工場への転職の決め手となる?法定・法定外福利厚生について解説

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工場への転職では、決め手となるのが福利厚生という場合があります。給料面も大切ですが、どれだけ社員のことを企業側が考えているのかが分かるのは福利厚生の待遇です。福利厚生には2種類あり、法律で義務付けられている法定福利厚生と、会社独自で制定した法定外福利厚生があります。

ここではそれらの違いや主な福利厚生をみていきます。

2種類ある工場の福利厚生

どの企業にもいえることですが、福利厚生がしっかりしていると快適に働けるものです。福利厚生には2種類あり、法定福利厚生と法定外福利厚生です。それぞれの特徴をみていきましょう。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、会社側が法律で義務付けられている福利厚生で、一定の基準を満たす従業員に適用されます。

各種保険

主に各種保険があり、「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」「介護保険」「子ども・子育て拠出金」からなります。

正規社員はもちろんのこと、期間社員やパートさんでも同様に基準を満たすと加入しなければなりません。突然の病気には健康保険が適用されますし、仕事上の怪我で休業しなくてはならない場合には労災保険が使用できます。従業員の生活をしっかりサポートするのが法定福利厚生の特徴です。

健康診断を受けるのも義務付けられていますが、費用は全額会社負担となります。腫瘍マーカーなど、法定外の検査項目を受ける場合は自己負担になるので注意しましょう。

時間外手当や有給休暇

残業代などの手当も法律で定められています。時間外手当には残業時間や早出出勤、休日出勤が含まれており、夜勤がある場合(22時以降)は深夜業務手当が支払われます。

また、有給休暇も取得可能です。ブラック企業ではほとんど休みがなく、有給休暇も使用できないことが取り上げられていますが、これは完全な違法といえます。

大きな工場では人手不足で休みが取りづらい職場であっても、管理部や組合側が就業規則の違反を監視していることも多く、職場の上長へ休暇奨励の指導が入るものです。サポートがしっかりしていますから、休暇を申請できないことはないでしょう。

もし上長が休暇の申請を拒否してきたら、さらに上の上長に相談するのもありですし、工場には専門の窓口がありますので相談するようにしましょう。工場内には組合の役員が常駐しているものなので、役員に相談して動いてもらうことも可能です。

ただ、有給休暇を取得するのは労働者の権利ですが、使用者となる会社側は多忙のときや休みが集中するときなどに代替え日を提案することが可能ともなります。

どうしても人員が足りない場合や納期に追われている場合など、休みを変えられる場合には対応するとコミュニケーションも円滑になり現場もスムーズに回ることができるでしょう。何かにクレームを付けるのではなく、お互いの歩み寄りが大切といえます。

法定外福利厚生

法律で定められていない福利厚生もあります。これらは会社が独自で取り入れており、企業ごとに特色がある場合もあります。

主な法定外福利厚生をみていきましょう。

交通費

意外に思う人もいるでしょうが、企業は交通費を支給する必要がありません。交通費は電車やバスの運賃はもちろん、自動車やバイクのガソリン代が該当します。特に工場は郊外にあることが多いので、自家用車での通勤が多くみられます。

ガソリン代は家計を圧迫する要因の一つであり、原油価格の高騰もあって従業員にとって交通費は大事な手当といえるでしょう。

企業側の義務ではないものの、ほとんどの工場では支給しています。これは人材不足を防ぐためともいえます。従業員側として、交通費がある会社のほうが安心感や信頼感が違うともいえるでしょう。同じような給料面なら交通費は大きな決め手になるものです。特に毎日出勤する社員にとっては大きな要因ともなるでしょう。

ただ、いくら支給しているのかは分からないので、事前に確認するようにしておきましょう。

財政貯蓄

財産貯蓄制度を設けている工場も多くみられます。これは給料から天引きする形で貯蓄をするので、知らない内に貯蓄ができていることにつながります。

本来貯蓄は自分たちで行うものですが、手元にお金があるとついつい使ってしまいたくなるのが心情ともいうものです。

その貯蓄を会社側でサポートしてくれるので、従業員としてもありがたいシステムといえるでしょう。毎月の給料とは別に賞与の際には増額することも可能で、困ったときにまとまったお金を用意できるのがメリットです。

現在はろうきんなどもネットで財形の残高を確認できるようになっています。毎月自動的に溜まっていくのは楽しいものなので、大いに活用することが推奨されます。

一般財形貯蓄の他に、財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄があります。

家族手当と住宅手当

収入面の支えとなるのが家族手当や住宅手当です。無条件で支給されていると勘違いされている人にいるでしょうが、実際に企業が支払う必要がありません。家族手当には条件も設けていることが多く、同一生計内や配偶者の所得など、家族の範囲も企業ごとに異なっています。第三子までの支給や親の介護も含めて扶養に入っていると適用されるケースがあります。

家族手当は家族を扶養する必要のない若い独身者には恩恵がありませんが、住宅手当は従業員には嬉しい制度といえます。

人間ドック受診の奨励

定期健康診断とは別に、従業員の健康維持を目的として人間ドックの受診を奨励している工場も見られます。個人で申し込むよりも会社から申請することで一部費用を補助してもらえることがあります。

健康診断ではなかなか分かりづらい病気の早期発見など、人間ドックにはメリットがあります。5歳刻みで人間ドックを奨励している企業も多く見られます。

自己啓発や資格支援制度

自己の成長を促すために、企業側も自己啓発の支援を実施しています。セミナーや資格取得の支援制度を設けており、製造業は専門的な知識を有する場面が多くあり、従業員のスキルアップやキャリアップといったモチベーション向上にもつながります。

電気系や保全系などの資格では社内はもちろん、転職でも優遇されますので、資格取得を目指せるのは大きなポイントといえるでしょう。

また、合格すると資格取得の費用を全額免除する制度を設けている企業もあります。万が一不合格でも初回に限り半額補助する工場もありますので、積極的に活用するようにしましょう。

退職金

転職時に気になるのが退職金です。実際に転職活動すると前職から退職金が支給されることがあり、中途退職でもそのお金を元に転職先の初任給まで生活費に充てることが多いでしょう。

ただ、退職金は法律で定められている訳ではなく、導入していない企業は退職金を支払う必要がありません。もちろん、入社時の条件として契約書に記載されている場合は別ですが、退職金は福利厚生の一種として導入していない企業も見られます。

休暇関連

仕事を頑張るためにはしっかりとした休日を設けることも大切です。法定休日や有給休暇は別として、会社独自の休暇を設定している工場もあります。ほとんどの会社にあるのが慶弔休暇です。

意外に思われるかもしれませんが、慶弔休暇は義務ではなく、設定されていなくても違法ではありません。それゆえに無給扱いの公休でも会社は問題ないのです。ただし、多くの会社では人材確保のためにも必要不可欠でもあり、なかなか慶弔休暇がない工場は見かけないでしょう。

他にも年1回取得可能な「バースデー休暇」やワークライフバランス休暇、リフレッシユ休暇など、企業独自に設定しています。

また、リフレッシュ休暇には旅行と合わせて連休を取れるようにしている場合もあり、所定の勤続年数に達すると、2~3日の公休が取得できる工場もみられます。

社員旅行

募集要項に「社員旅行あり」というのを見かけるものです。4泊5日以内の旅行(海外の場合は滞在期間)で半数の従業員が参加すると余暇活動として福利厚生に分類されます。社員旅行に行きたくない人が多いと実施できないので注意が必要です。

社員旅行はチームの結束を固め、コミュニケーションを向上するのにも役立ちます。会社の旅行でないと行けないところもあるでしょうから、参加したほうがお得といえます。

工場内施設

福利厚生には工場内施設も含みます。普段何気なく使用している施設も立派な福利厚生です。社員食堂も福利厚生で、工場が利用料金を負担していることが多く、通常よりも安価で食事することができます。

社員食堂や休憩所に設けられた自販機、血圧測定器や運動用トレーニング機械も福利厚生といえるでしょう。

更衣室も工場で用意していますが、短時間のパートには用意していない場合もあります。また、作業着が不要の町工場の場合、ロッカーだけを用意していることもあります。

このロッカーも基本的にほとんどの工場で常備されていますが、工場で義務付けられているものではありません。貴重品の保管や荷物などを置くスペースを更衣室のロッカーとは別に、現場で用意している工場もあります。

工場外施設

美容やスポーツジム、ホテルなどを優待利用できる工場もあります。社員を優遇してくれるガソリンスタンドなど、工場外の施設を割引で利用できるのはありがたいものです。さらに、組合の斡旋など、お中元やお歳暮などのギフトやテーマパークの割引券を利用できる場合があります。

企業が託児所を設けていることもあり、工場周辺に設けていることから女性が働きやすい環境を整えている工場もみられます。また、施設も工場に合わせているので、就業時間内は問題なく預かってもらえますし、残業時間にも対応可能です。

工場によっては年末年始やゴールデンウイークなどの長期休暇の影響で、変則的に土日が出勤日となっている場合があります。一般的な保育施設だと休日は預かってもらえない場合が多いですが、工場の託児施設の場合は工場カレンダーに合わせているので問題ない場合がほとんどでしょう。

社員寮

郊外にあることの多い工場では、社員寮を用意していることもあります。正社員はもちろん、期間工でも利用可能なケースがあり、家賃を浮かすことが可能です。寮からバスで無料送迎している工場もありますし、通勤手段も確保できるので一人暮らしを満喫したい人にもおすすめです。

寮だけでなく、駅の近くなどにも工場まで無料送迎しているバスがありますので、ガソリン代や車の維持費を浮かすことができます。

厚生が充実している工場を探そう

法定外福利厚生は転職活動の決め手

郊外にある工場は大手系列が多いので、法定外福利厚生がしっかりしているものです。募集要項自体は確認できるものですが、法定外福利厚生は実際に入ってみないと分からない面もあります。

法定外福利厚生は従業員のモチベーションアップにつながる

優良企業というのは法定外福利厚生がしっかりしているものであり、従業員のことを真剣に考えている証といえます。工場外施設はほとんど使用しないという人もいるでしょうが、各種手当は大きなメリットといえます。

たとえば基本給が同じ会社の場合、交通費や家族手当、退職金がある工場とない場合では生涯収入で大きな差が生じてしまいます。

逆に給料面だけ優遇している企業の場合、福利厚生に力を入れておらず、特別な休暇もなくて各種手当も支給していないことがあります。面接でも福利厚生は給料で還元していると説明することもあるでしょう。このような工場はブラック企業的な雰囲気もありえますし、労働環境が過酷となっている可能性があります。

労働環境をいい方向に変えてくれるのは法定外福利厚生がしっかりしている工場といえますので、そのような工場では従業員のモチベーションも高いといえます。

導入している福利厚生が分からない場合は転職サービスを利用

実際に自分で調べるとなると結構労力を伴います。一社だけという訳にはいかないでしょうから、転職先候補の会社すべてを調べるのは時間もかかってしまいがちです。

そこで、転職支援サービスを活用しておき、その工場で導入している福利厚生をしっかりとリサーチしておくのがおすすめです。

まとめ

福利厚生は2種類あり、健康保険や有給休暇などの「法定福利厚生」と交通費や各種手当、資格支援制度などの「法定外福利厚生」があります。

転職の決め手となるのも法定外福利厚生であり、従業員のことを真剣に考えていることがうかがえますので、事前のリサーチは入念に行うようにしましょう。

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