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今日の生活水準において、欠かせないのが半導体です。日常生活のいたるところで活躍している半導体は、国内外に多くのメーカーが存在しています。
世界中で新型コロナが蔓延していた時期には半導体不足が懸念されていましたが、徐々に解消へ向けて動き出しています。
そこで、日本で活躍する半導体メーカーや今後の需要、展開などについて解説していきます。
半導体とは電気を通す導体と通さない絶縁体の中間の性質を持っています。主にシリコンで作られており、電気を流す・遮断するという制御ができるので、さまざまな用途で幅広く活用されています。
コンピュータのCPUやメモリーチップ以外にも、スマートフォン、自動車、家電など、日常生活において欠かせないのが半導体の特徴といえるでしょう。
また、国内のほとんどの工場では半導体を使用した部品や設備が稼働しており、半導体が不足すると工場の生産ラインがストップし、そこへ納品している企業や出荷先の企業など、さまざまな方面へ影響を及ぼしてしまいます。
一時は需要が供給を上回るほどであり、新型コロナウイルスが蔓延したときは、パンデミックで半導体の生産も滞ったものです。
バブル期には日本の半導体は世界シェアでナンバーワンの存在であり、半導体王国としてリードしていました。今日では逆に日本の半導体は遅れていると指摘されており、今後の展開に注目が集まります。
日本国内にある、世界でも活躍する半導体関連メーカーを紹介していきます。
東京エレクトロン
東京エレクトロンは日本のトップをけん引する半導体製造装置のメーカーです。1963年に設立され、半導体の高性能化を実現する製造装置では世界トップクラスの水準を誇ります。
半導体製造装置は半導体チップの高性能化に対して必要不可欠であり、世界中で展開されています。
東京エレクトロンは薄型テレビのでも活躍しており、日本が誇るグローバルな大企業として活躍しています。
ルネサスエレクトロニクス
ルネサスエレクトロニクスは2010年に設立された半導体メーカーです。日立製作所と三菱電機から分社化されたルネサステクノロジと、NECから分社化していたNECエレクトロニクスの経営統合によって設立されました。
いってみれば、日本が誇る大手メーカー3社の技術が詰まった会社であり、自動車関連では強い実力を誇ります。トヨタやデンソーといった大手企業が株主となっており、日本の自動車産業を担う1社です。
ルネサスが操業停止になると、多くの自動車関連工場が止まると言われており、トヨタグループを始め、日産自動車やホンダにも影響を及ぼすほどです。
ソニー セミコンダクタソリューションズ
ソニーの半導体部門の中枢を担うのがソニーセミコンダクタソリューションズです。CMOSを利用したイメージセンサー分野では世界トップクラスのシェアを誇り、特にスマートフォンに導入されるイメージセンサーは世界中で活躍しています。
ローム
京都市に本社を置くロームは、1958年に設立された電子部品メーカーです。LSIやアナログIC、パワーデバイス、トランジスタ、LED、半導体レーザーなど、幅広い製品を扱っています。
パワー半導体で強みを見せており、利益率の高きメーカーで確かな技術に定評があります。
東芝
東芝の半導体事業は高い評価を受けていましたが、粉飾決算やアメリカの原発事業での巨額損失を受けて半導体事業を売却するなど、低迷期を迎えました。
それでもパワー半導体など主力商品が好調を極め、自動車関連の半導体分野で好評価となっています。
三菱電機
三菱電機はパワー半導体の分野で世界的に有名です。チップとモジュール技術、それらを搭載した自社グループの家電製品など、市場実績も豊富です。
エアコンなどのエネルギーの効率化に向けた技術にも定評があり、カーボンニュートラルにも多大な貢献を実現しています。
パナソニック
大手総合電機メーカーのパナソニックもパワー半導体の分野で強みがあります。半導体は自動運転技術やIot関連にも使用され、エネルギー効率の高い事業を展開しています。
富士通セミコンダクター
富士通セミコンダクターは、富士通グループの半導体事業を担う企業です。マイクロコントローラやASIC、FRAMなどを提供しています。
アドバンテスト
アドバンテストは、半導体テスト装置の大手メーカーで、メモリテスタの分野では世界トップクラスの実力を誇ります。信頼性の高い半導体製品を保証するテスト装置を開発し、世界の半導体技術の一端を担っています。
ディスコ
ディスコは半導体装置メーカーとして技術力の高い企業です。半導体チップの製造において強みがあり、特にスマートフォンやデータセンター向けの高性能チップの製造に定評があります。
信越化学工業
信越化学工業は半導体用シリコンウェハで世界的なシェアを誇ります。シリコンウェハは半導体チップの基板材料として使用され、先端的な半導体製造に欠かせません。信越化学工業は高性能な品質を保証する化学メーカーです。
オムロン
オムロンはさまざまな産業関連機器、医療機器、センサー関連の高い技術が魅力です。半導体の製造工程で使用されるロボットも提供しており、品質面でも重要な役割を担っています。
以上で紹介した企業は、半導体製造におけるさまざまな役割を担い、高い技術力確かな品質を持って、国内外で多大なる活躍を見せています。
また、国内には他にも多くの半導体関連企業があります。
今後の半導体需要については、以下の主要な分野で大きな成長が予測されています。これらの分野が、今後の半導体業界を牽引する重要な要素となるでしょう。
国内でもトップクラスの大企業が揃う自動車産業では、EV（電気自動車）の普及が進んでいくことで、パワー半導体やバッテリー管理システム向けの半導体需要が増加するでしょう。電力変換に半導体は必要不可欠といえます。
また、近年技術開発が進展している自動運転技術の進展に伴い、AIプロセッサ、イメージセンサー、LiDAR（光検出と距離測定）センサーなど、高性能の半導体は需要が高まります。
爆発的普及となっているスマートフォンでは、5Gネットワークの展開が進み、基地局やスマートフォン、IoTデバイスに使用される半導体の需要が急増しています。
これを受けて高周波の通信チップやアンテナ、パワーアンプに使用される半導体の需要が増加しています。
さらに、次世代通信技術などの研究開発にも半導体は必要不可欠となっていくでしょう。
近年まれにみる発達を遂げているAI技術には高性能の半導体が使用されており、あらゆるジャンルでAIを組み込んだ製品や装置が開発されています。
また、クラウドサービスの利用が拡大しており、データセンターの効率化などに半導体の需要も増加しています。
生活家電にも組み込まれているIotデバイスは、増加傾向にあるのでセンサーの需要も増えています。モノのインターネットといわれるIotは、一般的だけでなく工場の生産設備にも使用されており、離れた場所から監視できるため、人手不足の解消にも役立っています。
Iotは今後も需要が拡大していくのは間違いなく、センサー向け半導体も必要不可欠となるでしょう。
医療機器は年々進化を遂げており、CTスキャンやウェアラブルデバイス、電子体温計などさまざまな機器に半導体が使用されています。医療機器にも多くのセンサーやチップが使用されており、今後の需要も高まるでしょう。
再生可能エネルギーが普及していますが、エネルギー管理システムやスマートグリッドに使用されるパワー半導体は需要が見込めます。省エネに伴うエネルギー効率には世界規模で普及が確約されていますので、エネルギー貯蔵システム（ESS）向けの半導体も需要が拡大しています。
上記のことから、半導体はAIの普及、自動車産業の新技術などで革新的な動きがありそうです。特にAI向けの事業は軒並み大きくなりそうで、2025年以降も世界規模は増えると予想されています。
半導体は我々の生活に欠かせない物質であり、ほとんどの工場で使用されています。半導体は先述した数々の分野で大きく貢献しており、今後の半導体業界の主要な成長となるのが見込まれています。
日本だけでなく海外でも多くの半導体が必要となりますので、自動車産業やエネルギー関連、医療機器など、あらゆる技術の革新や市場の変化にも対応が必須です。
