工場転職ガイド 工場勤務の実態、溶接やフォークリフトなどの資格やピッキング作業など工場勤務全体を紹介
工場には大きな自社倉庫を持っている企業が多くあります。ここから物流拠点までトラックで搬送されていきます。
倉庫内の作業を業務委託している場合もありますが、基本的にどちらであっても作業内容に大きな変わりはありません。アルバイトから働けるので、後に正社員として採用されるメリットもあります。
そこで、工場の倉庫でアルバイトの特徴や仕事内容、メリット、デメリットについて解説していきます。
工場の倉庫では主に自社で生産された製品をラックで保管し、出荷先へ搬送するトラックへ積み込みます。倉庫といっても自社工場内に併設している場合もあれば、離れた立地にある倉庫もあります。
基本的に生産工程で加工された製品は検査完了後、検品して梱包されます。製品ラベルが添付された状態で保管されますが、製作所の自社工場といっても一つの製品を作っているものではなく、多くの製品を日夜加工しています。
製作所には複数の工場が入っており、製作課ごとに係区があります。これらを個別に出荷作業すると膨大な量になるので、まずは自社内で一括管理する倉庫が必要となります。この倉庫を製作所内に立地しているか、隣接する立地に建てられているかで働く場所が異なります。
自社内だと業務委託しているケースがあり、隣接する立地だと物流専門のグループ会社が運営しているものです。正社員ともなれば待遇が違いますが、アルバイトの場合だと待遇や仕事内容もそれほど大きな違いはないでしょう。
所属する会社によって多少のルールは違いますが、根本的に入荷されてきた完成品を仕分けしてラックに収め、注文が入ると出荷先へのラベル発行と仕分け、別で梱包が必要ならその作業を終えてトラックへ積み込みます。
倉庫の規模、ラックの大きさ、手作業かロボットを操作するかで違いはありますが、入荷→仕分け→保管→出荷作業（ラベル発行・梱包）は大まかに一緒です。
食品工場は少し特殊で、注文を受けた商品は原則翌日の朝までには出荷しなくてはなりません。消費期限があるものばかりですので、ラックに保管という概念がほとんどなく、冷蔵冷凍庫の物流倉庫に搬入されてから各エリアに振り分け、配送先のスーパーやコンビニの店舗用に仕分けしていきます。
店舗ごとのカゴ台車がMAXまで積み上がればトラックへ積み込みます。ただ、カゴ台車も日配品や生鮮食品、飲料はエリアで分けてあり、時間が決まっているトラックへは一緒に積み込みますが、作業場所は異なります。
倉庫バイトの仕事内容をみていきましょう。
まずは入荷されてきた完成品の仕分け作業です。トラックに積まれている製品は同一工場（職場）で生産されたものですが、扱っているジャンルが異なる場合があります。サイズの大小もあれば、納品数が大きく違う製品もあります。
積み下ろし作業はフォークリフト作業者が行いますが、これをアルバイトが担当することもあるので、フォークリフトの免許を持っていると仕事の幅が広がります。
入荷場から仕分けされた製品は、自動搬入のラックや入荷エリアの棚、指定の場所へ搬送します。パレットや鉄コン、もしくは段ボールに入っている製品をウォーキーリフトや台車で運びます。中にはすぐに出荷しなくてはならない製品もあるので注意が必要です。
注文を受けて倉庫内にある製品を指定個数取り出します。ロットは棚番で管理されており、倉庫管理システムでどの商品がどこにあるのか、いくつあるのかがすべてロケーション管理されています。
製品を取り出して出荷場へ送り、梱包作業に入りますが、工場の規模や製品の種類、サイズによって、梱包されてからラックに入る場合もあるものです。
仕分けやピッキング、梱包は同じエリアで作業することもあり、複数人が担当するケースがあります。
また、入荷場のラックと出荷場のラックが異なる場合、在庫管理をして必要な分を補充する作業もあるでしょう。
倉庫での仕事はどんな特徴があるのかみていきましょう。
多くの倉庫は夏が暑くて冬の寒さが厳しい現場が多く見られます。一定の温湿度をキープしている倉庫は別として、倉庫には搬入・搬出作業で必ず室外を開放している時間が長くなりがちです。
外の熱気や冷気が倉庫内に入り込んでくるので、エアコンの効きが弱い場合も覚悟しなければなりません。
食品を扱う倉庫だと、冷蔵庫や冷凍庫になっているので、逆に夏場でも寒いくらいで外気との温度差で体調を崩しやすくなります。
倉庫作業では重い荷物を運ぶことが多々あります。棚に出し入れする場合、高い場所にある荷物は踏み台を使って作業する場合もあり、ある程度腕力が必要です。
たとえ軽い荷物であっても毎回作業を続けていれば腕に疲れが生じやすく、立ち仕事が基本ですので足腰に負担がかかってしまいます。
棚の下段など低い場所への作業は腰を痛めやすくなり、常に運動をしている人や体力に自信のある人ほど作業しやすいといえるでしょう。
基本的に屋内作業になりますので、風や雨が厳しいときでも作業性は変わりません。蒸し暑さはある程度我慢する必要もありますが、荷物はすべて商品です。工場で生産された大事な商品を雨で濡らすような倉庫はないでしょう。
倉庫によっては高温多湿を避けなければならない荷物も存在しています。一定の温度を保つスペースで作業する職場もあります。
倉庫で扱う荷物はある季節ごとに繁忙期を迎える商品もあります。分かりやすいのが食品関連のクリスマスケーキやチキン、年末年始に人気の食品で、出荷先のスーパーでも大きな繁忙期といえます。夏に向けて人気が高まるアイス系の商品もあります。
また、ECサイトのプレミアムセールなど、キャンペーンを大体的に実施している時期には荷物が増えて多忙となるものです。このような繁忙期には期間限定で増員している職場もあります。
倉庫では自動的にラベルのロケーション番号に搬入されるシステムもあれば、人力で収納する場合もあります。人の手作業がメインであっても、ほとんどの倉庫ではあらかじめ収納先の場所は仕分け時にシステムで指定されています。
とはいえ、実際に運んで荷物を置くのは人力です。荷物を間違った場所に置いてしまうと、いざ納品で荷物を取り出すときに探すのは大変です。
正確な仕事が必要ですし、かといってゆっくり作業していては生産性が堕ちますので、能率よくスピーディーさも求められます。
倉庫での仕事はそれほど難しいものではありません。正社員やアルバイトの他にも、派遣社員、契約社員など働き方は多様です。外国人のアルバイトも珍しくないでしょう。
ダブルワークや定年退職後に働きたい人も作業可能な職場が多く、世代を問わず働ける特徴があります。
倉庫作業はピッキングや梱包など軽作業が多く、女性も活躍している職場です。力仕事ばかりではありませんし、食品関連の倉庫では夜勤でも女性が働いています。
男女均等に仕事をする機会が多い倉庫作業は、女性にとっても人気のある仕事といえるでしょう。
倉庫は需要が多いジャンルです。コロナ禍の影響やECサイトの隆盛もあって生活環境も大きく変わり、ネットショッピングで買い物を済ます人が多く見られます。
配送ドライバーの人手不足が掲げられるほどの需要を見せており、物を管理する倉庫の仕事は今後も多いでしょう。
それだけにまだまだ長く活躍できるジャンルといえます。
倉庫作業でのメリットをみていきましょう。
倉庫作業でのバイトの時間給は、コンビニや飲食店などのサービス業に比べて割合的に高めで設定されている職場が多いものです。倉庫を運営している企業の規模や地域の特性、仕事内容にもよりますが、平均的に高い時間給といえます。
倉庫での仕事はそれほど難しいものはありません。納入されてきた荷物を指定の場所へ運び、注文が来たら取り出して搬送するのが主な流れです。
特別な技能を有する必要もありませんので、未経験でも積極的に採用しています。アルバイトが初めての人でも採用されるケースは珍しくありません。
アルバイトで応募する場合、比較的シフトも自由に組めるケースがあります。倉庫は日中での作業はもちろん、夜間や早朝まで稼働していることもあり、24時間体制のシフトを組んでいる職場も多く見られます。
ダブルワークにも最適で、仕事終わりに3時間ほど働くことも可能ですし、仕事前に早朝だけ働きたい人にもベストです。
会社が休みの土日はフルで働きたいと言う人にも最適な職場環境といえるでしょう。
扱う荷物にもよりますが、重い荷物を運ぶ職場の場合、必然的に体が鍛えられます。体力をつけるだけでなく、筋力もつくので、体を動かしたい人にも最適です。
食品関連の物流倉庫で配送トラックへと直接カートを運ぶ仕事の場合、飲料品は特に重く、10キロから20キロもあるペットボトルを運ぶだけで筋力が身に付きます。
立ち仕事がメインなので足腰を鍛えられます。
食品を扱う倉庫では、翌朝からトラックがコンビニやスーパーへ配送するので、夕方から深夜にかけて食品や飲料品が各工場から納入されてきます。倉庫内は配送先のカートが並べられており、納入されてくる時間が集中するだけに溢れんばかりの荷物があります。
すべての荷物が配送されると、一気に倉庫内がガランとしてしまって何もない状態になるので、爽快感や達成感を得やすく、やりがいを実感できるでしょう。
倉庫でのアルバイトは真面目に働き続けると、正社員採用もあり得ます。昨今の人手不足は工場だけでなく、倉庫も同様に蔓延しています。アルバイトに的確な指示を出せる正社員というのは重宝されます。
倉庫のバイトのデメリットをみていきましょう。
重い荷物を扱う場合や長時間の立ち仕事で足腰に疲労が溜まりやすく、体力がキツイと感じる人もいるものです。少し高い場所への荷物を出し入れする際、腕や首に負担がかかってキツイと感じることもあります。
仕分けや梱包といった軽作業は、同じことを繰り返すので時間の経過が長く感じられ、飽きやすい人には向いていません。また、梱包されるのは完成品になるので、丁寧な仕事が求められます。
飽きやすくて雑に扱う人は辛いと感じてしまうでしょう。
柔軟なシフトを組みやすいですが、倉庫は人手不足の影響もあって残業を強いられるケースも珍しくありません。人手不足とはいえ、日中の決められた数時間だけ働きたい人というのは主婦を始め人気が高く、職場によっては夜勤の方へ回らされることもあるでしょう。
夜勤や残業が多いのも倉庫作業でデメリットに感じる人もいます。
倉庫作業は軽作業ながら今後も需要が続く仕事であり、高時給で選べるシフトとアルバイトには最適です。もちろん、職場によっては力がいる仕事でもあります。
ここで紹介した特徴や仕事内容、メリットやデメリットをよく吟味して、倉庫作業に興味を持った人は、まずはバイトから始めてみてはいかがでしょうか。
