検査や梱包・検品作業は女性の割合が多いものです。
工場によっては女性が現場作業を担っている職場もあり、夜勤も含めて女性だけで生産・段取り・保全まで一貫している部署を設けている工場もあります。
夜勤明けが寝られない
工場は交替制を採用している場合が多く、日勤と夜勤で分かれています。夜勤明けは日中に睡眠を取ることになりますが、慣れない内は寝付けない日々が続きます。
慣れている人でも日勤と夜勤を1週間で交互に繰り返すのは辛いものであり、週明けは特に寝つきが悪いものです。
夜勤明けの休みに寝付けないと、休み明けの日勤がかなりしんどくなり、体調不良を引き起こしやすくなります。
人の出入りが多い
工場は離職率が高い職場もあり、新人作業者に色々と教えてもすぐに辞めてしまうケースも珍しくありません。このような職場では新人作業者に重要な仕事を与えず、単純作業ばかりさせてしまうので、やりがいを感じられず辞めてしまうのが特徴です。
いつまでも人が育たないので、属人化されているのでベテラン作業者が休んでしまったら仕事が回らないという悪循環に陥ってしまいます。
車で休憩
地方の工場では郊外にあるので自動車通勤がほとんどです。食堂で昼食を取ると、残りの休憩時間は自家用車で過ごす人もいます。デスクワークが中心の人は自分の席で休憩できますが、一般の作業者は食堂や休憩スペースといった共通のエリアで過ごさないといけません。
休憩時間くらい自分のペースでゆっくりしたい人も多く、自家用車で休憩している人もいるものです。工場によっては車内休憩を禁止にしていることもありますが、一般的には黙止しているのが現状といえるでしょう。
人間関係でのあるある
人間関係はどの職場でも難しいもので、工場も人間関係のあるあるがあります。ちょっと困った人間関係のあるあるを紹介していきます。
思った以上に複雑
工場で働きたい人の中には、人間関係が煩わしくて自分の仕事に没頭できる工場勤務に憧れることもあります。実際には人間関係が思った以上に複雑であることに注意が必要です。
ライン生産の場合を始めたばかりだと、私語ができないくらいに作業に忙殺されますが、カイゼンや品質面で同じ班員と必要最低限のコミュニケーションは取らなければなりません。
発言力が乏しいにも関わらず、何か意見を出せと言われる始末。しかも、新人への風当たりが強い職場が多く、何か不具合が起きると新人作業者や応援者といった、慣れていない作業者の仕業と認識されがちです。
同じ班員は仲間意識が強い反面、実力を持った人は職人肌のプライドが高い人と一緒に仕事をする機会が多くみられます。自分が段取りしたのにチョコ停が多発すると、途端に機嫌が悪くなり、「ライン作業者が何か余計な操作をした」といった言いがかりをつけてくる人もいます。
交替勤務では部制間のやりとりが最悪
多くの工場では交替勤務制を採用しています。交替勤務は2交替や3交替などさまざまですが、基本的に同じ時間で仕事をしていません。それだけに残業での引き継ぎ程度でしか顔を合わせず、定時で帰宅するときには連絡ノートを活用しています。
普段から一緒に仕事をしていないので、どのような作業をしているのかあまり分からないものです。自分たちが思っていた通りの進捗になっていないとサボっていると思ってしまいますし、プライドが高いのに信頼関係が構築されていないと、段取りした設備を一度バラしてやり直すなど、最悪のやり取りとなってしまいます。
さらに、連絡ノートに悪口を書いてしまうこともあり、直接言われるよりも精神的なダメージを与える場合があります。
女性が多い職場は派閥ができやすい
女性が多い職場でありがちなのが自然と発生した派閥です。グループを作りやすく、親しい人が集まって私生活の雑談から工場内の噂話まで幅広くコミュニケーションをとります。
特に長年勤めている人ほど発言力が強く、班長や係長よりも意見を通しやすいのが特徴です。
まとめ
ここまで工場勤務のあるあるを紹介してきました。工場によって違いはありますが、工場あるあるを共感できる人も少なくないでしょう。工場勤務を目指す人は「あるある」を参考にしてもらい、工場ライフを満喫してみてください。