工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場や倉庫では出荷する製品ごとにラベルを貼っています。このラベル貼りはシール貼りとも言われており、工場・倉庫では欠かすことができません。ラベル貼りの作業は機械で自動化することもあれば、まだまだ人力で作業する製造業も多くみられます。
工場では欠かせない作業となっているのがラベル貼りの仕事といえます。ここでは工場・倉庫でのラベル貼りの仕事について解説していきます。
求人誌ではラベル貼りの仕事をよく見かけます。工場・倉庫以外でもラベル貼り・シール貼りとして多くの職場で求人を募集しているものです。
工場や倉庫では製品数が多くありますし、すぐに出荷するとは限りません。製品ごとに番地というロケーションコードがあり、出荷用の棚へ移動して他の製品とともにトラックの出荷時間になるまで保管しておくことがあります。
工場では多くのスタッフが働いていますが、事務所や作業場からでも在庫が分かるように、ラベルに印刷されたQRコードで在庫状況を把握することが可能となります。
このようにラベル貼りの仕事は非常に重要であり、万が一にも漏れがあると在庫がないことになり、関係者が探し回る羽目になります。
ラベル貼りの仕事はそれほど難しいものではありません。作業自体は単純であり、一般的なバイトなら高校生でも募集しているものです。多くの製造業では日中の作業がメインであるため、高校生不可としているケースがほとんどといえます。
そのため、主婦層やフリーターにも人気の仕事がラベル貼りといえるでしょう。
実際にラベル貼りがどのような仕事をしているものでしょうか。工場や倉庫での作業と別で人気となっているのが在宅での仕事です。それぞれの特徴をみていきましょう。
工場や倉庫でのラベル貼りは、商品の外箱に貼るのと段ボールに貼るケースが主にあります。前者は製品の概要や成分表、バーコードなど工場で作られている製品によって異なります。
後者は出荷先に関するものがメインです。段ボールに自社情報を転載している場合もあれば、別にラベルを貼ることもあります。製品の外箱には商品に関する情報、段ボールなど梱包資材には出荷先や自社の宛名の情報となります。
これらはどちらも間違うと大変ですので、正確に丁寧な作業が必要といえるでしょう。作業はコンベアから流れてくる製品にラベルを貼るライン作業とデスクなどに製品を置いてラベルを貼り、パレットや台車に置いていくオフライン作業があります。
オフラインの場合、ここからコンベアに置いてライン作業につなげる場合もあるでしょう。どちらの場合でも製品一つずつにラベルを貼っていくのが基本作業です。
多くの工場では単純作業になるので最低個数というノルマが課されています。手際よく作業する必要もありますが、まずは間違いのない丁寧な作業が必要といえるでしょう。
工場や倉庫では製品の検品や仕分け作業も兼務することが多く見られます。工場によってはラベルだけでなく箱詰めなどの梱包や洗浄といった作業も行う場合があるでしょう。
食品関連の倉庫では入荷先のタグを読み込んで出荷先のラベルを貼り、そのまま仕分けする作業もあります。検品や仕分け作業も難しいものではないので、ラベル貼りと一緒に覚えていくことが多いものです。
工場や倉庫の職種や規模によって、ラベル貼りと総じて出荷準備・出荷作業として仕事を兼務するケースもあります。
在宅でのラベル・シール貼りの仕事もあります。子どもが小さくて働きに出られない主婦や人間関係が苦手な人など、自分のペースで自宅作業できるのが魅力です。給料は完全出来高となりますから、ラベルやシール一枚単位で報酬が支払われます。
材料や納品は自宅まで運んでくれる場合や自分で運ぶこともあります。在宅の仕事になるのでそれほど難しい作業はありません。ただ、乳幼児の誤飲防止などの対策は自分でやる必要があるでしょう。
ハーネスの組み立てよりも指先の力が不要ですので、単純作業で単価は低いものですが、家事育児の合間に自宅でくつろぎながら作業できるメリットはあります。
ラベル貼りのメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
基本的にパートが多いですが、その分だけ自分のペースでシフトを組みやすく、工場勤務だと土日が休みという点で働きやすいでしょう。働き方も毎日入ることもできれば、週2日からでも採用している工場もあります。
シフト制だと平日に子どもの行事がある場合も休みやすくなります。主婦や掛け持ちのバイトとしても働きやすく、プライベートも充実させやすいメリットがあります。
ラベル貼りやシール貼りの仕事は単純作業なので覚えやすいのがメリットです。工場には検査工程もありますが、こちらよりも比較的簡単な作業といえます。製品や出荷先ごとの特長を把握しておけば、どのラベルをどの位置に貼るのか覚えるだけでＯＫです。
工場での作業に慣れていない人はもちろん、病気やケガ、産後でしばらく仕事をしていなかった人でも苦にせず作業内容を覚えられるでしょう。
これまでの仕事で人間関係から離職を繰り返している人も少なくありません。職場の雰囲気というのは入社するまで分かりませんから仕方ないともいえます。
人間関係でギクシャクすると出社するのも辛くなり、仕事にも集中できなくなってしまいます。結果として長続きせずに退職し、また転職しても人間関係を構築するのが怖くなってしまうものです。
ラベル貼りやシール貼りは単純作業で仕事に没頭できるので、人間関係でギクシャクする心配もないでしょう。もちろん、ある程度の仕事上の会話は必要です。それでもギクシャクする心配は少ないといえます。
ラベル貼りやシール貼りの仕事は単純作業ですので、老若男女問わず活躍できます。雇用対策法によって求人の年齢制限は禁止されていますが、実際に企業側からすると難しい問題ですので、若い人ほど選考に有利というのは否定できません。
しかし、少子高齢化の波が進んでいますし、これまで年齢によって選考漏れしていた工場勤務でも現役で活躍できるのがラベル貼りやシール貼りの仕事です。
ここでしっかりと仕事に真面目に取り組み、きちんと結果を残していけば現場作業にも配属されるかもしれません。ミドルやシニア世代でも求人で積極的になれるのは魅力といえます。
ラベル貼りやシール貼りというのは特別な資格やスキルを必要としません。引き継ぎもそれほど時間のかかるものではなく、教育に時間がかからないものです。作業内容を覚えやすいだけでなく、追加の製品があっても無難に対応できる点では現場作業と違ってスキルを身に付けなくていいメリットがあります。
もちろん納期があるので正確さやスピードというのは必要ですが、何か特別に覚えていくスキルは不要です。
ラベル貼りやシール貼りの仕事にもデメリットが存在しています。その特徴をそれぞれみていきましょう。
これは工場勤務のあるあるですが、単純作業だけに時間の経過が遅く感じることがあります。「結構頑張ったのにまだ30分も経っていない」というのはよくあることで、工場勤務全般にいえるでしょう。時間が長く感じると集中力が切れやすくなり、作業の正確さに影響が出てしまいます。
また、時間が長く感じるようになると、他の作業をしている人が気になり始めるものです。トイレからなかなか帰ってこない人や私語に没頭している人たちなど、作業を止めている人たちにイライラすることも多くなってしまいます。
工場や倉庫勤務では作業着が基本といえます。特に現場作業者は安全のためにも作業着の着用は必須です。一方ラベル貼りやシール貼りの作業は私服にエプロンでも問題ないと思うものでしょう。
ラベルやシールに髪の毛が付着していればクレームにつながります。クリーンな作業環境ほど身支度に制限があるものです。製品や外箱、梱包資材に傷や汚れをつけないように、ピアスやネイル、アクセサリーなどの装飾品を禁止にしている工場は多いもの。
オシャレが楽しめないといったことに不満を抱く人も少なくありません。ただ、作業に支障をきたすことは避ける必要があります。
工場や倉庫の規模や職種にもよりますが、ラベルやシール貼りの作業は足腰に負担がかかるケースがあります。立ち仕事の場合は普通に足腰に負担がかかりますが、座ったままの作業でも姿勢を変えないので腰に負担がかかってしまいます。
また、指先だけを動かすことが多くあるので、肩や首を凝りやすいのもデメリットです。検品や仕分けでも同様に足腰や肩と首に負担がかかることが多くみられ、適度なストレッチなども必要となるでしょう。
ラベル貼りの仕事は工場勤務の中でも給料がどうなっているのか気になる人も多いものです。在宅と比べてどうなのかみていきましょう。
工場勤務の場合は正社員を除き、アルバイト・パートで時間給1,000円からとなっているケースが多く見られます。検査やラベル貼りをパートで採用し、現場作業を正社員で区別している工場もあります。
単純作業が多いですが、検査工程と差をつけるようなこともなく、多い場合だと1,300円になるケースもあるでしょう。繁忙期などは休日出勤や残業もありますので、その場合には別途手当が支給されます。
それなりに稼げるのが魅力的であり、やることの多いコンビニバイトよりも割が合うといえるでしょう。
一方でラベル貼りの仕事は在宅作業になると一気に安くなります。完全出来高制のケースがほとんどですので、単価も0.1円から1円程度となっており、仮に0.5円の単価として一つのラベルを貼るのに平均5秒かかったとして、1,000円もらうには166分（2時間46分）も必要になってしまいます。
ただ、外で働くことが難しい人の場合、それでも毎日続けていけば月に2～3万円の収入を稼ぐことは可能です。
在宅での仕事は事前に研修を少しやるのが主流です。単価の高いロットもありますので、研修で指導を受ける時に自分のペースで出来そうなら単価の高い仕事を選ぶようにしましょう。
ラベル貼りの仕事を探すには地域の求人広告や求人誌の他に、インターネットから手軽に探すことができます。転職サイトや求人サイトを活用すると、24時間いつでも閲覧と応募が可能となります。
ラベル貼りというよりかは軽作業で検索するとマッチしやすくなる場合もあり、求人サイトによって違いがあります。転職サイトなどでは正社員の募集をしている場合もあり、年収や待遇面で前職と比較しておけるのも便利です。
また、ラベル貼りの仕事は派遣会社や請負会社に委託している場合もあります。そのため、ラベル貼りの仕事を探す場合は派遣会社に登録するという方法もあるので、さまざまな選択肢があるのも魅力といえるでしょう。
ラベル貼りの仕事に向いている人の特徴をみていきましょう。
まずは単純作業や繰り返し作業が好きな人です。ラベル貼りは単調で繰り返しの作業内容になります。同じことをずっと続けるというのは結構しんどいものですが、これを苦にせずに好きな人には向いています。
もちろんのこと、同じ作業を繰り返す以上は正確さも必要です。継続作業でも集中力が続く人は向いています。
逆に集中力の続かない人には向いていませんので注意が必要です。
工場ではコンベアでのライン作業がメインとなるケースが多く見られ、単独作業というよりかはチームで稼働しています。各工程に作業者が振り分けられ、製品を完成させていく作業を担っています。
そのため、他の作業者との兼ね合いもありますし、自分の作業に没頭するのが難しい面もあるものです。その中でもラベル貼りは自分のペースで集中して作業を進めることが可能です。もちろん、最低限のノルマはありますが、他の作業者を気にかけなくてもいいので、頻繁にコミュニケーションを取るのが苦手な人には向いています。
製品や梱包資材にラベルを貼る場合、決められた場所に貼り付けますが、少しズレていると見た目がよくありません。製品精度には影響ありませんが、納品先の顧客にとってまずは梱包資材や外箱が目に付くもの。
ここで真っ直ぐに貼られていないラベルやシールを見つけると、いい気分ではないことは間違いありません。納品先がグループ会社というのもよくあることなので、それほど気にしなくてもいいという人もいるでしょうが、出荷する製品はすべて販売品であり、顧客はお客様です。
たとえグループ会社であっても製品を売買していますし、経営者も違います。ラベルがいつもバラバラの向きで納品されてくると「中身は大丈夫か」という苦情につながってしまいます。
そうならないためにも、ラベルを正確に貼る必要があるので、几帳面で丁寧な作業を心がける人は向いています。
ラベル貼りの仕事はだれでも簡単に覚えられる反面、単純作業や繰り返し作業が苦痛に感じる人も見られます。自分のペースで作業できることも多いですが、工場や倉庫では検品や仕分け作業も兼務することがあるでしょう。
アルバイトやパートからでも募集しており、几帳面で丁寧な作業を心がける人ほど向いていますので、ラベル貼りの仕事に興味を持った方は求人サイトや転職サイトで応募してみてはいかがでしょうか。
